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源氏物語ゼミ

『日本古典籍データセット』より「源氏物語団扇画帖」(国文学研究資料館蔵)絵合部分
- 対象学年
- 3・4年次
- 担当教員名
- 木谷 眞理子
- Mariko Kitani
- 学びのキーワード
-
- 平安時代
- 文学
- 源氏物語
研究の内容
このゼミでは、平安時代の文学であればどの作品を研究しても構いません。『落窪物語』『伊勢物語』『竹取物語』『枕草子』『とりかへばや物語』など、多様な作品が研究対象となっています。国宝の「源氏物語絵巻」や漫画『あさきゆめみし』など、『源氏物語』の絵画化作品を取り上げる人もいます。
とはいえ、人気があるのはやはり『源氏物語』。或る登場人物――例えば紫の上に焦点をあてたり、或る場面――例えば光源氏と紫の上が出会う場面を丁寧に読み解いたり、或る物――例えば牛車に注目して作品を分析したり、といったように研究テーマは多様です。

『日本古典籍データセット』より「源氏物語団扇画帖」(国文学研究資料館蔵)牛車
研究の進め方
ゼミでの学びの柱は2つ。1つは、発表と議論を楽しむこと。もう1つは、卒業論文に向けて自分の研究を進めていくことです。
【発表と議論】
このゼミでは『源氏物語』の或る巻を選び、一年かけてみんなで丁寧に読んでいきます。毎回のゼミでは、まず発表者が担当範囲について調べ考えてきたことを話し、それを受けてみんなで議論します。その議論のなかで、見えてくることもあれば、見えていたはずが見えなくなることもあります。一筋縄ではいかない『源氏物語』の魅力に肉薄するために、議論という手法は重要なのです。
【卒業論文】
文学部の学生は、4年生の12月に2万字以上の卒業論文を提出しなくてはなりません。この卒業論文にしっかり取り組むと、見違えるように力がつきます。
そこでこのゼミでは、3年生の秋に欅賞(日本文学科主催の、日本語・日本文学に関する研究論文のコンテスト)に応募してもらっています。欅賞に応募した論文(8千字以上)をより進化・深化させて、卒業論文を執筆していきます。卒業論文の完成に至るまでは、面談や添削などさまざまな形でサポートします。
社会との関わり
このゼミには、〈全員が発言するまで終わらない〉というルールがあります。はじめのうちは、何を言おうかと緊張しますが、やがて、発言することや発言を聞いた人たちから反応が返ってくることに慣れていきます。
また、卒業論文の執筆過程では、教員やゼミの仲間たちに書きかけの論文を添削をしてもらう機会が何度かあります。この書き方では伝わらないとか、論理に飛躍があるなどと、みんなに指摘してもらうのです。
これらの経験を通して、複雑なことを的確に表現する力、聞き手・読み手の反応を意識しながら論理的に話したり書いたりする力を身につけることができます。この力は、社会人として生きていくための大きな武器になります。――これは、多くの卒業生たちが実感を込めて語ってくれたことです。
ゼミ・研究室の魅力
- ⽂献を読み解く力が身につく
- 論理的な思考力が鍛えられる
- 論理的に話す力・書く力が鍛えられる
卒業論文のテーマ
- 『源氏物語』「葵」巻における「賀茂祭」という舞台
- 花宴巻における光源氏と朧月夜の出会いの場面の考察
- 『源氏物語』と音楽表現
- 『源氏物語』藤壺論―言葉からみる苦悩―
- 情景から見る末摘花論
- 『源氏物語』密通論
- 『源氏物語』書道論
- 『落窪物語』道頼の復讐について
- 『落窪物語』における「雨」の効果について
- 『伊勢物語』六九段の歌
教員のプロフィール
木谷 眞理子
Mariko Kitani
大学に入った時は理系でした。その後文系に転じ、学部では美術史、大学院で日本文学を学びました。若いうちは少々道に迷っても良いのではないかと思っていますが、さすがにちょっと迷走し過ぎたかもしれません……。
- 研究分野
- 平安時代の文学、文学と絵画