成蹊学園インフォメーション

日本経済新聞シリーズ企画 教育鼎談 第4回 成蹊教育の「真価」と「進化」 100年の伝統を礎に、第二世紀への新たな挑戦

橋本 竹夫 学校法人成蹊学園 学園長

上原 明 大正製薬ホールディングス株式会社代表取締役社長 成蹊学園理事

Part2

変わる成蹊。すべては、新時代に学ぶ者のために  《日本経済新聞  鼎談広告から》

橋本
100年を超える企業の歴史の中で、改革を迫られたことも多々おありだったと思います。伝統を堅持することと改革すること、これは相容れない場合もあり得ると思うのですが…。
上原
現状がうまく行っている、売上が上がっている時は、改革へのチャレンジはなかなかしにくい。それでも常に変化に対応しなければいけないんです。「着眼大局、着手小局」という言葉がありますが、まずは時代の変化をどう読むか。周りが変化しているのにも拘わらず従来のやり方に安住していては、後手後手になり、置き去りにされてしまいます。
橋本
英断を持って改革を実行するためのリーダーシップとはどのようなものとお考えですか。

上原 明

上原
まず、部分最適より全体最適を考えて判断すること。変革することは苦痛ですよ。だから、組織の中には変わることを嫌う人もいるかもしれません。でも長い目で見て、企業や学校全体を守る、進展させる改革を進めるべきです。そして、今のことと関連しますが、リーダーは長期的な視点と短期的な視点の両方を持つ必要があります。長期的にも短期的にも良い、あるいは悪いなら、判断は明々白々です。長期的には良いが短期的には成果が期待できない場合、これを先延ばしにするのは駄目です。最も悪いのは、長期的に見るとやってはいけないことなのに、短期的に業績が上がるから飛びつくこと。企業でも教育機関でも同じだと思います。
橋本
よく分かります。私は、改革が実を結ぶためには競争原理が欠かせない気がしています。教育の世界にも競争原理を持ち込み、きちんと評価する仕組みを作る。それが教育の質を保証していくためには絶対に必要だと思っています。
それともうひとつ。大学なら大学でその方向性を決めるのはやはり学長ということになりますが、学長の決め方、リーダーの選び方が、教学改革には非常に重要だと思っています。それが、まさに上原さんが先ほど仰った、全体最適を考えてリーダーシップを発揮できる環境につながる。
上原
学長に限らずトップに求められるのは、これまでにどんな経験を積んできたかということ、それと問題意識ですね。問題意識のないところに改革なしです。リーダーの選考に当たっては、その人の問題意識を含めて、何回も何回も話し合う。つまり、選ぶほうにも責任がある。選ぶ時だけでなく、選んだ後にもチェックしていく責任があると思う。そうなってくると、内側だけでなく外からの視点、またチェック機能となる第三者が入らなければ駄目だと思う。

橋本 竹夫

橋本
外にいろいろな知恵を求めるということは、本当に必要だと思います。中だけで何かやろうと思っても、どうしても限界がある。成蹊学園では、国際社会で活躍されている卒業生や文科省で要職にあった方をはじめとするアドバイザリーボードを設け、その助言や提言を学園の運営に活かしています。
上原
問題意識という話で言えば、今いろいろな大学・学校でグローバル化に取り組んでいる。しかし、生徒のグローバル化の前に、先生方自身がグローバル化する必要があるんじゃないかと。
橋本
グローバルに活躍できる人材を育てるために、単に英語で教えるということだけではなく、教員自身が国際的なネットワークや活動の場を持つべきでしょう。真のグローバリゼーションとは何かを問いながら、先ほどのお話ではありませんが、教師自らが伸びていく、変わっていく精神を持たないといけない。
上原
教師自ら変わるのも重要だし、新しい学部や学科の設置を含め、時代の変化にマッチした科目、内容に変えていくのも重要でしょう。
橋本
成蹊学園の強みのひとつでもあるのですが、小・中高・大が自然豊かな武蔵野のワンキャンパスにある。この恵まれた環境の中で一貫教育を推進していくとともに、地域社会との連携も非常に大切だと思っています。武蔵野地域を中心とした諸大学や行政、街とのつながりをもっと強めていく。それは成蹊学園のためというより、地域にどうやって資するかという観点から重要な気がします。
上原
例えば生涯学習の場を整えるというのも大きな意義があると思いますね。学ぶだけでなく、人とふれあう場としても。高齢化、長寿化の現代では、定年後の生き方、充実したセカンドライフというものを産学共に模索しなければならない。
橋本
教育の世界も昔とではずいぶん様相が変わりました。インターネットによるオンライン講義というものもあって、そうなると学校という場はどういう場として成り立つのかと。そういった中で考えてみると、中村先生がお考えになった教師と生徒の関係——心を共鳴させて「真我」を目覚めさせるという教育のあり方が、今の時代にもう一度見直される必要があるんじゃないかという気がしています。
上原
改革の大前提は、創業の精神、建学の精神です。それこそ会社、学校の哲学、寄って立つ拠り所です。教職員に対して成蹊教育を徹底させることは当然ながら非常に重要なことと思いますね。そこに立脚して、現代風に、そして未来を見据えて、自らを進化させていく。
橋本
日本の大学は国際化の遅れなどが指摘され、政府の教育再生実行会議の提言を基に国レベルでの改革の動きも活発化しています。私は、私学としての伝統を踏まえた上で、長期的な視野に立ち、変えるべきところは大胆に変革していくことが必要と思っています。本日は貴重なお話をありがとうございました。

ことばの解説

[ 成蹊学園アドバイザリーボード ]

2013年4月に設置されたアドバイザリーボードは、学園の教育理念に基づく教育・研究の質的改善を実現するための教学改革について、学園長に対し答申および提言を行います。

アドバイザリーボードの紹介

日本経済新聞シリーズ企画 教育鼎談 第3回 教育のグローバル化と成蹊学園の国際教育

進展による国境を越えた教育サービスの拡大、大学におけるリベラルアーツ教育の徹底と新たな教育モデル、国際標準の能力感と日本の能力感の差、そして、成蹊学園ならではの小学校から大学までのそれぞれの段階に応じた体系的な国際理解教育の推進について語り合いました。

教育鼎談 第3回 Part 2 教育のグローバル化で求められる能力

日本経済新聞シリーズ企画 教育鼎談 第2回 産学協働による人材育成と大学教育の質の保証

亀嶋庸一成蹊大学学長、廣田康人三菱商事執行役員、中西寛子成蹊学園アドバイザリーボードの三人による鼎談では、成蹊大学で始まった「グローバル化する国際社会への対応」「自ら考え発信する人材の育成」を基本理念とした新カリキュラムや、産学連携で人を育てる長期的な展望に立ったインターンシップ・プログラムについて語り合いました。また、板東久美子文部科学審議官による、急激な社会変化の中で高まる大学教育の重要性と改革への期待を込めた講演を採録しています。

教育鼎談 第2回 板東久美子氏 基調講演

成蹊教育 第二世紀へのミッションFacebookページ 100年の伝統を礎に、次の100年へ始動。

成蹊学園は、これから先の教育の質を保証するため、昨年度から最長で6年間の期間をとり、目標を立ててその実現に向けた取組を開始しています。 これは、次の100年を迎えるための第一歩ですが、この歩みを確かなものとすることが求められています。教育の質を保証する取組の継続が、次の100年へ向けての確かな一歩となることを信じて止みません。
このFacebookページを通して、学園の近況などを在校生と卒業生および保護者の皆さまにお知らせしていくつもりです。

成蹊学園 橋本学園長 第二世紀への桃李蹊〜とおりみち〜

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