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理工学部 三浦正志教授の研究課題が科学技術振興機構(JST)の創発的研究支援事業に採択されました

2021年04月01日

教育・研究

理工学部の三浦正志教授(専門分野:電気電子材料、超伝導工学、電磁気学、固体物理学)の研究課題が科学技術振興機構(JST)の2020年度創発的研究支援事業に採択されました。

創発的研究支援事業は、特定の課題や短期目標を設定せず、多様性と融合によって破壊的イノベーションにつながるシーズの創出を目指す「創発的研究」を推進するため、既存の枠組みにとらわれない自由で挑戦的・融合的な多様な研究を、研究者が研究に専念できる環境を確保しつつ原則7年間(最大10年間)にわたり長期的に支援するもので、2020年度から公募が開始されました。(創発的研究支援事業ウェブサイトより引用。)

本創発的研究支援事業に向けて文部科学大臣から「未来のノーベル賞につながるような成果が創出されることを期待しています。」と強い期待が込められています。

■ 研究課題名:「新材料設計指針により対破壊電流密度に挑む」

■研究概要
超伝導は、ある温度まで冷やすことで唯一電気抵抗がゼロになる材料です。そのため、SDGsやSociety5.0社会にマストな唯一無二の技術によりCO2削減、省エネ、最新医療(がん治療等)などイノベーションを起こすことが期待されています。これらの応用には、電気抵抗ゼロで流せる電流 (Jc; 臨界電流密度)の更なる向上が必要不可欠です。しかし、超伝導材料の中でも最も研究されてきた銅酸化物超伝導でさえ、発見されてから30年以上経ちますがJcは、Jcの理論限界値である対破壊電流密度(Jd)のたった15%程度です。

本研究では、三浦正志教授らが構築した独自Jc理論モデル(Nature Commun.、Nature Materials、NPG Asia Mat.など)・独自の作製手法(特許第5757587号, 第5270176号(21世紀発明賞))をもとに、これまでにない新材料設計指針によりJcを限界である対破壊電流密度に近づけることを目的とします。これにより超伝導応用の妨げとなっているJcを劇的に向上させSDGsやSociety5.0社会に貢献する革新的超伝導技術に貢献することを目指します。

今回の研究課題の採択に際して、三浦正志教授は「今回は、最長10年といったこれまでにない研究事業である創発的研究に第一期研究者として採択されたことをうれしく思っております。文部科学大臣のメッセージにもありますように世界各国とのイノベーションの覇権争いが激しさを増す中、腰を据えて研究に集中できる環境を通して、世界に負けない破壊的なイノベーションにつながる成果を創出できるよう励みたいと思います。その中で、"成蹊"独自の新超伝導材料の発見もできたらと思っています。」と話しています。

三浦正志教授