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ドラゼミ
─ 司法試験と予備試験の論述問題に答案を書いて法的論述力を磨く ─

対象学年
2・3・4年次
担当教員名
塩澤 一洋 教授
Kazuhiro Shiozawa
学びのキーワード
  • 司法試験
  • 法的三段論法
  • 資格
情報発信
> Webサイト

研究の内容

司法試験問題を使って法的論述力を鍛える2〜4年生合同のゼミです。司法試験や司法試験予備試験の受験を志望する者、ロースクール進学希望者、論述力を磨きたい学生などが履修しています。過去の卒業生はトップクラスのロースクールに特待生として合格、進学し、優秀な成績で修了した後、司法試験に合格(一発合格を含む)して弁護士になったり、各種の法律系資格に合格する者や、企業の法務部やSEとして就職する者もおります。その卒業生たちはゼミや合宿に参加して指導してくれます。
過去の司法試験と司法試験予備試験の論述式試験から問題〈民法〉を選び、問題文の読み方や法律構成と論述の進め方を丁寧に学びます。まず各自、答案を手書きで起案(法律文書を書き起こすこと)した後、オンラインの「Scrapbox」に転載し、ゼミメンバー同士で相互添削を繰り返しながら、各論点について議論を交わします。他人の論述を添削すると問題点が見えて自分の論述力が高まるのです。添削を受けて何度も書き直す過程で、事実の捉え方、条文の読み方、文言の解釈、定義、事実の法律構成、法的三段論法の把握とそれを使った論述手順など、徐々に習熟していきます。

研究の進め方

学生たちが主体的にゼミを運営します。金曜5限に全員で行う「本ゼミ」では、過去問を本番さながらに手書きで起案したあと、各自Mac、iPad、PCを使い、Scrapboxに転載した論述にコメントを書き込みながら条文を読み込み、法律構成し、論点を洗い出し、2〜3人ごとに議論します。本ゼミ後の1週間もScrapbox上で相互添削や再起案。1問につき十回ほど再起案して各設問の担当学生からOKが出たら教員による添削を受けてまた再起案を繰り返します。
最終的に完成した数年分の答案を全員分まとめて、有斐閣『判例百選』を模した『詳説法的三段論法』という冊子を製作します。学生たちで表紙のデザインや誌面のレイアウトをした版下(PDF)をオンラインで印刷・製本業者に発注して3月上旬に冊子が完成します。
4月に春合宿(箱根・1泊2日)、夏休みに夏合宿(長野県野尻湖畔・4泊5日)が企画され、弁護士や医師など多くの卒業生や社会人も参加して夜まで語り合います。特に夏合宿では起案や議論のほか、ヨット、カヤック、カヌー、SUP、アーチェリー、キャンプファイヤー、野外炊事など思い思いにトライして、めっちゃ楽しみます。

未来のゼミ生へ

法学教育の究極の目的は、みなさんが「条文を①読める、②使える、③作れる」ようになることです。そのための基礎スキルを身につけるのが各授業であり、実践的にトレーニングするのがこのゼミです。
条文を「①読める」とは、条文を一言一句に分解して精密に読み解き、その含意を深く理解し、自分のツールとして手に入れるスキルです。「②使える」とは、条文というツールを千差万別の事実に適用し、法的三段論法に則って法的な解を導くスキルです。「③作れる」とは、ビジネスを展開する際に不可欠な契約書を自分で起案したり、公務員や議員として法改正や立法に携わるなど、新たなルールの体系を設計し、法的に言語化したり、条文として書き起こすスキルです。
そのトレーニングとしてこのゼミでは、司法試験と司法試験予備試験の論述問題に対する解答を起案するという手段を用います。問題文の事実を読み取り、適用可能な条文を探りながら①、②を実践するとともに、その論述を起案したり相互添削する過程で③法的言語化能力を養います。法律家としてもビジネスパースンとしても通用する論理的思考力と論述力。みなさんの未来を拓く一生ものの実力を磨きましょう。

ゼミ・研究室の魅力

  • ⽂献を読み解く力が身につく
  • プレゼンテーション⼒が⾝につく
  • 学外の人と交流ができる
  • 語学力が身につく
  • 論理的な思考力が鍛えられる
  • 研修旅行やゼミ合宿がある
  • 法的論理的な論述力が身につく

卒業論文のテーマ

  • 平成29年度司法試験論文式試験〈民法〉
  • 平成28年度司法試験予備試験論文式試験〈民法〉
  • 令和3年度司法試験予備試験論文式試験〈民法〉
  • 令和2年司法試験論文式試験〈民法〉
  • 令和元年司法試験論文式試験〈民法〉
  • 令和2年司法試験予備試験論文式試験〈民法〉
  • 平成23年司法試験予備試験論文式試験〈民法〉
  • 平成30年司法試験論文式試験〈民法〉
  • 令和元年司法試験予備試験論文式試験〈民法〉
  • 平成30年司法試験予備試験論文式試験〈民法〉

教員のプロフィール

塩澤 一洋 教授

Kazuhiro Shiozawa

慶應義塾大学経済学部卒、法学部卒、大学院修士課程、博士課程を経て2000年成蹊大学法学部着任。2008年から教授。
Instagram:shiology
X(旧Twitter):@shiology
blog:http://shiology.org/

研究分野
民法と著作権法の体系的整合性、デジタル形態の著作物流通ルールの未来、法学教育手法の進化と開発
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