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shioゼミ
─ 民法・著作権法判例研究と『shioゼミ判例十選』製作 ─

対象学年
2・3・4年次
担当教員名
塩澤 一洋 教授
Kazuhiro Shiozawa
学びのキーワード
  • ビジネス法務
  • 契約ルール
  • 知的財産と著作権
情報発信
> Webサイト

研究の内容

2〜4年生が合同で、民法、著作権法その他知的財産法に関する最高裁判所や知的財産高等裁判所の重要な判例を研究し、判例評釈を書き、『shioゼミ判例十選』を製作します。条文と判例を読めるようになり、法的な文章を書けるようになるための訓練をします。
前期は全員でひとつの判決を選び、地裁、高裁、最高裁の判決文を使って判例の読み方と判例評釈の書き方を学びます。具体的には事実の読み方、判決理由の読み方、法的三段論法の把握、法的三段論法を使った判決文の分解、判旨の取り出し方、そして判例を論評する文章の練習などをします。
後期は、メンバーそれぞれ研究したい判例を選んで評釈を書き、有斐閣『判例百選』を模した『shioゼミ判例十選』という冊子を製作します。具体的には各メンバーが「事実の概要」、「自分の法律構成」、「判決の論理構成」、「判決の評価」を順次発表し、他のメンバーと議論しながら論理を掘り下げてゆき、最終的に「判例評釈」として論述し、全員分をまとめた冊子のレイアウトや版下作成までゼミ学生たちで行います。その版下(PDF)をオンラインで印刷・製本業者に発注して3月上旬に冊子が完成します。

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研究の進め方

学生たちが主体的にゼミを運営します。金曜5限に全員で行う「本ゼミ」では、過去問を本番さながらに手書きで起案したあと、各自Mac、iPad、PCを使い、Scrapboxに転載した論述にコメントを書き込みながら条文を読み込み、法律構成し、論点を洗い出し、2〜3人ごとに議論します。本ゼミ後の1週間もScrapbox上で相互添削や再起案。1問につき十回ほど再起案して各設問の担当学生からOKが出たら教員による添削を受けてまた再起案を繰り返します。
最終的に完成した数年分の答案を全員分まとめて、有斐閣『判例百選』を模した『詳説法的三段論法』という冊子を製作します。学生たちで表紙のデザインや誌面のレイアウトをした版下(PDF)をオンラインで印刷・製本業者に発注して3月上旬に冊子が完成します。
4月に春合宿(箱根・1泊2日)、夏休みに夏合宿(長野県野尻湖畔・4泊5日)が企画され、弁護士や医師など多くの卒業生や社会人も参加して夜まで語り合います。特に夏合宿では起案や議論のほか、ヨット、カヤック、カヌー、SUP、アーチェリー、キャンプファイヤー、野外炊事など思い思いにトライして、めっちゃ楽しみます。

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未来のゼミ生へ

法学教育の究極の目的は、みなさんが「条文を①読める、②使える、③作れる」ようになることです。そのための基礎スキルを身につけるのが各授業であり、実践的にトレーニングするのがこのゼミです。
条文を「①読める」とは、条文を一言一句に分解して精密に読み解き、その含意を深く理解し、自分のツールとして手に入れるスキルです。「②使える」とは、条文というツールを千差万別の事実に適用し、法的三段論法に則って法的な解を導くスキルです。「③作れる」とは、ビジネスを展開する際に不可欠な契約書を自分で起案したり、公務員や議員として法改正や立法に携わるなど、新たなルールの体系をデザインし、法的に言語化したり、条文として書き起こすスキルです。
さまざまなトレーニング方法がある中、このゼミでは判決文の読解とその評釈の執筆という手段を用います。判決文は法的三段論法によって論述された最高のお手本です。その裁判で問題となった事実関係について、関係する条文を使って①、②を実践するとともに、その評釈を書く過程で法的言語化能力を養い、契約関係や法改正の提案などにおいて③を実践します。みなさんの未来を拓く実力を磨きましょう。

ゼミ・研究室の魅力

  • ⽂献を読み解く力が身につく
  • プレゼンテーション⼒が⾝につく
  • 学外の人と交流ができる
  • 語学力が身につく
  • 論理的な思考力が鍛えられる
  • 研修旅行やゼミ合宿がある
  • 法的論理的な論述力が身につく

卒業論文のテーマ

  • 売買契約における買主の受領義務
  • 事情変更の法理の要件とその適用
  • 著作権法からフォントを考える
  • 映画の著作物の著作者の帰属及び著作権保護期間の検討
  • 民法における不法行為と416条の類推適用について
  • 抵当権と取得時効の起算点
  • 適切な医療を受ける機会
  • 著作物の翻案と表現上の本質的な特徴
  • 動機の錯誤による意思表示の無効
  • 模写作品が著作物と認められるための要件

教員のプロフィール

塩澤 一洋 教授

Kazuhiro Shiozawa

慶應義塾大学経済学部卒、法学部卒、大学院修士課程、博士課程を経て2000年成蹊大学法学部着任。2008年から教授。
Instagram:shiology
X(旧Twitter):@shiology
blog:http://shiology.org/

研究分野
民法と著作権法の体系的整合性、デジタル形態の著作物流通ルールの未来、法学教育手法の進化と開発
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