学部の学び
教員・学生・卒業生を通じて学部の学び(モデルケース)を紹介
— 学生たちは、どのような学びに触れ、成長し、社会に羽ばたくのか —
 成蹊大学は、少人数教育による教員と学生の距離の近さを大切にし、学問と人格のバランスのとれた人間形成を図りながら、学生一人ひとりの個性を伸ばす教育に取り組んでいます。自ら仮説を立て、科学的に立証し、他者に伝えていくということを学修する大学教育においては、研究の動機となる「好奇心」はもとより、他者と考えや意見を交換しつつ、自分の考えを形成していく力が必要不可欠です。学生が、どのような教員と出会い、何を学び、学んだことを実社会でどのように活かしているのか、ここではひとつのゼミ(演習)・研究室の、教員・在学生・卒業生のコメントを通して、学部の学びについて紹介します。
文学部 Faculty of Humanities
教員/在学生/卒業生
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  • 教 員
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  • 在学生
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吉田 幹生 准教授
成蹊大学 文学部 日本文学科とは
文学の世界から、人間への理解を深めていきます
 文学部の4学科すべてに共通していえることは、「人間とは何か」を突き詰めて考えている学びの場であるということです。その中で日本文学科は、人間の文化的な営みの産物としての文学を通して人間の研究ができる学科で、日本語で表現された文学作品や言葉について、古い時代から現代まで、幅広く学んでいきます。最近では、文学の概念を文化のレベルまで広げて考え、文化的な側面から日本人らしい感性を明らかにすることを実践しながら、自己と他者の違いを理解しています。
英米文学科・日本文学科・国際文化学科・現代社会学科
学びの内容
日本人の感性を育み、想像力と新しい価値観を修得します
 私は、古代和歌と源氏物語それぞれのゼミを担当していますが、いずれも「日本文学という日本人の感性とは何なのか」というテーマと、「人を感動させるメカニズム」について研究しています。文学上の言葉に触れ、感動するという不可思議な体験を通じて、その言葉がなぜ心を動かすのかを各々見つけ出してもらうことを目標にしています。そのためには、言葉を感じる姿勢を常にもち続けることが大切です。

 源氏物語は、現代風に言い換えればラブストーリーであり、学生の関心が高いテーマです。相手のことは好きでも、相手のもとに踏み込んではいけない、というジレンマが恋愛文学を成立させる柱となっています。源氏物語においても、男女ともに歩み寄ってはならない状態の中、折り合いをどのようにつけていくのかという葛藤を読み解くことが醍醐味となります。この醍醐味をじっくり味わい実感するには、誰かの解釈ではなく原文から直接感じ取ることが一番です。原文が読めるようになれば、ストーリーの機微を如実に理解できるだけでなく、登場人物の生々しい息遣いまでつかめるようになってきます。自分が生きている現代とは異なる時代の考えを知り、感性を感じるには想像力が必要であり、この学びそのものが他者の価値観を理解するということにつながっています。他者の思いを推し量る力は、実社会で必須となるコミュニケーション能力の大きな土台となることでしょう。
どのように成長してもらいたいか
日本文学の深い魅力を知り
自己と他者の違いを理解できる人材に
 ゼミの学生の多くは教員志望ですが、そうでなくとも、例えば外国人に日本文学と文化の魅力を正しく伝えられるような人材になってほしいと思います。作品の中から、つくり手のロジックとその当時の社会、文化的な背景を読み解き、日本特有の文化に自分だけの楽しさを見つけることができれば、「のめりこんでしまうほどの文学の魅力」が実感できます。実感すれば、日本文化の魅力を知らない人たちに発信したいと、自然に思えてくるはずです。

 そして、登場人物の心の動きがどのような背景によるものかを洞察するトレーニングによって、自分とは異なる他者の感情と背景を推察し、多様な価値観を理解、配慮できる人材として成長することを望みます。
教員から受験生へのメッセージ
文学を深く追求したとき、新しい発見ができるはずです
 成蹊大学日本文学科は、与えられた情報に対し、そのまま受け入れるのではなく、重要な部分は何なのかを突き詰めて考えていく学科だと思います。文学に興味をもち、探求を重ね、何かひとつでも自分が納得できる答えを導き出したいと考えているなら、ぜひ成蹊大学文学部に進学してください。きっと文学から新しい発見ができるはずです。
小池 沙奈 さん
成蹊大学 文学部 日本文学科を選んだ理由
1年次からゼミに参加できることに
魅力を感じました
 私が大学に求めていたものは、中学や高校にはない、先生の研究を間近に見ながら、活発なコミュニケーションの中で研究を進めることができるゼミの学びでした。そんな私にとって、1年次からディスカッション形式のゼミに参加できる成蹊大学文学部は非常に魅力的でした。

 吉田先生との出会いは、2年次に受けた源氏物語の授業でした。当初は近代文学に興味があったのですが、物語の流れの読み方や時代の異なる人の感情を読み取る説明などがとても熱を帯びていて、ありありと映像が思い浮かぶような臨場感あふれる授業内容に魅了されてしまいました。この授業を受けたことで私は古典にも興味をもつようになり、現在、吉田先生のゼミに参加しています。
学びの内容
登場人物の行動パターンを理解することで
物語を「読む」から「味わう」ようになりました
 ゼミでは、源氏物語をパートごとに分け、割り振られたパートを読み解いています。ストーリーの流れを考察し、全員の前で発表した後、内容についてのディスカッションを行います。発表では、ただ自分の考えを述べるだけでなく、そのときの社会状況や文化的背景まで調べておくことで、発言の根拠を明確にし、説得力をもたせることが重要となります。

 先生はよく「流れをつかみなさい」、「ストーリーを味わいなさい」といわれます。ただ言葉の意味を調べるというのでは、「ストーリーを味わう」ことにはなりません。登場人物の根底にある考え方をしっかりととらえて、次の展開の基になっている要因を理解することが大切です。研究を進めると、登場人物には行動パターンがあり、物語の中でそのパターンは何度も表現されていることに気がつきました。登場人物の行動パターンが何の象徴なのかはこれからの研究課題ですが、物語の流れをつかめるようになったとき、登場人物が急にいきいきと躍動しているように感じられました。これが、ストーリーを味わうことだと気づいた瞬間でした。

 現在は、物語後半部分の『宇治十帖』にまで研究を進めています。ストーリーを味わうごとに、主人公の子孫が織り成す光と影に優美さを感じます。私は、その優美さがどのような表現から感じ取れるのかを、今後の研究課題にしていこうと考えています。
将来の夢
物語の背景にある日本古来の文化や考え方を
きちんと伝えることができる人になりたい
 将来の進路については、まだ模索中ですが、物語を読み解く楽しさを発信していく仕事に興味があり、出版業界などを候補として考えています。本来なら当たり前に知るべき自分の国の歴史や文化をきちんと理解している人が減少しているように感じます。私は成蹊大学で学んだ文学の知識や物語の味わい方を通して、これからも文学に親しむ機会を増やしていきたいと考えています。そして、海外の方や次の世代の子どもたちに、日本古来の文化や考え方を伝えていける人になることを目指しています。
在学生から受験生へのメッセージ
知識が蓄積される実感が、自信につながります
 成蹊大学文学部では、幅広い分野の文学を学び、それぞれの興味に応じて専門を深めていくことのできる学びの環境があります。学生にいつも寄り添い、サポートしてくださる先生のもと、ゼミや授業に参加していると、新しい知識の獲得が別の好奇心を呼び起こすという好循環が生まれます。そして自らの研究にじっくり取り組むうち、研究対象となる文学の世界がありありと目に映し出されるようになり、その世界を人に教えたい、伝えたいと思えるまで成長することができます。成蹊大学は、自分に自信をもたせてくれる場所だと感じています。
芳賀 千春 さん
成蹊大学 文学部 日本文学科を選んだ理由
興味の対象について
深く意見交換できる学びに魅力を感じました
 読書家の両親の影響で、私は幼少の頃から物語に触れ、文学に親しんでおり、中でも日本古来のみやびな色彩イメージが広がる古典が好きで、将来は教員になって古典の魅力を伝えたいと考えていました。進学するなら古典の世界への理解をさらに広げ、教員免許が取得できる大学にしたい。そこでさまざまな大学を探していたところ、成蹊大学文学部は条件にかない、しかもゼミを1年次から履修可能であることを知り、大教室の授業だけでなく、入学当初から、少人数のゼミで先生や仲間たちと古典について意見を交わせるという点に大きな魅力を感じました。

 入学後、最初に触れた古典が、吉田先生の授業で取り上げられた源氏物語でした。登場人物の華やかさを知り、何より源氏物語をまるで目の前のできごとのように楽しく解説する先生の話はとても印象的だったことを、今でも覚えています。これがきっかけとなり、吉田先生のゼミを選択しました。
学びから現在の職業へ
自分の目指す教師像を
ゼミの中で見出しました
 ゼミで、源氏物語の登場人物を理解することに重点を置いて学修する中、私が興味をもったのは、源氏物語の最後に登場する女性の主人公でした。紫式部は源氏物語でなにを表現したかったのかという課題を出されたとき、この主人公を通して研究を進め、物語中には、「白色」が多く登場することから「色」に着目し、何度も繰り返される文言には伝えたいことがある、という仮説を立て、「白色」がほかの作品ではどのような意味で使われているのか、文献を調べながら比較、分析を行いました。

 こうした研究の中で、私はただ学ぶだけでなく、自らテーマを見つけ出し、そのテーマに対してとことん考える研究姿勢こそ、学び本来の姿だと考えるようになりました。自分が教員になったら、吉田先生同様、自ら楽しみながら授業を行い、生徒一人ひとりが自分の興味や関心を見つけられるような授業内容にしよう、と決意しました。吉田先生とのゼミでの学びの時間が、自分の目指す教員像を明確にし、さらには原動力となり、現在へとつながっています。
学びの内容はどのように活かされているか
吉田先生は、私の文学の先生であり
教員としての師でもあります
 源氏物語は、1,000年以上前に書かれた物語にもかかわらず、恋愛する男女の心の揺れは、今とほとんど変わりません。時代を越える普遍的なテーマの魅力を次の世代へ伝えていくことが自分の仕事なのだと思うと、教材研究にも力が入ります。生徒を文学世界へ引き込めるように、テーマを突き詰め研究することで、物語の中のことを目の前で起こっていることのように説明し、授業を行っています。

 また吉田先生の学生に対する真摯な姿も、目指す教員像として心にとどめています。以前、ゼミで京都旅行に出かけた際、先生に源氏物語ミュージアムなどのゆかりのある場所を案内していただいたことがありました。電車に乗っていても、歩いていても、学生が質問をぶつけると、どの文献を参考にするとヒントが見つかるなど、答えを与えるのではなく自主的に調べるように、アドバイスをしてくださいました。時には立ち止まり、源氏物語の世界に入り込んだような臨場感あふれる小講義が始まるなど、常に学生の学びたい思いに応えてくれました。卒業論文の作成時には、学生の進捗状況を見ながら、つまずいているところはないか気にかけてくれました。当時の私は教員を志す上で、吉田先生の教え方をすべて盗むつもりでゼミを受けており、それが今とても役立っています。これからも、文学の世界をありありと生徒たちの眼前に繰り広げられるよう授業研究を進め、生徒が文学への興味を刺激され、主体的に理解を深めていくための工夫や施策を常に考えながら、自らも文学への知識と理解を高められるよう成長していきたいと考えています。
卒業生から受験生へのメッセージ
成蹊大学は、学びたいことを全力でサポートしてくれる
「家族」のような存在です
 私にとって、成蹊大学は「家族」のような印象です。魅力を感じた学問分野を一生懸命やりたいと思ったときに、全力でサポートしてくれる先生がいます。また、それが実現できる環境が整っています。特にその魅力が凝縮されているのが、1年次から履修できるゼミです。少人数のアットホームな雰囲気の中で、先生とも仲間とも活発に意見を交わし、自ら成長する4年間を過ごすことができるはずです。
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関連項目

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