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プログラミング言語研究室
- 対象学年
- 3・4年次
- 担当教員名
- 千代 英一郎
- Eiichiro Chishiro
- 学びのキーワード
-
- プログラミング
- 知的情報処理
- 自動化
- 情報発信
- > Webサイト
研究の内容
本研究室では、深層学習を土台とした先端的なAI技術のうち、とくに大規模言語モデルや視覚言語モデルに代表される基盤モデルを中心に、人手不足や働き方の問題などの社会課題を解決する自動化技術の研究を行います。複数のモデルやツールを連携させることで、これまで人手に頼っていた複雑な判断や長い手順の自動化が現実的になりつつあり、「今までできなかったことが急にできるようになっていく」おもしろさを、実際のシステムづくりを通して日々の研究の中で体感することができます。また,実際にカメラやマイクなどの各種センサから得られる外界情報と、モデルが内包するこの世界の一般常識や知識を組み合わせて今どこで何が起きているのかを理解し、「次にどう動くべきか」を判断し行動する、といった一連の過程を担う知的システムを設計・実装し、実際の現場や日常生活で役立つ情報処理のしくみを探究します。
研究の進め方
3年次には、演習を通して本研究室で扱うAI技術の基礎とプログラミング力を身につけ、文章や画像を題材とした課題に取り組みます。その後、カメラやマイク,LiDARなどの各種センサを備えた実機を用いて、計測したデータから状況を読み取り、意思決定から行動までをつなぐ一連の流れを体験します。4年次には、教員と相談しながら自分の卒業研究テーマを定め、定例ゼミでの発表と議論を重ねつつ、屋内外での評価や実証実験イベントへの参加も視野に入れながら研究を進めます。これまでに身につけた知識と技術を総動員して、身近な場面で役立つ自動化システムを自分たちの手で作り上げる一年になります。
未来の研究室生へ
本研究室では、少人数のグループで相談しながら、身近な場面で役に立つ自動化システムを一から作り上げる経験を大切にしています。ロボットや各種センサと先端的なAI技術を組み合わせて、キャンパスでの移動や荷物運び、図書館の返却作業、フードコートや家庭での片付け支援など、「自分たちのまわりにあったら便利そうなしくみ」を形にしていきます。こうした設計・実装・実験・発表までの流れを通して、社会に出てからも通用する問題解決力や段取り力、コミュニケーション力が身につきます。プログラミングやモデルの扱いにまだ自信がない人でも、3年次の演習やグループ開発を通して少しずつ慣れていけるように進めていくので、「暮らしやキャンパスをちょっと便利にする仕組みを自分たちの手で作ってみたい」と思う人を歓迎します。
ゼミ・研究室の魅力
- 基盤モデルなど最新のAI技術を活かしたテーマに取り組める
- センサや実機を用いて現実の世界で動くシステムを作って試せる
- キャンパスや日常生活など身近な場面を題材に研究を進められる
- 教員やメンバーと相談しながらアイデアを形にしていく経験ができる
- 設計・実装・評価・発表までプロジェクトの一連の流れを通して学べる
卒業論文のテーマ
- 図書返却を手助けする自動追従台車の開発
- 3次元点群にもとづき環境を把握する自動追従ショッピングカート
- 自律走行ロボットによる飲食店での自動配膳システム
- 混雑度を考慮した大学構内の自動配送システム
- 視覚言語モデルと意味情報付き地図による自動巡視ロボットの対話型ナビゲーション
- 他作業者の動線を考慮した物流ピッキング作業向けAR経路ナビゲーション
- 基盤モデルを用いた視覚障がい者の探し物支援システム
- RTK測位情報にもとづく艇の動きの分析による漕艇技術支援
学生の視点: 学生からの研究室紹介
あなたの研究室を紹介してください。
視覚言語モデル(VLM)による自律走行ロボットのシステム開発
千代研究室では、生成AIや画像認識などの先端技術を組み合わせて「社会に役立つ自動化技術」を実現する知的システムの研究を行っています。私自身の研究テーマは、画像と言葉を同時に扱える視覚言語モデル(VLM)を用いて画像から状況を理解し、次に取るべき行動を推論する「自律行動システム」の開発です。この研究室では、実機のロボットを動かして研究ができるので、実際に自分で作成したプログラムを実行してモノが動くという検証結果と、大きな達成感を得ることができます。
卒業研究は、ファストフード店などで、従業員の負担を減らすためにバッシング(片づけ)を行う自律走行システムの開発に取り組んでいます。地図と座標を使ってローバーという車輪型ロボットに経路を指示するのですが、現実は想定通りにはいきません。検証実験をすると、室内のものや配置、レイアウトの変化に対応しきれずに、椅子などに衝突してしまうこともあります。このような事象をどうやって解決するか。先生と一緒に学生も意見を出し合いながら研究を進めています。
先生はどんな人?
学生自身が問題を理解し、考える力を伸ばしてくれる先生です。
千代先生は、私たちの『わからない』に対して簡単に答えを出すのではなく「まずこうやって考えてみれば?」と提示しながら、全力でサポートしてくれます。また研究室の配属の際に学生一人一人と面談し、今後の進路や研究はもちろん、部活動やアルバイトについても親身に相談にのってくれました。研究室に学生の好きなぬいぐるみがたくさん置いてあるのも、学生とのコミュニケーションを大切にする千代先生の人柄だと思います。私が自分のペースを大切にしながら、研究と部活動の両方に前向きに取り組むことができているのも、先生のおかげです。
教員のプロフィール
千代 英一郎
Eiichiro Chishiro
日立製作所システム開発研究所を経て、2013年より成蹊大学理工学部に着任。博士(情報理工学)。言語処理系、プログラム解析・検証、データベース、知的情報処理等の研究開発に従事。情報処理学会・ソフトウェア科学会・人工知能学会・ACM等に所属。
- 研究分野
- プログラミング言語、データベース、知的情報処理