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成蹊大学 理工学部
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学部長挨拶

次の日本を支える科学技術者を育てる −科学技術に対して批判的であれ−

資源を有しない我が国は、国民の勤勉さを背景に、科学技術における発明や工夫を重ねて、ものづくりの力を高め、その存在を世界に認めさせてきました。自動車の生産台数が世界一位になったことやノーベル賞の受賞者を多く輩出してきたことはそれを象徴しています。言わば、科学技術の進歩を至上命題として突き進んできたとも言えます。

しかしながら、グローバル化による世界のものづくり工場の中国や東南アジアへの移転、長期にわたる経済の低迷、少子化、高齢化の進行、加えて、気候の温暖化をはじめとする自然環境の変化等々に起因する先行きの見えない閉塞感や将来への不安感を我々は抱えています。

そのような中で追い打ちをかけるように、2011年3月11日、福島の原子力発電所の事故は起きました。被害は甚大で、今なお廃炉の道筋は見えません。最新の科学技術の粋を集めた原子力発電は環境への負荷が小さく、安全であるとされてきましたが、必ずしもそうではないことがわかってきました。その結果、科学技術への信頼は著しく損なわれました。

それではこれからどうすればいいのでしょうか。それでも我々は科学技術を捨てることはできません。科学技術を基盤にして、イノベーションを推進し、打開を図るしかないのです。しかしながら、科学技術との付き合い方は変えなければなりません。科学技術は万能ではなく、限界があることを知って付き合うことが必要です。つまり、常に科学技術に対して批判心を持つことが求められます。理工学部の教員がこのようなことを言うのは奇異に聞こえるかもしれませんが、科学技術を否定しているわけではなく、その批判心が次のイノベーションに繋がることを強調したいのです。

認知科学者で、大学で教鞭をとったばかりでなく、アップル・コンピュータ社のフェローや関連会社の副社長を務めたことでも有名なドナルド・A・ノーマンは彼の著書「テクノロジーウォッチング」(佐伯胖監訳、新曜社)のなかで、次のように述べています。「テクノロジーには・・・注意していないと容赦なくわれわれを侵害してくる。技術者は人間社会に対するインパクトに対して充分考えもせずに、テクノロジーで実現できるものを作り出す傾向がある。その上技術者は、自分たちの作り出すテクノロジーのエキスパートではあっても、しばしば社会のことについては無知だったり、時には関心すらもたない」。科学技術に盲従するのではなく、批判心を持つことの重要さを説いています。

批判心は成蹊大学の人材育成方針の一つである、「自分の軸をしっかり持ち、異なる価値観に柔軟に向き合い、課題に対して他者と協力して積極的に取り組む」に合致しますし、さらに、理工学部における人材育成の目的である、「急速な技術革新、自然との共生、持続発展型社会の実現等の現代社会が抱える多くの複合的な諸問題に果敢に取り組める幅広い素養を持つ」にも通じます。

批判心を宿すには、理工学分野の専門知識はもちろんですが、それ以外に人文科学や社会科学に根差す深い教養と倫理観を備えなければなりません。成蹊大学は理工学部、経済学部、文学部と法学部が一つのキャンパスにあり、幅広い分野を学べるカリキュラムも充実しており、まさに批判心を醸成するのにこれほどふさわしい環境はありません。さらに知識を深化させたい人には大学院(博士後期課程まで)も用意されています。理工学部は、常に批判心を持って、科学技術を駆使し、イノベーションを推進できる人材の育成を目指します。

 

 

理工学部長
大倉 元宏

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