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モデルを通して問題解決を目指す、
オペレーションズ・リサーチ
- 対象学年
- 3・4年次
- 担当教員名
- 関谷 和之
- Kazuyuki Sekitani
- 学びのキーワード
-
- 最適化
- モデリング
- 意思決定
研究の内容
オペレーションズ・リサーチ(OR)は困っていることを数学モデルとコンピュータを用いてスマートに解決する学問です。ORは、課題の分析や問題解決に向けて、計画を立案実施し、または意思決定を助ける手法を研究します。ORが対象とする問題は工学分野に限りません。ORで開発された手法の1つに意思決定法であるAHPがあります。AHPは、製品の機能改善目標の設定、街づくりにおける課題の優先付け、宣伝広告における業者選定、国家エネルギー基本政策の検討など、幅広い分野で活用されています。このように、ORは応用する分野にはこだわりがない横断的学問です。そのため、本研究室では、学生の興味あるテーマから卒論・修論を指導しています。テーマにおける課題を分析・モデル化して、解決するために必要なデータを収集し、コンピュータの計算力を活用して最適な解決策を探索します。

研究の進め方
ORの手法を習得し実問題を解決するためには、数学モデルとモデルを解く計算方法を理解することが必要です。3年生ゼミでは週1回集まってORのテキストを読んで、理解したことを発表します。毎週の発表は事前に割り当てられたゼミ生が担当します。テキストに記載された数学モデルを、ゼミの友人がわかるように、電子黒板を使って説明します。また、テキストにはプログラムコードに記載されていますので、実際にプログラムを実行して、計算結果を議論します。このようなゼミ活動を通して、OR手法の理解と実践力を身に着けます。4年生では、それぞれのゼミ生が興味あるテーマを選定し、OR手法の開発・適用することで問題解決を目指します。ゼミ活動で得た研究成果を卒業論文や修士論文としてまとめるだけでなく、学外でも発表する機会もあります。多くの学生が対外試合に臨んでくれることを楽しみにして指導してます。

未来の研究室生へ
高校数学をマスターすることで、数学の入試問題を正確に効率的に解くことできます。その知識とテクニックをORと結びつけてさらに発展させることで、データがあふれる社会においてスマートに解決できる課題はたくさんあります。その一例として、行政におけるインフラ整備計画、緊急時の鉄道ダイヤ再スケジュール立案、アルバイトのシフト作成、電力需要予測、物流の配送計画、工場における生産計画などが挙げられます。これらの課題は入試問題のように明快な問題文が最初から与えられているわけではありません。効率化・最適化が望まれる様々な課題を問題文に落とし込むセンスと柔軟に解決するデータ分析力を、ゼミ活動を通して磨きます。モデリングセンスとデータ分析力は、変化のスピードが加速度的に増す将来でも的確で迅速な意思決定を支える上で、ますます重要になります。高校数学を入試問題の解決で終わらすのでなく、未来を生き抜く力の第1歩にしませんか?
ゼミ・研究室の魅力
- ⽂献を読み解く力が身につく
- プレゼンテーション⼒が⾝につく
- 論理的な思考力が鍛えられる
卒業論文のテーマ
- W杯地域出場枠の競争的配分
- DEAを用いた種牡馬への評価:AEIとの比較
- プロ野球チーム攻守別の戦力測定
- 改善余地発見に対するDEAモデルの提案とJ1クラブ経営改善への適用
- 最短距離DEAにおける単調性の検証
- 一対比較行列の整合性と5段階スケールの検討
教員のプロフィール

関谷 和之
Kazuyuki Sekitani
筑波大学社会工学研究科(93年)博士取得。東京理科大(93〜96年)、静岡大学(97~18年)、東京理科大(19〜22年)。「基礎数学 Ⅳ. 最適化理論」(共著)、「サービスサイエンスの事訳 = Methods of Service Science : データサイエンスと数理科学の融合に向けて」(共著)など。
- 研究分野
- 組織に対する的確な改善目標と質保証された効率性測定を両立するDEA理論の構築、対称性による双方向評価のモデル構築と分析法の開発、相互評価システムに対する最適化モデル分析の開発