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第14回 国語科教育
ドラマ教育でコミュニケーション能力を!
成蹊小学校教諭 林 久博(はやし・ひさひろ)
プロフィール
1960年生まれ。1986年より現職。現2年南組担任。研究主任。国語科担当。著作に『話すこと聞くことの指導(共著)』『探求型学習をどう進めるか(共著)』『総合的な学習に役立つ劇の本(共大学・著)』『全員参加の楽しい学級劇・学年劇脚本なが活躍できる劇の本(共編)』他、多数。
コミュニケーション能力ってなに?
 「コミュニケーション能力を育てる」という研究テーマで校内研究を進めている小学校が、最近、増えています。今日の子どもたちをめぐる諸問題の多くが、子どもたちの(あるいは、その周囲の大人たちの)コミュニケーション能力の欠如から引き起こされているという認識が強いからでしょう。私自身も、この半年の間に三つの学校の研究会で、お話ししたり、ワークショップを実施したりしています。そもそも、コミュニケーション能力とは、どのような力を示すのでしょうか。「聞くこと、話すことの能力」「人の気持ちを押し量る能力」「話し合って問題を解決する能力」「伝えるために表現を工夫する能力」などなど…が挙げられるでしょうか。
学校教育の中で求められるコミュニケーション能力とは、子どもたちが、社会的により良く生き抜くための、根源的な能力であることは間違いありません。
『ドラマ教育』と劇指導とは違う

私が、子どもたちのコミュニケーション能力を高めるために実践し、研究しているのが『ドラマ教育』です。ここでいう「ドラマ」とは、教室で行う小さなゲームから、あるまとまった状況を演じる活動まで、子どもたちが身体表現、音声言語表現を駆使して取り組む活動の総称を意味します。さまざまなアクティビティがあり、一〜二分で終わるものから、十時間位かかるものまであります。ドラマの語源はギリシャ語のdran、英語のdoと同義です。
先ず、自らの心身を解放し、動き出すことが大切です。そして設定されたさまざまなルールやストーリーの中で自分と友だちを擦り合わせていく、その過程を通じて子どもたちは多くのことを獲得し、変わっていきます。子どもたちはこの「ドラマ」の活動を、学校生活のさまざまな場で体験することができます。それは朝の会であったり、国語や社会科、総合的な学習などの学習の場であったり、道徳の指導の時間であったり、学級活動の時間であったりします。ですから、行事などの場に限定されて行われる「劇指導」とは違うものなのです。劇指導の教育は、ドラマ教育と区別して「シアター教育(上演を目的とした演劇教育)」と呼ばれています。

身体を使って表現する ドラマ教育の様子
ドラマ教育でコミュニケーション力を!

ドラマの活動の最大の魅力は、無条件に楽しいことです。だから、子どもたちも大好きです。いつも楽しさに支えられながら、劇的な状況やストーリーの中で、自分以外のいろいろなものに変身したり、未経験の状況を疑似体験することができます。子どもたちは自他を擦り合わせ、周囲とコミュニケーションをとりながら表現力、自己コントロール力、状況判断力、問題解決力などを獲得していきます。
限られた紙面で、その具体的な展開をご紹介できないのが残念ですが、私にとってドラマ教育は、学級経営そのものであり、教科指導の重要なツールです。毎日出会う子どもたちが、自分を大切にし、友だちを尊重し、触れ合う喜び、伝え合う喜びに満ち溢れ、しっかりと友だちと繋がりながら日々を楽しく、伸び伸びと生きていってくれること…、それが、私の願いです。ドラマ教育がそのための有効な方法であることを信じて、実践を重ねている毎日です。


子どもたちも大好きな「ドラマ」の活動

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