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ソフトウェア研究室

対象学年
3・4年次
担当教員名
甲斐 宗徳 教授
Munenori Kai
学びのキーワード
  • 並列分散処理
  • ソフトウェア設計開発
  • VRによる仮想教室システム

研究の内容

本研究室の柱となるテーマは並列・分散処理に関するソフトウェアの技術開発です。情報系の学部教育で学ぶプログラミング技術はほとんど逐次処理と言って、CPUをひとりの人間に例えると、プログラムに記述されたすべての仕事をひとりでひとつずつ順番に処理していく方法に限られているのが現状です。最近のCPUはマルチコアになっていて、ひとつのCPUの中に複数の人間が入っているようなもので、ひとつのプログラムの中をその人たちが協力して同時に処理を進め、逐次処理よりも高速に結果を求めることができます。ただ、この複数の人が協力して仕事を高速に完了させるための様々な戦略が必要になるのです。ひとりでは手早く処理するのにも限界がありますので、いわば複数の人が協力して仕事をこなすのと同様なソフトウェア技術が必要で、現存のマルチコアCPUを持ったコンピュータやそれがさらにネットワークに複数接続されているコンピュータ環境で、大規模な並列処理や分散処理を行うことができるソフトウェア技術の研究をしています。他にもVRを用いた仮想教室システムを作るなど、並列・分散処理以外のテーマについても研究しています。

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研究の進め方

研究室内の研究テーマはプロジェクト形式で、そのテーマを希望した卒研生や大学院生がチームを作って継続的に研究を進めます。3年次後期に新しく研究室配属された学生は、卒研テーマの大部分に共通となる並列プログラミングを実習を含めて半年間学修します。4年次に向けて最も興味を持った卒研テーマを選び、そのチームの先輩から今後の研究の種を含めて引き継ぎし、自身の研究に入っていきます。このときに大学院に進学する場合には、その年数分も考えて研究目標を指導教員と相談して立て、ソフトウェア設計からプログラミングの作業を進行していきます。チーム全体でひとつのシステムになるものも多いので、互いに情報交換や相談をしながら開発します。週1回自身のチーム以外の研究室メンバにも進行状況をプレゼンし、研究室内全体の研究のポイントや解決方法などの知識を共有します。前期終了付近でメンバ全員が中間報告会で他の研究室の教員にも発表を聞いてもらい、参考意見や今後の研究に向けてのアドバイスを受けます。それらを参考に4年次後期にさらにプログラミング、ソフトウェア開発を行い、年度末に卒研発表会でコースの教員や学生たちの前で研究成果を発表します。

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未来の研究室生へ

ソフトウェア開発はそれ自体がひとつの専門分野ですが、それに携わる人は、開発するシステムの利用者に提供するため、それらの利用者の専門分野の話をよくヒアリングして、ソフトウェアの設計を詰めていき、作成に取りかかります。従いまして、色々な専門分野の人たちと連携しながら仕事をすることが多く、柔軟な思考力と異なる専門分野の人たちとのコミュニケーション能力が重要です。研究室内では比較的狭い範囲ではありますが、社会に出てからの作業の縮図を十分に経験してもらい、開発の難しさ以外に、問題を解決する楽しさも感じながら、産業界に旅立つ準備を進めていきます。決められたことだけをやる、のではなく、自主的・積極的に自身の興味を広げ、問題解決に向かう力を身につけようとする意思を持って研究室に来てもらえることを期待しています。

ゼミ・研究室の魅力

  • ⽂献を読み解く力が身につく
  • プレゼンテーション⼒が⾝につく
  • 学外の人と交流ができる
  • 他のゼミ・研究室⽣との交流がある
  • 語学力が身につく
  • 論理的な思考力が鍛えられる
  • 研修旅行やゼミ合宿がある
  • 学会発表を通じて物怖じしない度胸を身につける

卒業論文のテーマ

  • タスクスケジューリング問題解決
  • プログラムの自動並列化トランスレータ
  • VRによる仮想教室システム
  • 自律型並列分散処理システムAgentSphere
  • 機械学習の応用
  • 各種アプリケーションの並列化による高性能計算

教員のプロフィール

甲斐 宗徳 教授

Munenori Kai

1988年3月に早稲田大学で博士課程を修了し、すぐに成蹊大学に着任いたしました。趣味はテニスとスキー、特技は書道です。研究室の研究テーマはいずれも自分の強い興味の対象なので、学生と一緒に社会に役立つ成果を実現していきたいです。

研究分野
ソフトウェアの設計および開発、プログラミング技術、並列・分散処理ソフトウェア技術、最適化問題解決(タスクスケジューリング)用アルゴリズム開発
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