研究の内容
目の前の政治ニュースはどんどん過ぎ去っていきます。そういう流行りネタに振り回されない、一生ものの〈知〉を身につけるのが大学というところだと思います。そのために、ゆっくりと政治学の古典文献を読んで考える。古典を読みつつ時事問題と向き合う。このゼミが提供するのはそういう空間と機会です。これまでにゼミで読んだテクストは、プラトン『ゴルギアス』、モンテスキュー『ペルシア人の手紙』、ルソー『人間不平等起源論』、ミル『自由論』、ウェーバー『プロテスタンティズムの倫理と資本主義の精神』、マンハイム『イデオロギーとユートピア』、アーレント『人間の条件』などです。

研究の進め方
喋る。とにかく喋る。喋るために考える。考えるために読む。他のゼミ生のトークを聞いて、もう一度考え直す。そして喋る。
未来のゼミ生へ
どうにも生きづらい世の中です。なんとかサバイバルしていかなければなりません。でも、個人ではどうにもならないことがあります。政治というのは、自分だけではどうにもならないことを、みんなで考えて、変えていく作業です。そして政治学はそのための学問です。少しでもマシな世界をつくることに貢献したいという思いを持つ(未来の)ゼミ生を応援します。
ゼミ・研究室の魅力
- ⽂献を読み解く力が身につく
- プレゼンテーション⼒が⾝につく
- いまの自分から自由になる
卒業論文のテーマ
- イスラエル建国と作られたユダヤ人
- これからのフェミニズムはどうあるべきか
- アドルフ・ヒトラーが首相になるまで
- 現代人に宿る「凡庸な悪」:ハンナ・アーレント的思考と理解の重要性
- SNSと政治:ネットリテラシーの重要性
- 自由:リバタリアニズムとは
- SEALDsに見る、現代の政治とカルチャー
- 正しい真実の認識の在り方:プラトンのイデア論
教員のプロフィール

野口 雅弘
Masahiro Noguchi
Ph.D.(ボン大学)。〈著書〉『闘争と文化』(みすず書房、2006)『官僚制批判の論理と心理』(中公新書、2011)『忖度と官僚制の政治学』(青土社、2018)『マックス・ウェーバー』(中公新書、2020)『よくわかる政治思想』(共編著、ミネルヴァ書房、2021)『中立とは何か』(朝日選書、2024)ほか。〈訳書〉ウェーバー『仕事としての学問 仕事としての政治』(講談社学術文庫、2018)ウェーバー『支配について』I・II(岩波文庫、2023/24)ほか。フィリップ・フランツ・フォン・シーボルト賞受賞(2019)。
- 研究分野
- 政治理論、政治思想史、100年くらい前のドイツ、マックス・ウェーバーという人、官僚制についての言説、政治的中立性、気候変動の政治理論