オンライン授業の取り組み

オンライン授業経済学部の取り組み

マサチューセッツ工科大学J-WEL流の学びを
オンラインでも

経済数理学科 井上智夫教授

研究テーマ:
応用計量経済学 、応用マクロ経済学

2020年度から始まった新経済学部では、最初の3学期間で経済学の基礎を段階的に、それ以降はさまざまな発展科目を学び、ゼミで実践力を培います。新経済学部では4年間の学習を実り多いものにするために、2年生前期までの3学期間でミクロ・マクロ経済理論と数学・統計学科目をコア科目に据え、担当教員は連携しながら学生の理解を高めるような授業方法に試行錯誤を重ねています。私は経済数理学科の計量経済学II,IIIと現代経済学科の初級統計学Iを担当しています。

オンライン授業風景

新学部の始動に向けて、我々は数年前からアクティブラーニングの導入が先行している米国大学で開催された教育研修に参加し、成蹊大学の経済学部学生にあった教育方法を模索してきました。MIT(マサチューセッツ工科大学)のJ-WEL (Abdul Latif Jameel World Education Lab)の教育研修ではインターネット時代の学生にあった先進的な教育方法を議論し、またコロラド大学で開催される学会(Learning Assistant Alliance , LAA)では学生アシスタントQLA(Qualified Learning Assistant、成蹊大学公認学習補助員)を活用したアクティブラーニング法の実践方法を共有しました。このような活動を経て、マクロ経済学と計量経済学の教育方法を徐々に講義型授業から演習主体の授業運営へ刷新してきました。

MIT J-WELのカリキュラムワークショップ
(2018年7月)
コロラド大学で開催された
ラーニングアシスタンス学会
(2019年10月)

初級統計学や計量経済学の授業方法は、簡単にいうとe-learningと学生同士の議論を組み合わせた形と言えるでしょうか。毎週、学生は各自、授業前に「ビデオ教材の視聴と確認クイズ」に取組むことで予備知識を学習し、疑問点を投稿します。授業では「疑問点への解説」「短い講義」「問題演習」で基礎理解を確認したのち、グループに分かれて学生同士による「演習」などを行います。いわゆる反転授業ですが、QLAと教員は、毎週、授業内容を事前に吟味し、教員の意図を理解したQLAがグループ演習に参加して授業をサポートする点が特徴です。この方式により、事前学習では基礎知識の習得を、授業では理解の促進と応用力の鍛錬を目指しています。

事前視聴するビデオ教材
確認クイズに取り組む
学生の質問への個別対応

コロナ禍にみまわれた今年度ですが、アフターコロナに向けてより双方向性の高い授業運営への模索も始まっています。今年度、一気に浸透したオンライン利用によって、学生の理解度をクイズ・チャット・投票機能等で逐一把握できること、掲示板やアンケート機能の活用により授業時間外でも個別なアドバイスが可能になること、また毎週のオフィス・アワーもオンライン開催なので参加しやすくなったこと等、学生とのコミュニケーション方法が多様になりました。さらに授業を補助してくれるQLAからの毎週の報告を通じてグループ演習の様子の把握に努め、次週の授業運営に役立てています。

コア科目は2年次以降の専門科目の理解に不可欠なため、担当教員同士が情報共有するなどして授業の深度(進度)や学生の理解度に差がないようにしています。今後もオンラインでの授業が続いたとしても、あるいは対面での授業ができるようになったとしても、授業の工夫を重ねて、学生の理解を深めていきたいと考えています。

QLAの研修風景

学生の声

学生アシスタントによる授業サポートや先生に質問・相談ができる「オフィス・アワー」がオンラインでも充実しています。

現代経済学科1年 受講生

Zoomによるオンライン授業でグループワークをしている時、なかなか議論が進まずに困っていると、QLAの学生(※1)がサポートに入ってアドバイスをしてくださり、スムーズに進めることができました。また、井上先生は、Zoomでオフィス・アワー(※2)の時間を設けてくださり、授業の分からないところや大学生活の不安や悩みを聞いてくださいました。前期のオンライン授業では友人がまだできていない状態で授業を受けていたため、不安に思うことが多かったので、オフィス・アワーはとても充実していました。

前期に同じ授業を選択していた友人や新入生ウェルカムデーで知り合った友人と連絡を取り合い、情報交換をしています。また、4月にZoomで開催されたオンライン新歓を見て興味を持った部活動に入り、活動しています。 (※1)QLA(Qualified Learning Assistant)...大学公認の学生アシスタント。授業進行サポートや授業活性化が主な業務。 (※2)オフィス・アワー...授業や大学生活のことなどを教員に質問や相談ができる制度。