法学部紹介

学部長挨拶

法学部長 浅羽隆史

国立国会図書館の東京本館のホールには、「真理がわれらを自由にする」という言葉がギリシア語の原文とともに刻まれています。大学に期待される様々な役割のなかで、真理の探究はその代表的なもののひとつでしょう。成蹊大学法学部では、個人の権利及び社会と組織の円滑な活動を保障する法と政治の実現に寄与するために、法律学と政治学に関する知の体系を深化させるべく、真理の探究を行っています。また、そのような知の体系を教育し、人材の育成をしています。

皆さんは、法学部での教育といった場合、どのようなものを思い浮かべるでしょうか。法律学科であれば、人為的に定めて社会に実効性を持つ実定法及びその解釈が中心でしょう。政治学科では、地方自治から国際政治にまで至る多様な問題に関する学びが大切です。ただし、それらの専門知識を獲得することだけが、成蹊大学法学部での教育ではありません。哲学、歴史、思想、文化なども含めた法律学や政治学の学びを通じて、論理的思考能力を養うことがとても重要です。論理的思考能力は、物事の因果関係を整理し体系的に捉え、筋道を立てて考える力のことです。さまざまな分野の課題を見つけ出し、利害の対立を調整し、問題の解決につなげることに必要な力です。

1968年に創設された成蹊大学法学部では、常に演習を中核とした少人数教育を重視してきました。現在は、1年生から4年生まで少人数の演習が配当されており、教員と学生がともに切磋琢磨し真理を探究しています。学生の皆さんには、その集大成として論文の執筆に挑んでもらいます。そして、専門分野の知識と論理的思考能力を身に付け、あらゆる分野で知的リーダーシップを発揮する人材を輩出しています。