成蹊学園インフォメーション

日本経済新聞シリーズ企画 教育鼎談 第2回 産学協働による人材育成と大学教育の質の保証

Part2   基調講演の内容(板東久美子氏、亀嶋庸一学長)

大学改革に求めるもの

グローバル化をはじめ急激な社会の変化の中で高まる大学教育の重要性と改革への期待

板東久美子氏 文部科学審議官 (講演日当時は文部科学省高等教育局長) 2013年7⽉2日講演

  1. 1 政府の教育再生実行会議が第3次提言で、この5年間を「大学改革実行集中期間」とし、大学強化のために政府が取り組むべき5つの方向を提示。成蹊大学の改革はこれに則したもので大きな期待を寄せている。

    教育再⽣実行会議 第3次提⾔と成蹊大学への期待

  2. 2 日本人⼤学生の海外留学者数が伸び悩み、海外から日本にくる留学生数も近年は減少している。また、社会人の学修機会も不十分である。こうしたグローバル化に対応した教育環境の整備が進んでいない状況を、⽇本全体の問題として捉えている。

    海外留学者数や社会人学生数の伸び悩み、英語力の現状

  3. 3 文部科学省の大学改革実行プラン、教育再生実行会議の提言、日本再興戦略、第2期教育振興基本計画など、多様な視座から提起された大学改革への取り組みを推進する。

    多様な視座からの政府の取り組み

教育再生実行会議 第3次提言と成蹊大学への期待

グローバル化の進展とともに厳しい競争が行われる世界において、変化し続ける状況に対応し、多様化した社会をリードしていくことが、今後の日本に求められています。
国内では少子高齢化社会が到来し、従来と大きく様変わりした環境の中で、日本国民は新しい生き方を求めてさまざまな取り組みを進めていかなければなりません。
こうしたこれまでに経験したことのない社会では、教育、特に大学の存在は極めて重要なものであり、政府、文部科学省は、今後の大学のあるべき姿、果たすべき役割を明確にし、大学の改革について多くの取り組みを進めています。

教育再生実行会議の第3次提言(平成25年5月25日)は、これからの大学教育等のあり方についてまとめており、平成29年度までの5年間を「大学改革実行集中期間」としています。教育再生実行会議では、成蹊学園の佃和夫理事長が副座長として、積極的に議論をリードされています。

第3次提言では、大学強化のために5つの方向を提示しています。

  1. 1. グローバル化に対応した教育環境づくりを進める
  2. 2. 社会を牽引するイノベーション創出のための教育・研究環境づくりを進める
  3. 3. 学生を鍛え上げ、社会に送り出す教育機能を強化する
  4. 4. 大学等における社会人の学び直し機能を強化する
  5. 5. 大学のガバナンス改革、財政基盤の確立により経営基盤を強化する

学生に対しては、主体的な学びを確立するために学修支援機能を充実させるとともに、安倍総理が自ら強く要請される就職活動時期の後ろ倒しを始めとした取り組みによって、学生が学業に専念できる環境、時間、機会を確保していこうとしています。また、キャリア教育やインターンシップを大学在学中に積極的に行い、自立に向けた教育を早くから行っていこうとしています。
そして、社会人に向けては、キャリア転換、ステップアップ、社会参画をしていくための学びの場として大学の役割を打ち出そうとしています。

成蹊大学が取り組む新しいカリキュラム改革は、国が進める「大学改革」の方針と多くの点で一致しています。グローバルな人材育成のために積極的に取り組んでいる成蹊大学には大きな期待を寄せています。

海外留学者数や社会人学生数の伸び悩み、英語力の現状

グローバル化が進み、産業構造が大きく変貌した現在、海外の人々と交流したり、共に仕事をしたりすることが当たり前になるなか、大学生が在学中に国際性を養うさまざまな経験を積み重ねていくこと、さらには社会人にも大学で学び直す機会が得られることの重要性は高まるばかりです。

しかし、このような時代の要請があるにも関わらず、日本では大学生の海外留学者数が伸び悩んでおり、また海外から日本にくる留学生の数も近年は減少しているという現状があります。要因として、海外留学先の学費の高騰、英語教育の課題などが指摘されています。また、社会人にとっては、大学で学ぶ環境が十分に整備されていないという課題があり、欧米のみならず新興国を含めた世界の趨勢からみて、日本の大きな課題であると認識されています。

日本人の海外留学の状況

海外留学する日本人学生数は、2004年の8.3万人をピークに2010年は30%減の5.8万人。米国への減少が著しい。一方、交流協定による交流は増加。

コミュニケーションツールとしての英語力の現状

TOEFLスコア(iBT)の国別ランキングでは、日本は163カ国中135位、アジアの中では30カ国中27位と低位置に甘んじている。

高等教育機関への進学における25歳以上の入学者の割合(国際比較)

大学型高等教育機関:日本の25歳以上の学生の割合(2%)は、諸外国平均(約2割)を大きく下回る

このようなさまざま課題を抱える大学教育には、改革が求められており、改革を推進するためのプランや提言が数多くなされています。

多様な視座からの政府の取り組み

文部科学省では、大学の果たす機能を再構築し、大学教育のあり方、質的転換を目指した「大学改革実行プラン~社会の変革エンジンとなる大学づくり~」を策定し、平成24年度より6年間のプランとして始めています。

安倍内閣は、日本の成長戦略の一環として大学改革を位置づけています。
成蹊大学の卒業生でもある、安倍総理が、自らが命運をかけて産業再生、教育再生に取り組むとの決意を示し、「大学力は国力そのもの、競争力そのものだ。そのために大学の力を高めていかなくてはならない。」と発言しています。
平成25年に入ってからは、先に紹介した教育再生実行会議の第3次提言に続き、成長戦略である「日本再興戦略」(平成25年6月14日)のなかで大学改革、グローバル人材育成に関する政策を数多く盛り込んでいます。さらに文部科学省の中央教育審議会の答申を受け、大学改革を含む第2期教育振興基本計画(平成25年6月14日)が策定されました。現在は、同審議会で大学のガバナンス改革について、議論が進められています。

成蹊大学、成蹊学園が取り組む改革は、こうした提言に則したものであり、大学改革をリードする役割を果たすことに大きく期待しています。

ことばの解説

[ 大学改革実行プラン ]

文部科学省によって大学改革の方向性がまとめられ、「激しく変化する社会における大学の機能の再構築」と「大学のガバナンスの充実・強化」の2つの柱で構成されます。社会変革のエンジンとして大学が十分な役割を果たしていくための変革を促していく取り組みです。

文部科学省: 大学改革実行プラン

[ 成蹊学園 中期重点目標 ]

成蹊学園は2013年度より中期重点目標として『自ら課題を発見し、解決できる人材の育成』を掲げ、「グローバル化の推進」「教育・研究の質の向上」「組織・経営基盤の強化」「産業界・地域との連携」を4つの柱として、6年後の2018年度における目標達成に向けて、学園の総力を結集し、さまざまな教育改革に取り組んでいます。

成蹊学園 中期重点目標(中期ビジョン)

トータルな教育改革で自ら考え発信する人材を育成

成蹊⼤学 学⻑ 亀嶋 庸一 2013年7⽉2日講演

意欲を引き出し、日本国内にとどまらず国際的な舞台で社会に貢献する人材を輩出する

文部科学審議官の板東久美子氏が 「大学改革に求めるもの」について課題を提起したことを受けて、成蹊大学の亀嶋庸一学長が「成蹊大学における教育改革」について紹介しました。

社会が激しい変化にさらされている現在、大学に求められているのは、課題を発見・解決する意欲と行動力にあふれたグローバルな人材を育成することです。こうした問題意識に基づき、本学は2014年度から新カリキュラムをスタートします。

1.プレ・ターム(始動学期)

新カリキュラムの大きな特色は、入学直後の6カ月間を「プレ・ターム(始動学期)」と位置付け、大学教育を受けるための準備期間を設けます。ここで高校までの知識習得型の学習方法から、幅広い分野に興味・関心を持ち、主体的に学ぶ姿勢への転換を図り、自ら考え発信する力や、グローバル化する国際社会に対応していくための基礎力を磨きます。

  • 少人数ゼミ(演習)で学ぶ
    フレッシャーズ・セミナー

  • 将来像を描き、学ぶ意欲を高める
    フレッシャーズ講座

  • 身に付く英語の学び方を学ぶ Fresher’s English

  • 情報化社会で必要なITスキルを修得する「情報の基礎」

  • 生涯スポーツへ取り組む「健康・スポーツの基礎」

  • 異文化を理解する「異文化理解入門」

2.サマースクール

新入生の早い段階で留学の機会を提供し、実体験を通して異文化理解やコミュニケーション能力の必要性を感じてもらう特別プログラムとして、1年次の夏休みに豪モナシュ大学へ留学する「サマースクール」が用意されています。

3.アセットプログラム:ASSET-PROGRAM(成蹊独自の英語教育)

All Seikei Students’English Training(ASSET)Program「すべての成蹊大生のための英語プログラム」では、将来にわたって社会で役立つ英語力を習得するために、習熟度クラス編成で体系的・段階的に学べるさまざまなサポートを用意しています。

  • 英語で聞いたことの大意をつかみ、日常会話からさまざまな話題に参加できる力をつける「College English A」

  • 最初は臆さずに長文を読むことから始め、英語を読む楽しさを味わう「College English B」

  • 英語の映画・ドラマ・歌を用いて、英語を学ぶとともに、文化的な背景や知識などを学ぶ

  • やさしい英語の本を辞書を引かずに、訳さず読んでいくことで英語に慣れ、わからない単語も前後の文脈から意味をつかみ取る「多読プログラム」

  • インターネットにアクセスできる環境さえあれば、成蹊大学が独自に監修した学習コンテンツによって、自学自習ができる「e- learning」

4.成蹊国際コース(全学部共通の選抜コース)

学習意欲と向上心旺盛な学生のための学部横断型選抜コースです。英語での学習を基本とし、学部の枠を越えてお互いに切磋琢磨し合える学びの場を提供します。国際社会で活躍するための語学力・思考力を養成します。

5.少人数教育・ゼミ必修制

本学の伝統である個性尊重・少人数教育を強化した「ゼミ必修制」で、新たな価値を創造し、社会に貢献するための人材を育成する学部横断型の選抜コースです。グローバルな視点で、積極的に提言する発信力、表現しうるための英語力を同時に身につけていきます。

6.キャリア教育(丸の内ビジネス研修MBT:Marunouchi Business Training)

次世代を担う人財育成のために、有名企業と産学連携で行う人材育成プログラムです。3年次生及び大学院1年次生を対象に、丸の内にある成蹊サテライトオフィスで、臨場感あふれるビジネス研修を実施します。事前・事後研修で約6カ月の本格的なプログラムです。

本学は今後も継続的な教育改革を実践し、自ら考え発信する人材の育成に取り組みます。

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