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法学部 佐藤義明教授の解説が日本海事新聞に掲載

2020年03月27日

メディア掲載

法学部法律学科 佐藤義明教授(専門分野:国際法)の解説が、3月26日(木)日本海事新聞朝刊1・5面に掲載されました。

記事のなかで佐藤教授は、「国際法上、感染者が発生した船舶を自国の港に受け入れたり、感染者を上陸させたりする義務は存在しないが、日本がダイヤモンド・プリンセスを受け入れなかった場合には、複数の国に入港を断られて、乗客乗員が上陸できない状態が長く続く可能性があったことから、帰国する権利をもつ国民が多数乗船している状況で、受け入れたことは政府の政治的責任の問題として、望ましかった」と指摘しています。

そして、「同船は英国船籍であるが、日本の内水である東京湾では日本の主権の下にあり、公海における旗国主義は適用されない。遠方の旗国ができることは限られており、英国と調整しつつ、同船の船長の協力の下、感染症への対応は寄港地である日本に全面的に委ねられていたと考えられる。その対応として望ましかったのは、船内隔離が困難なことから、優先順位をつけて陸上隔離をおこなうことであったと考えられる」としています。

さらに、「日本がインバウンドの観光を振興し、その港が大型客船の着岸を歓迎してきた以上、船上で感染症が発生した船舶が入港した場合の緊急時対応計画を事前に立て、省庁横断的な危機管理体制を構築しておく道義的責任を日本は負っていた。今後、船舶の構造設計に関する安全基準や、メディカルセンターとそのバックアップ体制・運用も見直しの対象となるであろう。後者はクルーズ船運航会社が競合会社と差別化を図る戦略にもなる」と指摘。
日本が先導しようとする船籍国と寄港国の義務や負担に関する新たな多国間の規則作りについては、規則の実効性の観点から限界があると考えられるとして、船舶・船長に注目し、船内の安全基準と情報の迅速な伝達に関する行動指針(CoC)の策定、その履行を確保する陸上からの支援を含む体制作りを日本がおこない、それをベストプラクティスとして船籍国などにアピールすることがいっそう重要な国際貢献である、と解説しています。