研究の内容
最近では、自然や社会のいたるところでデータに触れる場面が増えており、データに基づいた的確な判断と行動が要求されます。データとは、ただぼんやりと眺めているだけでは単なる無意味な数値でしかありません。データの背後には必ず事実が隠れており、そこにたどり着くには、データを科学するという姿勢が必要になってきます。「データの中から、いかに有益な情報を抽出するか」を念頭に置き、様々な解析方法の習得や、導き出された結果の検証法を研究しています。
研究の進め方
ゼミでは現実問題を題材に扱い、統計科学の理論と実践をつなげることを意図しています。場当たり的に進めるのではなく、考察すべき対象を正確に捉え、そのために必要なデータは何であるかを把握し、さらには、得られたデータの的確な分析方法を考え、分析結果を正確に読み取る、という一連のプロセスを体系的に修得することを目標としています。ゼミで目指しているのは、「データを用いた謎解き」です。例えば、米国のスーパーマーケットで、おむつ売り場の近くにビール売り場を置いてみたら、売り上げがとても増えたとのことです。なぜでしょうか?また、テレビの視聴率が1%上昇したら、喜んで良いのでしょうか?テーマ選定は、身近な疑問から始めることを意識しています。
社会との関わり
近年は、データを正確に読み解き、人と社会に還元させていく能力が必要な時代になっています。同時に、バックグラウンドの異なる人達との的確なコミュニケーション能力も併せて不可欠となっています。これらの能力は就職後も、より一層強く要求されます。企業が売り上げを上げるには、自社の製品やサービスを向上させる必要があります。そのためには、アンケートデータ等を通して、顧客のニーズを正確に把握し、今後の企業戦略に反映させていく能力が必要となります。チームとして考えをまとめ上げ、伝えていく能力は、大学時代に特にゼミ活動においてのプレゼンテーションやグループワークを通して養っていくのが最適だと思います。
ゼミ・研究室の魅力
- ⽂献を読み解く力が身につく
- プレゼンテーション⼒が⾝につく
- 論理的な思考力が鍛えられる
卒業論文のテーマ
- アンケートデータ解析
- 業界分析
- スポーツデータ解析
- ヒット商品調査
- 不動産データ分析
教員のプロフィール
井上 潔司
Kiyoshi Inoue
大学の学部時代には電気工学科で青色レーザーの研究に携わっていました。データを通して新たな知見を得ることで、真理へと接近していくプロセスに魅力を感じ、大学院進学時に統計学を専攻しました。
- 研究分野
- 統計科学、離散分布理論、統計的推定理論