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社会階層・ネットワーク
・社会的自由の社会学(内藤ゼミ)

対象学年
3・4年次
担当教員名
内藤 準 准教授
Jun Naito
学びのキーワード
  • 自由
  • 社会階層
  • 社会的ネットワーク

研究の内容

社会ではさまざまな資源や機会がやりとりされています。資源や機会を多く持つ人には、多くをおこなう「自由」があります。社会学では、お金のほか、仕事の地位や学歴、社会的ネットワーク(他人との関係)、地域のつながりや行政の支援なども資源だと考えます。私たちの教育や仕事や性別によって、機会が不均等に分配されます。これを社会階層といいます。保有する資源によって、生き方の選択も、私たちの立場も違ってきます。
社会の中での立場の違いは、私たちのアイデンティティや、振る舞い方にも影響します。ネットワークや仕事がなければ、社会からの孤立にもいたります。社会規範や制度の変化があれば、物事の意味が変わり、生き方の選択肢や生活のパターンも変化します。こうした社会学の視座は、皆さんがさまざまな社会の仕組みを考えるための手がかりを与えてくれるでしょう。このゼミでは、調査や分析のノウハウを身につけながら、皆さん自身のオリジナルな研究を目指します。

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研究の進め方

基本的には週1回、報告者とコメンテーターの発表をもとに議論します。テキストは相談して決めます。社会科学の入門書で科学的な分析手法の基礎を学んでから、統計分析の読み方、社会調査と分析手法(アンケート調査、インタビュー調査など)を学びます。また、理論的な著作と格闘しながら、ゼミ生自身の研究を組み立てます。
3年生の夏に、ゼミ合宿または卒論ゼミをおこないます(合宿の行き先は相談して決めています)。そこで卒業論文への第一歩として、皆さん自身の研究テーマを発表してもらいます。後期は、各自の研究計画やリサーチクエスチョンを立てていきます。4年生は、ゼミで相談しながら調査や分析をおこない、卒業論文を完成させます。ゼミイベントの提案があれば、ピザを食べたり脱出ゲームに行ったりします。

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未来のゼミ生へ

「社会人」という言葉はよくご存知だと思います。大学生は卒業のことを「社会に出る」と言ったりします。しかしこれはとても不思議な言葉です。なぜなら、高校生であれ大学生であれ教員であれ、私たちは誰もが社会のなかで暮らす人間だからです。
それでは、あえて「社会人になる」と言うことの背後には何があるのでしょうか。少し見てみれば、どうやら「社会人」は、学校からの卒業、就職と経済的な自立、「一人前」とか「大人」とか、そうした曖昧なイメージで人びとを差異化する、空虚な言葉でしかないようなのです。例えば、働きながら高校に通う生徒はどうなのでしょう。働こうにも働けない事情のある人は一人前の社会人になれないのでしょうか。自分の成長を「社会に出る」と安易に語ってしまうとき、私たちは現実の多様性を忘れ、「標準的でない誰か」を排除していないでしょうか。
社会学的な研究のスキルは、こうした〈曖昧で常識的な日常〉の仕組みを読み解き、誰もがより良く生きられる社会のアイデアをもたらします。そうしたアイデアは、皆さんの仕事や暮らしで必ず役立つ力になるでしょう。ともに研究する皆さんを、心から歓迎します。

ゼミ・研究室の魅力

  • ⽂献を読み解く力が身につく
  • プレゼンテーション⼒が⾝につく
  • 論理的な思考力が鍛えられる
  • 研修旅行やゼミ合宿がある
  • 質的・量的な社会調査とデータ分析を実践できる

卒業論文のテーマ

  • 商店街の活性化と社会関係資本
  • 恋愛と出会いの変化
  • ファッションと自己肯定感の関係
  • 外国人住民にとって好ましい地域社会の態度はどのようなものか
  • 制度と幸福感の国際比較
  • 女子学生のキャリアプランと性役割規範
  • 終活と家族関係,社会階層
  • 女性オタクのコミュニケーションにおける痛バッグの意味
  • 孤独感への対処と居場所
  • 若者の結婚観や家事参加に対する出身家族の影響

教員のプロフィール

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内藤 準 准教授

Jun Naito

子育て中。趣味はオートバイ。子どもたちと一緒にバイクに乗るのが夢です。おもに統計的な分析手法を使って、社会的ネットワークや社会階層と人びとの「自由」との関係を研究しています。全国調査や地方自治体の調査プロジェクトに携わっています。

研究分野
理論社会学、計量社会学、数理社会学、社会的排除・差別、社会的ネットワーク
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