英語文献から憲法を読み解く
言語の違いから得られる新たな視点
[法学部 法律学科|4年生]
2024.07.01

- 所属するゼミ
- 藤井樹也先生のゼミ「英文を読む・上級憲法」
- 興味を持ったきっかけ
- 1年次に藤井先生の講義を受けて憲法への興味を持ったから。
- ゼミの魅力
- ディスカッションやプレゼンテーション力だけでなく、英語力も身につく。
- 将来のビジョン
- 憲法への理解を深め学んだ知識を、企業の法務や人事という立場で役立てていきたい。
異なる言語だからこその気づき
鍛えられるプレゼンテーション力
英語文献を使用して憲法を学ぶゼミです。日本国憲法に関する英語文献を手がかりに、外国の憲法や戦前の大日本国帝国憲法と比較したりすることで諸問題を考えます。
日本語ではない言語の文献を用いることで、普通に読んでいては気づけなかった視点を得ることができます。例えば、「民主主義」といった日本語も、外国語の視点からみると、国や時代によって表現方法や言葉の意味合い、解釈のされ方も今とは違っていたりすることがあります。また、多くの文献を講読するので必然的に英語力も鍛えられます。
ゼミでは、全員にプレゼンテーションの機会があり、偏りなくみんなが挑戦します。おかげで、他の講義でプレゼンテーションをする際にも緊張せずに行うことができました。グループワークの日や復習期間なども設定されていて、ゼミメンバーとの議論や振り返りをすることで、学びを深め知識として身につけていくことができます。
法律学は、わたしたちの生活に関わる学問です。身近なところでいえば、SNSに投稿された画像が問題になったりしますが、何が大丈夫で何がいけないのか、それも辿っていけば憲法を核に様々な法律が関わっています。憲法を知ることは、日常生活で起きる様々な事象の根源を理解するために必要な基礎知識とも言えます。

多様性の時代でも永住外国人に
参政権が認められない理由

日本で長く暮らす永住外国人の方に地方参政権を認めるべきか否かを判例や学説などで研究し、憲法との関係を踏まえて、外国人の地方参政権について卒業論文としてまとめたいと考えています。
ゼミ活動や憲法の講義を通して外国人の地方参政権が認められていないことに興味を持ちました。成蹊大学のある武蔵野市では、2021年に外国籍住民にも住民投票への参加を認める条例案が提起され否決されました。住民投票を認めている自治体はありますが、最高裁の判例では、これまで外国人の地方参政権は認められていません。
参政権は、国民一人一人の投票によって国民の意思を反映させる重要な権利です。多様性を認め合う時代になり、日常生活で他の国の方と接することは普通になりましたが、それでも、なぜ認められないのか?どうすれば認められるのか?
まだまだその背景や根拠についても知識が浅い部分もあるので、より理解を深めながら、外国籍の方とも一緒に暮らしやすい社会をつくっていくにはどうすればよいのか、研究を通して考えていきたいと思います。
先生はこんな人
いろいろな角度から学生を
サポートしてくれます
ゼミ紹介の写真撮影では、先生が真っ先に虎の被り物をして、みんなを盛り上げてくれる、そんなちょっとお茶目な面もある先生です。先生に続けとばかりに私たちも被り物をつけ、これをきっかけにゼミ生同士も和気藹々となりました。ゼミでの活動の際は、難しい事例の場合は背景の詳細を、プレゼンテーションについては丁寧なフィードバックを、質問すれば親身になって応えてくれます。時には、私たちに考える時間を与え、思考することの大切さも教えてくださいます。先生のもとで学んだことで、憲法への理解が深められ自分自身の成長を感じることができています。

藤井樹也先生
詳しく知る法学部 法律学科「英文を読む・上級憲法」