理工学部紹介

学部長挨拶

理工学部長 小川 隆申

成蹊大学理工学部は理工学科という1つの学科で、5つの専攻(データ数理、コンピュータ科学、機械システム、電気電子、応用化学)から構成されています。1つの学科であるのは、学部全体で共通して学ぶ必要のある理工学基礎力、社会人基礎力、ICT基礎力を入学してすぐに基礎教育として身に付けるためです。そして、その知的基盤の上でそれぞれの専攻の学問分野を体系的に修め、堅固な専門性を確立してゆきます。それと同時に専攻間の垣根は低くし、プロジェクト型科目などを通じて様々な専門分野を横断する学際的な学びも取り入れています。

その学びの集大成として4年次に卒業研究に取り組むことになりますが、その研究活動の舞台となる新11号館が2024年秋にいよいよ運用開始されます。最新の設備を揃えた研究室で充実した活動に取り組むのはもちろんですが、この建物には文系・理系の枠組みを越えた学びを促進できるラーニングコモンズも設置され、様々な人達と交流する場になるという狙いも込められています。大学生活で専門知識を学ぶことは間違いなく重要なことですが、そればかりでなく、様々な人に出会い語り合い、多様な考えに触れて刺激を受け、将来の友を得ることは人格形成の上で重要なことです。

私はこれまでに成蹊大学のキャンパスで数多くの学生たちと接してきましたが、彼ら彼女らの人物の良さに感心することが多々あります。成蹊学園の創立者である中村春二は「修養」、すなわち精神を練磨し、優れた人格を形成することにつとめることを教育の在り方として掲げており、そうした思想が最先端の科学を学ぶ場にあって今もしっかりと本学に根付いていると感じるのです。AIなど革新的な技術が急速に浸透する社会の中で人格の重要性があらためて認識されています。成蹊大学理工学部では、創立者の理念に基づき、高度な専門知識を身に付けつつも優れた人格を備えた人材を輩出してゆきたいと考えています。