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今井ゼミ

対象学年
2・3・4年次
担当教員名
今井 貴子 教授
Takako Imai
学びのキーワード
  • 比較政治学
  • 比較福祉国家
  • イギリス政治

研究の内容

テーマ:「持続可能な共生社会とデモクラシー」 経済・情報・人の移動のグローバル化・人口の少子高齢化・格差や分断といった共通のリスク要因に対して、日本を含む先進各国はどのような雇用システム+社会保障によって応じてきたのでしょうか。制度再編が進展した国と膠着状態に陥った国とでは福祉政治のあり方にどのような違いがあるのでしょうか。現代世界のリスク要因と、ポピュリズムの「主流化」はどのような関係にあると考えられるのでしょうか。本ゼミでは、歴史の教訓とデモクラシーの本質に立ち返りつつ、比較政治学の知見を用いて、現代社会の問題の捉え方を学び、多角的に分析、考察する力の修得を目指します。3年次後期は、受講生がそれぞれ自らたてた問いを探究し、ゼミ論をまとめます。

研究の進め方

本ゼミでは次のような活動を繰り返すことから、総合的なスキルを高めることを目指します。
①テキストから学ぶ(読解力・洞察力・論理的思考力)、②調べる(問題発見力・調査力)、③発表する(要約力・発信力・表現力)、④討論する(聴く力・批判的に論じる力・協調する力)
①について:国際比較の中の日本ー今日の日本の政治・経済・社会のあり方を国際比較の視点から学びます。課題先進国と呼ばれる日本の雇用と社会保障をめぐる問題と制度、政策、政治力学について学びます。②について:大学のオンラインデータベースを利用して、資料を調査・収集します。③について:週1のゼミでは、報告担当チームが分担してレジュメの作成、討論のための論点提示、データや資料の収集を行い、プレゼンなどのスキルを磨きます。討論では、正解がないからこそ、多様な視点や意見から学び、かつ限界を知り、合意に達する意義を学びます。

未来のゼミ生へ

・不確実性が高まる現代世界であるからこそ、総合知の学問である政治学と政治の本質を学ぶ意義の重みが増しています。AI時代では、従来の知が後景に退くように感じるかもしれませんが、むしろその逆でしょう。AIをどう使うのか、その有用性と影響力ゆえの深甚なる問題性をどう理解するか、その上で、人間にしかできないことの価値こそが問われると言えるでしょう。

・本ゼミでは、まずは、多くのテキストから「事実」を知り、蓄積された解釈を学んだ上で、よく吟味された意見を発することを促します。さまざまな決定をめぐって何が争点になっているのか、対立点はどこにあるのか、対立の解決方法として暴力や抑圧を排し、合意・妥協に結びつける政治力学について学びます。

・実践面では、プレゼンやディスカッションのスキルを磨くとともに、、知識や思考を他者と共有するための表現力や発信力を身につけなることを目指します。

ゼミ・研究室の魅力

  • ⽂献を読み解く力が身につく
  • プレゼンテーション⼒が⾝につく
  • 論理的な思考力が鍛えられる

卒業論文のテーマ

  • スウェーデン・モデルとの比較から見る日本型雇用の課題
  • フインランドはなぜ幸福度が高いのか
  • 困難を抱える若者たちを支援する居場所づくり
  • 児童虐待から見えてくる求められる社会の在り方とは
  • EBPM は日本においてどのように活用されるべきか
  • 女性の社会進出を支える保育現場の現状と課題
  • なぜ人は自分にとって不利益な集団に留まり、現状を容認するのか
  • デジタルテクノロジーは監視社会をもたらすのか
  • なぜ現代の日本の若者は投票に行かないのか
  • 犯罪や非行をした者に対する就労支援はどのようにあることが望ましいか

教員のプロフィール

今井 貴子 教授

Takako Imai

成蹊大学法学部教授。博士(学術)。東京大学大学院総合文化研究科国際社会科学専攻博士課程単位取得退学。専門は英国政治、比較福祉政治。英ケンブリッジ大学客員研究員、欧州大学院客員研究員など。主著に『政権交代の政治力学』(東京大学出版会、2018年)。

研究分野
英国政治研究、比較福祉政治、比較野党論、ポピュリズム研究
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