成蹊学園史料館

創立者中村春二関係 -書画-

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『父中村秋香より春二への手紙』 『海の見える秋の渓山亭』
『父中村秋香より春二への手紙』
明治18年 中村春二先生9歳の夏
『海の見える秋の渓山亭』
留守中はかはり候事あるまじと存じ候
母上のおおせをよくまもり 第三※をねんごろにせわいたし(※は弟の名)
きもをこおらせ候事なきようになさるべく候
時々復習いたし学校の書物をわすれぬように心がくべし 水をのむ事 たべものの事 よくよく注意いたし たくさん水をのみ こなれ悪しきもの くだものなどたべ候事なきようにすべし
熱海は通う道の浜辺あら浪うちよせて砕くるさま まこと見事なりお前にみせたらばさぞよろこぶ事
ならんと思い候 昨日海水浴へゆき浪をあびたり(これは海の浪は体に浴びて薬になるもの故海辺に湯場のごときものをこしらえてそこにて浪を浴びることなり)余もはじめて浪をばあびたりしなり お前をつれゆきたらばいかばかりおもしろがり候事ならんと思ひしことなり 来年はつれて
来たるべし よくよく勉強なさるべく候 勉強せねばつれては来ざるべし 水に入る事 舟にのる事 川の岸にちかよる事などけっしてしてはなりませぬぞよ

草々


 八月六日
春二どの  父より

(学園史料館)

溪山亭は湯河原の山の奥に大正10年頃建てられた創立者中村春二の別邸です。15坪ほどの小さな藁葺きの庵でしたが、中村自ら図面を引き、「溪山亭」と命名しました。

中村は伊豆の静かな海と山を臨むこの庵をこよなく愛し、晩年の数年間をここで過ごしました。

中村の亡き後、小波夫人も、思い出深いこの庵に移り、『この溪山亭にはお父様の匂いがして、とても気がやすまるの』と 子供たちにも語りながら、20年間ここで過ごされました。

今は跡形もなく取り壊され、周辺の景色も一変してしまっています。
このほか、水彩画「山の見える春の溪山亭」も描かれており、この二点(中村春二記念室に展示中)は、かつて庵での寧日の折おりに詠まれた 創立者と小波夫人のお歌をもとに、ご子息の中村文雄氏が住時を想像し、大正時代に近いイメージで描かれた、最近の作品です。


(学園史料館)

『中村春二先生の肖像画』

『中村春二肖像画』

『中村春二筆絵葉書(水彩画)』

学園が保存する創立者中村春二の肖像画は二点あります。

一点は中村彝画伯の筆で油絵15号のもの(右)、もう一点は中沢弘光画伯の筆による油絵20号のもの(左)です。いずれも 創立者が亡くなった後に描かれ、中村家よりご寄贈いただいたものです。

中村画伯、中沢画伯とも創立者と親交があり、創立者を通じて様々な援助を受けられた美術家であります。






(学園史料館)

この絵葉書は、大正8年7月仙石原にて写生会をされた折のスケッチに水彩をほどこし、小波夫人に宛てたものです。この水彩画は、先生の追悼文集『つきかげ』(十三回忌記念)の中に所載されております。先生の絵画に対するお考えの一端が窺えますのでご紹介いたします。

過般箱根仙石にての寫生會の時は黒やセピアをまぜた陰鬱の色の寫生おほくガッカリいたしたり、新しき傾向ならずとも繪はサッパリと(中略)

八月からは少し繪の指導をかへなくてはなるまいと思ひました。気持ちのよい繪がかけてその後に深い繪もよいものゝいきなり意味深長な繪をと志すとどす黒い繪になります。アッサリとこんどは水彩でいたづらしました。明日は一年級への繪はがきをかくつもり(大正八・七・二九)

(学園史料館)





『中村春二自筆絵葉書(女学校生徒宛)』

『写生画:中村春二作』

この絵葉書は大正11年創立者が塩原へ旅行中、投宿先でのスケッチを、教え子(女学校二回生)に宛てたものです。山旅にはいつも絵道具を携帯 し、山や川の美しさを切りとるように葉書に画いては、家族や教え子達に数多く送られました。その中の一枚(中村春二記念室に展示中)です。川の流れる様の軽妙な筆到、翻せば

「ざーざーと、はゝきがはが ながれている
その たえない ながいをとを
ときどき をさのように よこぎるものは
うつくしい かじかの うた!……」
             (後略、原文のまま)


と詩のような文。川の流れる様子が目に浮かび、谷川の岩間に棲む河鹿の声さえ聴えてくるようで、その音色は画面に色をそえるようです。

水彩画ですが、70数年経たものとは思われぬほど褪色もなく、今も鮮やかな色彩を放っています。加えて、文(詩)が生前提唱、実践された「写音仮名づかい」によることも、年代を近づけているのでしょうか。

(学園史料館)

創立者は、中学生の頃より山旅の折々を写画に親しみ、水墨画、水彩画、鉛筆画あるいはクレヨン画など、多くの作品を残 しています。学園で保存している数々の遺作の中から一部を常時展示し、創立者の豊かな画才に触れていただいております。
















(学園史料館)

【お問い合わせ先】
成蹊学園史料館
住所:〒180-8633 東京都武蔵野市吉祥寺北町3-3-1
TEL:0422-37-3994 MAIL:archives@jim.seikei.ac.jp

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