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研究テーマ 20世紀イギリス文学研究:戦間期の大衆小説

20世紀の激動を反映した新潮流の顕著な大衆文学を読む

文学部 英米文学科 小林英里 准教授

イギリスの大衆文学を原文で読み
文学研究の多角的視点を修得

英文学研究は長らく、白人の男性作家とその作品が本流にありました。しかしイギリスには女性はもちろん、旧植民地出身の優れた作家もいます。20世紀に入り文学界にモダニズムという新たな潮流が起こる中、批評の世界も彼・彼女らやその作品に着目し、ポストコロニアルやフェミニズムの観点が導入されました。その傾向が特に顕著となったのが大衆文学。ゼミ(演習)では、権威にとらわれず読者の支持を集めた推理小説や恋愛小説を、作品が書かれた時代や社会情勢を視野に収めつつ原文で読み解きます。

英米文学科 写真01
英米文学科 写真02

客観的な分析により作品の世界に深く分け入る

一例として、そうした時代を象徴するアガサ・クリスティの作品を取り上げています。世界中に読者をもつ推理小説は謎解きを楽しむだけでも充分に面白いのですが、例えば彼女が創作した名探偵エルキュール・ポアロの女性的ともいえるキャラクター設定を、第一次世界大戦後という世相と考え合わせてみることで、当時の大衆の厭戦感を推し量ることができます。まずは原文を正しく読解し物語を楽しむこと。その上で客観的な分析により、作品世界に分け入ります。3年次は共通の作品の輪読を行い、4年次は学生が個々に作家・作品を見つけ、卒業論文を作成します。研究を重ねながら作品の魅力を発見しつつ、読んでよかったと思える深い満足感を得ることが文学研究の醍醐味です。

私とゼミ
金子みのり

作品が書かれた背景を理解し
小説がもつ世界観を堪能

文学部 英米文学科4年
(2016年度公開時)

金子 みのりさん

海外の推理小説を原文で読もうと、アガサ・クリスティの作品を読み解くゼミ(演習)を選びました。ゼミでは英文を日本語訳した上で、作品が書かれた時代背景や社会情勢が、作者や作品に与えた影響を考察。作品によっては人種や階級、ジェンダー批判などの視点も加えます。3年次の後期にクリスティの「誘拐された総理大臣」という短編を読んだ際は、登場するアイルランド人の言動をきっかけに当時のイギリスとアイルランドの関係を調べ、作品への理解を深めました。こうしてさまざまな思考をめぐらせることで、違った視点でも小説を楽しむことができるようになりました。

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