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第9回 コミュニケーション論、メディア論
メディアリテラシー実習
−地域と密着した新しい体験型学習−

成蹊大学文学部准教授 見城 武秀(けんじょう・たけひで)
プロフィール
1996 年着任。専門はコミュニケーション論、メディア論。近年はコミュニケーション論とメディア論の境界領域としてのメディアリテラシー論に注目し、研究を進めている。
著書に『メディア・コミュニケーション学』(共著:大修館書店)、『モバイルコミュニケーション』(共著:大修館書店)など。
メディアリテラシー実習について

ラジオ局のスタジオ見学

 文学部では二〇〇五年四月から、メディアリテラシー実習という授業を実施しています。今回はちょっとユニークなこの授業についてご紹介します。メディアリテラシー実習は、武蔵野市・三鷹市で活躍する三つの団体(NPO 法人むさしのみたか市民テレビ局、NPO 法人KISS、株式会社エフエムむさしの)の協力を得ながら、地域の方々と一緒に映像作品、ウェブサイト、ラジオ番組を制作する授業です。完成した作品は地元ケーブルテレビやインターネット、コミュニティFM を通じ、武蔵野・三鷹地域に向けて実際に発信されていきます。
メディアリテラシーとは何か
 そもそも、メディアリテラシーとは何でしょうか。テレビ、新聞、ラジオ、雑誌、インターネット、携帯電話など、さまざまなメディアから伝えられる膨大な情報に取り囲まれて成り立っている私たちの生活。このような「情報のバザール」とも呼べる状況の中で、信憑性のある情報とない情報、自分にとって価値のある情報とない情報とを見分ける鑑識眼を私たち一人ひとりがもつことの重要性は、これまでになく高まっています。この鑑識眼と密接な関係をもつのがメディアリテラシーです。メディアから得られる情報をそのまま鵜呑みにするのではなく、批判的に再解釈すると同時に、自らもメディアを通じて自分の考えを他者に的確に伝えていく。メディアリテラシーとはそういった総合的能力を意味しています。
実習の特長と成果
 しかしながら、成蹊大学のメディアリテラシー実習が目指しているのは、メディアや情報をめぐる能力を高めることだけに留まりません。地域の方々と一緒に取材を進めながら、大学のある武蔵野・三鷹地域に関する理解を深めることを重視している点が、他大学の類似の授業とは異なるメディアリテラシー実習の特長であるといってよいでしょう。実習では、二〇〇五年度から二〇〇八年度までの四年間で、十本の映像作品、三種類のウェブサイト、四本のラジオ番組を制作してきました。そのテーマは、吉祥寺駅近辺の違法駐輪問題、ハモニカ横町の防火運動、武蔵野市・三鷹市の子育て事情や高齢者支援活動の紹介など、いずれも地域と密接に結びついたものばかりです。

吉祥寺街頭でのインタビュー

 普段あまり接触する機会がない武蔵野・三鷹両市民と取材を通じてつながりをもち、また両市民から多くの支援を受けながら作品を完成させたことで、学生たちは自分の住む地域についても自ずと問題意識を育んだようです。取材の過程で地域の歴史に対する関心が深まったことも見逃せない成果です。情報の送り手としての体験を積むことでテレビやインターネット、ラジオというメディアがもつ特性への批判的理解が深まったことも合わせ、本実習は履修生に多面的で有効な体験学習の場を提供していると言えるでしょう。二〇〇九年度前期、学生たちは「武蔵野産野菜」をテーマにしたラジオ番組の制作に取り組んでいます。完成した番組は七月中旬にむさしのFM でオンエアされる予定です。どんな番組が仕上がるか、皆さんどうぞ期待していてください!
パソコンを使った映像編集作業

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