Home 文学部 │ 英語英米文学科
ブラック・ブリティッシュ作家
キャリル・フィリップス研究

- 対象学年
- 4年次
- 担当教員名
- 小林 英里
- Eri Kobayashi
- 学びのキーワード
-
- 現代イギリス文学研究
- ポストコロニアル研究
- 文学理論
研究の内容
現在、ブラック・ブリテッィシュ作家のキャリル・フィリップスの『より高い土地』という小説をゼミ生とともに読んでいます。ヨーロッパ近代以降の奴隷制度から近年の"Black Lives Matter"という運動に至るまでの「黒人離散」の問題がメイン・テーマとなっている小説です。同時に、古代から続く「ユダヤ人離散」という問題にも目配りがなされた小説でもあります。このゼミでは、「トラウマを負った民族どうしの連帯は可能か」という問いをたてて、小説内のさまざまな表象を分析しています。

研究の進め方
大学では4月から7月までの前期と9月から翌年1月までの後期のふたつの時期があります。このゼミでは、前期に作品を輪読し、テーマに沿った問題点を考察します。後期は作品にかんする批評論文を読みます。英語英米文学科ですので、扱う作品は英語の作品ですし、扱う批評論文も英語によるものが大半です。英語を「読む力」および適切な日本語に「翻訳」する力を身につけるとともに、作品と論文の「精読」を通じて、現在わたしたちが目の当たりにしている社会の事柄(差別、分断、そして連帯)について、考察を深めていきます。

未来のゼミ生へ
英語の小説や論文を読むと聞くと、「難しいのかな」と思うかもしれません。たしかに最初は難しく感じることでしょう。しかし、次第にその「難しさ」にも慣れてきて、作品の世界を「もっと知りたい」と思うようになることでしょう。読むことの面白さに気がつけば、以降は、知的好奇心を満たしてくれる大海原が、みなさんを待ち受けています。
ゼミ・研究室の魅力
- ⽂献を読み解く力が身につく
- 語学力が身につく
- 論理的な思考力が鍛えられる
卒業論文のテーマ
- キャリル・フィリップスの小説について
- ポストコロニアル文学について
- シャーロット・ブロンテ『ジェーン・エア』論
- ジーン・リース『サルガッソーの広い海』論
- 第一次世界大戦を扱った作品について
教員のプロフィール

小林 英里
Eri Kobayashi
(共著)
『国民国家と文学――植民地主義からグローバリゼーションまで』庄司宏子編 作品社 2019年2月
『英語英米文学研究の現在』成蹊大学人文叢書16 成蹊大学文学部学会編 責任編集
日比野啓 風間書房 2019年3月など
- 研究分野
- 英語文学、ポストコロニアル文学、批評理論