News & Topics

News & Topics

理工学部 戸谷希一郎教授の共著論文が Nature Research出版誌『Communications Biology』に掲載されました

2019年10月30日

メディア掲載

理工学部物質生命理工学科 戸谷希一郎教授(専門分野:糖質化学、糖鎖生物学)および栗原大輝助教と、東工大の倉科佑太助教、慶大の竹村研治郎教授、University of California San Diego の James Friend 教授らとの共著論文「Enzyme-Free release of adhered cells from standard culture dishes using intermittent ultrasonic traveling waves」と題された研究が、英国Nature Research出版が提供する『Communications Biology』に掲載されました。

『Communications Biology』に掲載された紹介ページはこちら: 

『Communications Biology』は、生物科学の全分野における高品質な論文を掲載する Nature Research出版が提供するオープンアクセス•ジャーナルです。

戸谷教授、栗原助教、倉科助教 (東工大)、竹村教授 (慶大)、Friend教授 (UCSD) らのグループは、生物/医療研究に重要な接着細胞の培養/回収効率の向上に注目した研究を行ってきました。接着細胞を培養し利用するには細胞の剥離による回収が不可欠です。もっとも一般的な方法は、トリプシンという酵素によって細胞表面を溶かす剥離法ですが、これによって細胞表面のタンパク質は損傷を受け、その後の細胞培養効率が低下する原因となっています。
今回の論文では、通常の培養ディッシュ下に超音波トランスデューサーを密着させる独自のデバイスを用いて、トリプシンを用いずに音圧によって接着細胞を低侵襲で剥離する方法を開発しました。本手法による細胞回収率は従来のトリプシン法と同等であり、その後の培養効率は5.4倍に向上しました。実際、細胞表面タンパク質の発現量はトリプシン法と比べて大幅に向上しており、本手法が低侵襲であることも証明しました。

今回開発した方法は、近年、重要性が増しているバイオ医薬品の生産効率向上に役立つものと期待されます。