演習TAG・H
教員名 単位 年次配当 開講時期
中島 雅 各2 1 前期


 法律学の勉強は外国語の習得に似ている、とよく言われる。奇妙きてれつな法律用語や概念を
大量にしかも(少なくとも初学者の段階では)理屈抜きで覚えなければならない、という皮肉の
ニュアンスを込めてそう言われることが多いようだが、必ずしもそれだけの意味ではない。
 日本の法制度は、明治時代以降に西洋諸国(とりわけドイツとフランス)の法制度を参照して
つくられたものであるし、日本の法律学が前提としている様々な理論も基本的にはヨーロッパの
法律学の伝統を受け継いでいる。そのヨーロッパ法律学の伝統を遡れば、紀元前のローマにまで
行きつく。要するに、皆さんがこれから学ぶ「法」ないし「法律学」は、良くも悪しくも西洋の
文化に深く根ざしているのである。そのうえ法律学は、物事の捉え方・考え方を直接に扱う学問
であるため、いわゆる「和魂洋才」の芸当が通用しない。勉強するには覚悟が必要である。
 法律家でない人々の多くは、法律学特有の思考様式や判断枠組みに違和感を覚える。とりわけ
西洋人でない非法律家(すなわち皆さんの大部分)にとって、法律学の敷居はとくに高いはずで
ある。自分の価値観や常識をいったん相対化して問題を考える柔軟さ・謙虚さと、頭の中に根気
よく新しい思考回路を作っていく努力とが要求される。その意味で、法律学の勉強は語学に近い。
 とはいえ、法律学を縁遠く感じる必要はまったくない。皆さんの身近にも法や法律に関係する
興味深い問題が数多くあるはずである。この演習は、グループごとの研究・発表(テーマは、法
または法律に関する問題であれば何でもよい)を中心に進められる。自分がどのような問題意識
をもって法学部に進学したのかを確認してもらうこと、法律家らしく考えるための第一歩である
法的な「嗅覚」を磨いてもらうこと、資料を分析し研究する際の作法を身につけてもらうこと、
そして法律学と切っても切れない関係にある「議論する力」を鍛えること、等々を目的とする。

 開講時に詳細を示す。

 最初の回にグループ分け(4〜5人ずつ)をおこなう。各グループは自由にテーマを決め、共同
で研究・調査し、その成果を毎回の授業時間の前半を使って毎回1グループずつ発表していく。
引き続いておこなわれる討論では、当番グループ以外の者も積極的に発言しなければならない。
 学期末にはレポート提出を求める。

 出席・発表内容・毎回の議論への参加態度・学期末レポートを総合して評価する。

 大学図書館の活用、とりわけオンラインデータベースを使った判例・文献の検索についてのス
キルは、この演習はもちろんのこと、法学部での勉学全般にとって不可欠の前提である。幸い本
学図書館では毎年4月に、新入生を対象として文献調査法の講習を含むオリエンテーションを実
施している。この図書館オリエンテーションには、必ず参加してきちんとメモをとっておくこと。

 六法(小型のものでよい)を毎回持参すること。

 金子宏ほか編集代表『法律学小辞典』第4版(有斐閣、2004年)4-641-00023-9
 いしかわまりこほか『リーガル・リサーチ』(日本評論社、2003年)4-535-51283-3
 弁護士 五右衛門『中学生にわかる民事訴訟の仕組み』(オブアワーズ、2004年)4-902182-02-5
トップへ
閉じる
Copyright©2005 Seikei University. All Rights Reserved.