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経済地理学
─ 持続可能な地域経済社会づくりを考える ─

対象学年
3・4年次
担当教員名
小田 宏信 教授
Hironobu Oda
学びのキーワード
  • 産業立地と地域経済
  • 産業集積
  • 持続可能な地域づくり

研究の内容

産業立地や地域経済といった経済地理学が扱う諸問題について学ぶゼミです。経済地理学と言ってもかなり広い領域から構成されていますが、3年生ゼミ(上級ゼミナール)では「持続可能な地域経済社会づくりを考える」をテーマにグループ研究を主体に運営しています。
持続可能な開発目標(SDGs)の11番目に「住み続けられるまちづくり」が掲げられていますが、日本でも東京圏への人口集中と少子高齢化が続き、また自然災害も頻発するなか、大都市、大都市の郊外、地方都市、農山漁村のそれぞれが相互の交流のなかで、次世代に受け継ぐ持続可能な地域経済社会をいかにつくっていくかが焦眉の急となっています。3年生ゼミでは、国勢調査や経済センサスなど政府の地域統計の扱い方や先行事例・先行研究を学んだ上で、事例地域を決めて、地域研究を行っていきます。

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研究の進め方

3年生の前期は、地域統計の使い方や基本資料の所在等を学んだ上で、まずは各自の出身地域の地域概要や地域課題をプレゼンテーションしてもらうところから始めます。そのあと、先行事例にふれつつ、グループ毎に対象地域を決めてもらって、夏休み中までには、現地でのフィールドワークを実践します。後期には、報告書の作成と最終報告会に向けて取り組むとともに、あわせて卒業研究に向けて先行研究を講読していきます。
卒業研究は3年生の時の研究に縛られず、担当教員の守備範囲内で自由にテーマを決めてもらって構いません。国内の特定地域の特定事象を取り上げたテーマがこれまでは多いのですが、これに限らず、産業立地や地域経済、地域政策に関わることについて、新しい切り口をみつけて取り組んでもらうことも歓迎です。

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社会との関わり

このゼミの卒業生は、金融や不動産、製造関係、IT系を中心とする民間企業で活躍する人たちのほか、公務員として地方行政に携わる人たちや、大学教員として経済地理学を教える人たちまで実に多様です。共通して言えることは、産業活動の現場や地域という現場を見つめる眼を持っていること、また、ゼミ活動や研究の過程で他の人と関わる力を身につけていること(正確に言えばこういった志向が他の人よりも強いこと)、こんなことが社会に出る時に評価されているのかと思います。ゼミで学んだ内容を社会に出てから直接的に活かせるというケースは少ないと思いますが、何らかの形で「グローカル」な経済社会の担い手として活躍してもらえることを期待しています。

ゼミ・研究室の魅力

  • フィールドワークができる
  • ⽂献を読み解く力が身につく
  • プレゼンテーション⼒が⾝につく
  • 学外の人と交流ができる
  • 研修旅行やゼミ合宿がある

卒業論文のテーマ

  • 尾道市中心市街地における空き家問題とその再生への取り組み
  • 生き残りをかけた地場産業の取り組み―愛媛県今治地域におけるタオル産業を事例に―
  • 千代田区神田の看板建築等についての調査研究―東京都心部における文化政策の可能性―
  • 山梨県富士吉田市における織物産業の過去とこれから
  • 神奈川県真鶴町における若い世代の移住起業の要因
  • 下北沢駅周辺地域における古着店の集積
  • 裏原宿およびキャットストリート地域におけるアパレル産業の分析と今後
  • 山村地域における観光客の受け入れ態勢と地元主体の観光創造について―宮崎県高千穂町を事例に―
  • 訪日外国人旅行者の地方誘客―広域観光連携の効果―
  • 大田区の基盤的技術産業における外部経済―2014年に廃業した一事業の経営と取引関係に注目して―

教員のプロフィール

小田 宏信 教授

Hironobu Oda

立命館大学文学部地理学科卒業、筑波大学地球科学研究科単位取得退学。博士(理学)。著書に『現代日本の機械工業集積』(古今書院)、『経済地理学への招待』(ミネルヴァ書房、共編著)、『日本経済地理読本・第9版』(東洋経済新報社、共編著)など。

研究分野
人文地理学、経済地理学、産業集積論、地域経済論、地域政策論、経済地誌
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