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ヒューマンファクター研究室
─ 人間の視覚・行動特性の分析と人間にとって役立つ製品・システムの設計 ─

対象学年
3・4年次
担当教員名
竹本 雅憲 准教授
Masanori Takemoto
学びのキーワード
  • 人間工学
  • 自動車
  • スポーツ

研究の内容

人間工学やヒューマンファクターズは、ものを見る、判断する、行動することに係る人間の諸特性や、ヒューマンエラーの特徴・要因を分析して、安全で快適なものづくりを目指す研究分野です。
本研究室では、自動車事故防止という社会の課題に対して、自動車の運転シミュレータを用いて人間を対象とした実験を行い、自動車ドライバの不安全な運転行動の特徴を詳細に分析して、それらを安全にするための運転支援システムや自動運転システムを設計して安全面での効果を評価します。自動車の運転シミュレータは大型TVディスプレイにより315度の視界が得られ、高速道路や市街地などの多様な道路での視環境での運転を模擬できます。また、VRゴーグルを用いた自転車シミュレータも所有し、自動車だけでなく自転車の運転者に関する課題にも取り組んでいます。
近年では、サッカーやバレーボールなどの球技スポーツ選手に関して、ボールを蹴る、打つなどのプレー前の視線や状況判断の特性を分析して、情報収集や意思決定に着目した指導方法に関する研究も行っています。

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研究の進め方

社会における問題や新しい技術の動向を踏まえて、研究室や学会などの先行研究から課題を見出し、その中で明らかにすべき人間特性や、既知の人間特性に合わせて設計された製品やシステムの効果に関して仮説を立てて、研究テーマを決めます。研究活動の年間計画としては、前期に研究テーマの決定、実験機器の操作方法の習得、実験デザイン(実験方法などの計画)を実施します。後期に予備実験、本実験を実施して、実験データを分析して総括し、研究論文を作成します。研究室全体で進捗状況を報告、議論し合うミーティングを週に一度、指導教員と個別に研究活動の相談や議論を行うミーティングを二週に一度、実施します。また、年間に四回程度の中間報告会を実施します。ミーティングや報告会ではいずれもプレゼンテーション資料を準備し、それらを通してプレゼンテーションや議論のスキルを身に付けることを目指します。さらに、大学院生と意欲のある学部生は、関連学会での口頭発表を行います。

社会との関わり

様々な新しい技術を搭載した製品やシステムが出てくると、人間と機械(製品・システム)の関係性が変わります。人間工学は、知覚・判断・行動などに関する人間の諸特性を詳細に分析して、人間を中心として製品やシステムを設計する学問です。研究室での活動により、このような人間の諸特性に関するデータを記録するための実験について、実験のデザイン、実験の実施、データの分析およびまとめ方に関する知識・スキルを習得することが出来ます。また、指導教員は企業での経験を活かしてプレゼンテーションスキルの指導に力を入れており、人間工学や認知工学の観点から見やすく分かりやすいプレゼン資料を作成できる学生を育てます。これらの力の習得により、人間工学に基づく製品設計・開発に携わる仕事や、システムエンジニアやコンサルタントなど人間と情報システムに係る仕事に役立てることができると考えます。

ゼミ・研究室の魅力

  • プレゼンテーション⼒が⾝につく
  • 学外の人と交流ができる
  • 論理的な思考力が鍛えられる
  • 研修旅行やゼミ合宿がある

卒業論文のテーマ

  • 自動運転からの運転交代時における不安全行動の分析と支援システムの設計
  • 周辺視野を利用した手がかり刺激による自動車ドライバの視線誘導インタフェースの設計
  • 自動車の運転行動と生理指標に基づく焦り時運転の検出
  • 運転支援ステム設計のための自動車ドライバのヒヤリハット事例分析
  • 情報通信を利用した自動運転車と自転車のインタラクションシステムの設計
  • サッカー選手のスルーパス実行時における視線特性の分析と指導方法の提案
  • バレーボール選手のスパイク実行時における視線特性の分析と指導方法の提案

教員のプロフィール

竹本 雅憲 准教授

Masanori Takemoto

慶應義塾大学大学院理工学研究科で博士(工学)を取得。奈良先端科学技術大学院大学、豊田中央研究所の研究員を経て現職に至る。自動車事故防止に向けて、自動車運転シミュレータを用いて実験を行い、運転行動の分析、運転支援システムの設計の研究に携わる。

研究分野
ヒューマンファクターズ、人間工学、ユーザ中心設計、安全システム、ユーザビリティ、ヒューマンインタフェース
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