研究の内容
このゼミでは、私たちの目に前にある様々な社会現象や社会問題などについて、主に都市社会学・地域社会学の考え方を学びながら「どうなってるの?」「なぜ?」を議論します。確実にそこに存在はしているけれども、直接つかむことも、触ることもなかなかできない「社会」という対象に対して、目の前の都市や地域をめぐる問題群から具体的にアプローチしていきます。ゼミでは、みんなで文献を読むことに加えて、統計や新聞記事を調べたり、街歩きに出かけたり、人に話を聞いたりしながら学びを深めていきます。ゼミ生には、これらの活動を通じて現代社会をより深く理解するとともに、各々のやりたいテーマや将来の展望などについて考えてもらいます。
研究の進め方
3年生の間の学びは、週1のゼミの時間が中心です。事前に読んできた文献の内容について発表と議論をしたり、各自が考えている卒業論文のテーマについて発表して互いにコメントします。また、ゼミ時間外の活動として、グループで街歩きに出かけることもあります。街歩きはテーマ・行先の設定や企画書の作成、実施後のゼミでの報告に至るまでの全過程を、各グループごとに話し合って自主的に決めるのが特徴です。
4年生になると、学びの中心は卒業論文の執筆です。ゼミの時間を延長して議論したり、個人面談をして指導することも多いです。各自がテーマの構想や進行状況、調査計画と成果などについて発表して、全員で「こうしてみたら?」「ここは論理展開がおかしい」など互いにコメントしながら、最初の小さい「ひらめき」を少しずつ「研究」に育て上げていきます。
写真は、ゼミ生と池袋のチャイナタウンに出かけた時のものです。ゼミの後や街歩きの締めくくりにみんなでわいわいご飯を食べることもよくあって、そういう時はバイトや推しの話など、研究以外のことについてもあれこれおしゃべりします。

未来のゼミ生へ
高校までの学びと大学の学びの一番の違いは、学生自身の主体性・積極性が求められるところにあるのではないかと思います。ゼミの様々な活動では「私はこう思う。なぜなら~」という風に、論理的思考に基づいて自分の意見を述べることが求められる場面が多く、またそれについて他者から問題提起や批判、提案をもらうことで、自分の当初の意見を発展・修正していくことができます。こうして身についた表現力や思考力、他者とのコミュニケーション力などは、将来、社会において何らかの仕事をこなし、様々な人と関係を結びながらで生きていくための土台となるしょう。
ゼミ・研究室の魅力
- フィールドワークができる
- ⽂献を読み解く力が身につく
- プレゼンテーション⼒が⾝につく
- 学外の人と交流ができる
- 論理的な思考力が鍛えられる
- 研修旅行やゼミ合宿がある
卒業論文のテーマ
- アニメの聖地巡礼
- 音楽ホールと文化政策
- 負の歴史遺産の保存と活用
- 神社の観光地化
- サッカーとまちづくり
- 人はなぜミニチュアに心惹かれるのか
- 私鉄による街の開発と課題
- 公園の民営化とジェントリフィケーション
教員のプロフィール

金 善美
Sunmee Kim
1983年生まれ。一橋大学大学院社会学研究科博士後期課程修了、博士(社会学)。専門は都市社会学・地域社会学。主な著作は『隅田川・向島のエスノグラフィー――「下町らしさ」のパラドックスを生きる』(2018)など。
- 研究分野
- 都市、まちづくり、文化による都市再生、再開発、ジェントリフィケーション