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競争法演習

対象学年
1・3・4年次
担当教員名
宍戸 聖 准教授
Sei Shishido
学びのキーワード
  • 独占禁止法
  • 競争法
  • 経済法
情報発信
> Webサイト

研究の内容

ゼミでは独占禁止法を中心に、日米欧の競争法について勉強をすすめていきます。もちろん競争法に関する高度かつ体系的な知識の習得も目標ですが、最終的には習得した知識を自分自身の言葉でアウトプットできるようになることが目標です。競争法の専門的な知識を習得するというのはあくまでも、将来の皆さんの活動に役立つ情報収集や情報発信のための能力(これを以下では研究能力と言います)を身につけるための手段に過ぎません。競争法の良いところは、あらゆる事業分野が規制の対象となるため、自分の興味関心に沿ってテーマを選択できる点です。これまで、担当したゼミ生は「デジタルプラットフォーム」や「人材分野」等への独禁法適用といった先端的なテーマや、「経済学と独禁法」を巡る学際的なテーマ、「日米欧の独禁法の比較」など、様々なテーマで研究に取り組んできました。このゼミは、履修生が自分自身で自由にテーマを決め、自分の研究能力を磨くために創意工夫を尽くす場です。必要に応じて教員が解説やサポートを行うことはありますが、学生が主体となって研究能力を身につけることを理想としています。

研究の進め方

私の担当ゼミでは日本の独占禁止法を中心として、必要に応じてEUの競争法やアメリカの反トラスト法も含め、広く競争法と言われる法領域に関する研究をします。1年ゼミでは後期から活動が始まり、12月の研究発表に向けて指導教員と一緒にテーマに関する相談や参考文献の輪読をします。3年ゼミと4年ゼミではそれぞれ年度末に提出するリサーチペーパーと卒業論文の完成を目標に活動をします。3年ゼミでは競争法に関する体系的な知識の習得を目標に、独禁法の主要な論点から履修生の希望するテーマを選択し、2週間に一度のペースで研究発表をし、年度末にその成果をもとにリサーチペーパーを執筆します。4年ゼミでは3年ゼミで執筆したリサーチペーパーを発展させ、卒業論文を完成させることを目標に、卒業論文のテーマに関連する内容について研究発表を行います。なお、このゼミでは学生の自主性を重視するため、研究発表のテーマは履修生が自ら選ぶことになっています。

社会との関わり

競争法とは、「市場の失敗」に競争政策の観点から対応するための政府介入の根拠となる法律群の呼び方です。日本では、競争法の中核となる法律として独占禁止法(独禁法)があります。たとえば、企業は自由に合併して良いように思われますが、企業合併が独禁法によって禁止される場合もあります。しかし、なぜ企業合併が禁止されるのかに関する詳細な理屈は一般にはあまり知られていません。また、最近ではFacebookやGoogleが競争法による規制介入を受けていることがしばしば報道されていますが、これらの企業が介入を受けるのはなぜか、よく知らない人も多いのではないでしょうか。
このゼミでは、日本の独禁法と、アメリカの反トラスト法やEUの欧州競争法との比較法分析を通じて、上記のような疑問に答えられるよう、競争法の原理・原則をより深く理解することを目的とします。

ゼミ・研究室の魅力

  • ⽂献を読み解く力が身につく
  • プレゼンテーション⼒が⾝につく
  • 学外の人と交流ができる
  • 語学力が身につく
  • 論理的な思考力が鍛えられる

卒業論文のテーマ

  • Googleと競争政策ー欧州Google Shopping事件を素材としてー
  • 再販売価格維持行為の法と経済学
  • 独禁法における市場閉鎖効果ー米国のRRC理論を参照軸にー
  • 非ハードコアカルテル規制のあり方
  • デジタルプラットフォームと競争法
  • 人材分野に対する独占禁止法の適用
  • バンドルディスカウント規制のあり方ー日米の競争法の比較分析を通じてー
  • 漁協と独占禁止法
  • 排他的取引の並行的実施による市場競争への影響と独占禁止法

教員のプロフィール

宍戸 聖 准教授

Sei Shishido

青山学院に中等部から修士課程まで通った後、京都大学で博士号を取得し大学教員をしています。日本・米国・欧州の競争法における、単独事業者による競争者排除型の行為の規制を対象に、比較法研究を行っています。主著に『私的独占における排除概念の再構成』(商事法務、2022年)があります。

研究分野
独占禁止法、競争法、経済法、競争政策、反トラスト法、欧州競争法、デジタルプラットフォーム、ブロックチェーン
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