今回、誠に残念ながら2019年度成蹊大学学位授与式は中止となりましたが、学生やご家族の皆様は心待ちにされていたかと思います。我々教職員にとっても、人生の新たなステージへと見送る大切な式典です。
今回はWEB上にはなりますが、おめでとうの気持ちを込めて学長の式辞をはじめ、お祝いのムービーを作成しました。ささやかではありますが、特設サイトをお楽しみください。
新たな出会いに緊張するなか行われた入学式。これからはじまる大学生活に、どんな未来を思い描いていたでしょうか?
心から笑い合える友や、学ぶ楽しさを教えてくれた恩師。さまざまな出会いや行事に彩られた思い出たちは、いつまでも胸のなかで輝き続けることでしょう。成蹊大学で過ごしたかけがえのない日々を胸に刻み、新たな世界へ向けて大きく羽ばたいて欲しいと思います。
2019年度成蹊大学学位授与式は、学生生活を締めくくる大変重要な行事。学生やご家族の皆様も心待ちにされていたかと思います。人生の節目となる大切な式典です。今回はWEB上にはなりますが、万感の思いを込め祝辞を届けたいと思います。
修了生、卒業生のみなさん、卒業おめでとうございます。
学位取得者、博士2名、法務博士2名、修士58名、学士1677名、みなさんの旅立ちを、晴れやかな挙式で見送ることができなくなってしまったことは、大変残念であり、寂しさで胸がいたくなる思いです。
私はここ数年、これからみなさんが船出していく社会は「何が起きるかわからない」「何が起きてもおかしくない」、そういう社会になっていく、変化への適応の準備を生涯やり続けなければならない、と呼びかけてきました。しかし、よもやこのような危機が目前に迫っていたとは予想することもできませんでした。
人間が危機に直面したときに最も大切なものは「情報」と「仲間」です。
第一に、あふれる情報から必要なものを的確に選択し、自分の身の回りに起こっていることを正確に把握することが大切です。そしていま自分に一番必要なものは何なのか、自分はいま何をするべきなのかを論理的に考えていくことが大切です。これはみなさんが大学における学問の探究の中で身に付けた力そのものに他なりません。
二つめは、危機を共有し力を合わせて危機に立ち向かってくれる友人や家族の存在です。みなさんはこれまでの大学生活の中で、先輩や後輩、友人などの多くの人間関係を築いてきたと思います。それはこれからみなさんが生きていく上で大きな財産となるはずです。また、みなさんのこれまでの人生を支えてくれた家族への感謝の気持ちを忘れないでください。家族は人間が危機に直面したときに、立ち向かうための最強のユニットになります。
みなさんが成蹊大学で懸命に学び過ごした歳月は、決してみなさんを裏切らないと思います。自信をもって堂々と胸を張って、社会に向かって旅立ってください。
いつの日か盛大に卒業式をやりましょう。そのときに、社会人として立派に成長したみなさんと再会できることを心から楽しみにして、私からのお祝いの言葉を終えたいと思います。
ご卒業おめでとうございます。また会いましょう!!
令和2年3月19日
成蹊大学長 北川 浩
本日、私たちは新たな一歩を踏み出します。例年なら、4年間を共にした仲間と、晴れ着姿で語らい、思い出話に花を咲かせている頃でしょう。しかし、新型コロナウイルスの影響で式典等が中止となってしまいました。誠に残念ではありますが、私たちが4年間培ってきたものが無くなるわけではありません。確実に一人ひとりの中に存在していると思います。
希望を胸に抱き、成蹊大学のキャンパスへと足を踏み入れた入学式の日、欅並木が私たちを迎えてくれました。早4年の歳月が流れ、それぞれが新たな道へと歩み出すことができるのは、大学での学びに負うところが大きいでしょう。学問を通じた専門的知識の獲得や様々な仲間との学びのなかで、多面的な視点や柔軟な思考力を育み、「自分」という存在を創造してきました。これは、自発的精神の涵養と個性の尊重という本学の教育理念、少人数教育や主体的チャレンジの場を広げる教育プログラムの賜物であり、多くの方々のお力添えに大変感謝しています。
私はこの4年間で大きく成長することができました。以前は、枠に囚われた考えのせいで、挫折を繰り返してきました。その分、大学生活にかける思いは人一倍強かったと思います。教員になりたいという昔からの夢を実現するため、勉学に励みました。学科の講義やゼミでは、日本文学の面白さや奥深さに触れ、言葉の大切さに気付き、追究し、教職課程では、現代にあった教育、生徒のための授業を学び、実践することができました。このように言うと、順風満帆な学生生活に聞こえるかもしれませんが、決して平坦な道のりではありませんでした。仲間との価値観の相違や周りからのプレッシャー、理想と実力の齟齬。多くの壁が私の前に立ち塞がりました。しかしそんな時、両親が励ましの言葉を贈ってくれました。その言葉のおかげで、限界を決めず努力し続けることができたのです。そして、その努力が実り、この春から教壇に立つことができます。夢を叶えることができたのは、「あきらめない強い心」と「支えてくれる周りの人の存在」があったからだと改めて実感しています。先生方が教えてくださったことや職員の皆様のサポート、そして、両親からの温かい言葉。皆様からいただいたものを次は私が生徒に教え、支え、共に学んでいきます。
本日、私たちは成蹊大学を卒業します。平成から令和に変わり、私たちは新たな時代を創り、生きていきます。「時に、初春(しょしゅん)の令(れい)月(げつ)にして、気淑(きよ)く風和(かぜやわら)ぎ、梅は鏡前(きょうぜん)の粉(こ)を披(ひら)き、蘭(らん)は珮(はい)後(ご)の香(こう)を薫(かお)らす。」令和の基になった『万葉集』の梅花の歌の序。私たちも梅の花のように明るく穏やかな、希望ある未来の中で、一人ひとりの花を咲かせることができるよう、大学での学びを糧に日々精進して参ります。
最後になりましたが4年間熱心に指導してくださった先生方、ご支援くださった職員の皆様に深く感謝いたします。また、多くの時間を共有し、切磋琢磨した友人たち、そしていつも温かく見守り、時に背中を押してくれた家族がいたからこそ、この日を迎えることができました。現在、感染症の影響で日常とは違う空気が流れています。だからこそ、当たり前だと思っていた4年間の平穏な日常が一層有り難く思い返されます。そのかけがえのない日常を支えてくださったすべての皆様に、卒業生を代表して心より御礼申し上げます。事態が早く収束し、再び平穏な日常が戻ってきた時、皆様と再会できましたら幸甚に存じます。皆様方のご健康とご多幸、並びに成蹊大学の輝かしい発展をお祈り申し上げ、謝辞とさせていただきます。
令和2年3月19日
卒業生代表 山本友菜美
冬の寒さが和らぎ始め、春の暖かい風を感じる季節となりました。開花の時を待つ桜の蕾の力強さは、逆境をも跳ね除ける皆様を象徴しているかのように思えます。
成蹊大学を卒業される皆様、ご卒業おめでとうございます。在学生を代表し、心よりお祝い申し上げます。
卒業生の皆様は卒業に際し、どのようなお気持ちでいらっしゃるでしょうか。仲間と共に勉学に励んだ日常、サークル・部活動で汗を流した日々、協力し合って盛り上げた欅祭などが輝かしい思い出になっていることでしょう。この成蹊大学で経験した良かったこともつらかったことも皆様のこれからの人生において心強いものになると確信しております。 思い返せば私たち在学生は先輩方に助けられてばかりでした。サークルや部活動では励ましの言葉をかけていただき、ゼミや研究室では分からないことを教えていただき、また、時に旅行や食事に連れて行っていただきました。そこでは先輩方からのアドバイスを聞く時もあれば、共に課題を乗り越えることもありました。先輩方の卒業に際しまして、私たち在学生は感謝の気持ちと寂寥感で胸が熱くなります。
さて、2019年を振り返ると、平成から令和へと時代が変わり忘れがたい年になったことと思います。スポーツ界ではラグビーワールドカップが日本で開催され、日本代表が予選リーグで4戦全勝して初のベスト8入りを果たし、日本中の人々に勇気と感動を与えました。また、科学の分野では日本人の吉野彰氏がリチウムイオン二次電池の発明でノーベル化学賞を受賞しました。化石燃料に頼らない社会を実現するために信念をもって研究を続けたことは、私たちに諦めない心を教えてくれました。そうして与えられた勇気や希望は、来る東京2020オリンピック・パラリンピック開催を成功させる大きな糧になると思います。その一方、東日本は巨大台風に見舞われ甚大な被害に遭い、また、世界文化遺産の首里城が焼失するなど心を痛める出来事も記憶に残っているかと思います。また2020年となった現在、新型コロナウイルスの世界的な感染拡大の影響が私たちの生活にも大きく出ており不安を感じるニュースも多くあります。
先輩方が踏み出していく社会では何が起こるか予測できません。しかし、そんな時こそ成蹊大学で学んだ知恵が役に立つのではないでしょうか。成蹊学園の創立者中村春二は「自発的精神の涵養と個性の発見伸長を目指す、真の人間教育」を目指しました。人間はどんな状況におかれても、それを乗り越えるだけの「心の力」がもともと一人ひとりに備わっており、その「尊い心」の存在に気づくことで、自奮自発の強固な精神力が培われる――この理念を礎とした「個性の尊重」「品性の陶冶」「勤労の実践」という建学の精神のもと学ばれた卒業生の皆様なら、いかなる苦難をも乗り切り、社会で活躍されることと私は確信しております。
卒業生の皆様をお送りするにあたり寂しさを感じずにはいられません。しかし、私たちは先輩方の残してくださった成蹊大学の歴史を引き継ぎ、より一層輝かせることができるよう努力してまいります。
最後に、先輩方のますますのご活躍を心からお祈りし、送辞とさせていただきます。
令和2年3月19日
在学生代表 古屋伸悟
公式Instagramと公式Twitterでは教職員からのメッセージをお届けしています。
学長以外にもぜひお祝いメッセージを届けたい!と、100名以上の教員・職員からメッセージ動画が寄せられました。晴れの門出にふさわしい、明るく思わず笑顔がこぼれてしまうような動画たちです。「皆、成蹊での日々を糧にのびのびたくましく羽ばたいてほしい。」そんな願いが込められています。ぜひご覧ください!
卒業生へのお願い・
その他関連情報