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成蹊教育のいま
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第20回 民法
法科大学院では……
成蹊大学法科大学院教授 渡邉 知行(わたなべ ともみち)
プロフィール
京都大学法学部卒業、名古屋大学大学院法学研究科博士課程。富山大学経済学部、東京経済大学現代法学部を経て、2007年より現職(2012年度より研究科長)。近時の著作として、「薬害イレッサ訴訟における製薬会社及び国の責任について」、「遺棄化学兵器訴訟における国の不作為責任」など。
法科大学院の授業と模擬裁判
 成蹊大学法科大学院では、法曹として社会に貢献する人材を養成することを目的として、現実に社会で発生する紛争事案について、事実関係を正確に分析したうえで法令を適用して解決する力を養うために、演習科目や実習科目はもちろんのこと、講義科目もまた、少人数クラスで双方向型の授業が行われています。
 法科大学院制度の発足に伴い、従来よりも司法修習期間が短縮され、模擬裁判を経験する機会が少ないために、模擬裁判の授業は、社会で法曹として活動する際に重要で不可欠な役割を担っています。
 法科大学院の教室棟には、裁判所の法廷そのものを模した模擬法廷が設置されています。模擬法廷では、実際の事件をもとにした素材を使って、刑事と民事の二種類の模擬裁判の授業が行われています。学生は、裁判官役、検察官役、弁護士役のチームに分かれて、四月から七月にわたって、書面作成、証人尋問、判決言渡しなど裁判手続を共同作業で進めていきます。刑事・民事ともに、十人前後の学生に対して、十人以上の弁護士の先生方が、授業のために詳細な資料を作成し、学生の指導を懇切丁寧に行っています。学生らとのメールのやり取りを頻繁に行い、授業時間だけでなく法律事務所に学生を集めて書面作成などの手ほどきをし、飲み会などの機会を頻繁に設けて親睦をはかることによって学習効果を高めています。
裁判所の法廷の設備を備えた模擬法廷教室で行われている、刑事模擬裁判の授業
新入生合宿から始まる交流
 法科大学院では、入学年度当初に、芦ノ湖畔の成蹊学園箱根寮で土日に一泊二日の新入生合宿を実施しています。新入生は、教員と修了生(弁護士など)が参加する学習会や懇親会を通じて、親睦をはかるとともに入学直後から円滑に学習に取り組めるように導かれます。昼夜開講制で丸の内にサテライトオフィスが設置されている法科大学院には、企業や官庁などに勤務して、また、医師、教員、会計士、司法書士、弁理士などとして活躍する多くの社会人が学び、他方、修了生が学生の学習支援や模擬裁判などの授業のために来校しています。
常日頃、さまざまな分野を超えた交流が生まれ、大学卒業とともに入学した学生にも法曹を目指す目的意識を高める環境が整えられています。新入生合宿は、このような環境の恩恵を受けた学生が法曹として社会に貢献する第一歩となるものです。

新入生合宿の懇親会[2012年3月31日(土)]
成蹊学園箱根寮にて
研究環境としての法科大学院
 私は、民法を専攻し、不法行為法を中心に研究活動を進めてきました。公害・環境問題、薬害問題、戦後補償問題などに取り組み、その成果を「成蹊法学」などに公表しています。研究分野のなかで、原子力災害の被害者救済が最も重要な課題となっており、関連する研究会やシンポジウムなどに参加しています。
 法科大学院は、さまざまなバックグラウンドを有する人々が集うことによって、研究課題について洞察を深める機会が提供される環境にもあります。法曹養成と研究活動が、人的交流を通じて相互に研鑽されて発展することが期待されます。

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