研究の内容
遺伝子を設計図として生産されるタンパク質は、体の中で様々な役割を果たす生命分子です。実はこれらのタンパク質の多くは合成後に、リン酸や糖などでさらに修飾され、ドレスアップされたタンパク質の形で機能しています。生命機能化学研究室では、天然に存在する修飾タンパク質から非天然の修飾を受けたタンパク質まで、合成という「化学の力」を利用して独自の分子(ネオタンパク質)の創成を目指しています。化学の力を使うと、例えば鏡写しにしたタンパク質のように、自然界には存在しないタンパク質の合成も可能です。このようなユニークな分子を利用することで、生命現象を理解し制御するための基礎研究や、新しい薬の開発などの応用研究に挑みます。
研究の進め方
指導教員が年度毎に研究テーマ案を紹介し、相談(希望)の上、各自の卒業研究テーマを決定します。テーマ決定後は学生毎に指導教員と相談しながら研究計画をたて、各自で実験を行います。随時相談しながらではありますが、基本的にはテーマにそって学生の自由な発想で日々の実験を進めてもらいたいと考えています。また、学生間でお互い情報交換するなど、コミュニケーションを大事にしてもらいたいと思います。研究成果は学内の卒業研究発表会で報告します。成果によって国内外での会議でも発表が可能です。研究は世界共通のものです。せっかくやるからには高い目標をもって、楽しみながら取り組んでもらいたいと思っています。
未来の研究室生へ
「研究」という言葉は魅力的でありながら、実はよくわからない言葉ではないですか?実際には継続性と根気が必要な地道な作業です。分野によっては毎日なんらかの実験をする必要があります(当研究室の分野もそれの一つと言えるでしょう)。でもその一つ一つが、小さいけれどだれも知らない新しい一歩になります。科学はみんなに平等です。いつ、だれが、どんな新しい発想と発見するかはわかりません。新しい発見はその一歩一歩の積み重ねで到達できる頂です。みなさんが踏み出すその小さな新しい一歩が世界を変えるかもしれません。一生の内の少しの時間、そんな世界に没頭してみませんか?
ゼミ・研究室の魅力
- ⽂献を読み解く力が身につく
- プレゼンテーション⼒が⾝につく
- 学外の人と交流ができる
- 他のゼミ・研究室⽣との交流がある
- 論理的な思考力が鍛えられる
- 研修旅行やゼミ合宿がある
教員のプロフィール

岡本 亮
Ryo Okamoto
2009年横浜市立大学大学院博士後期課程修了後、 日本学術振興会海外特別研究員としてシカゴ大学にて研究に従事。2010年大阪大学大学院理学研究科助教、2017年同講師、2023年同准教授を経て、2024より成蹊大学理工学部理工学科准教授。
- 研究分野
- 生物有機化学、タンパク質化学、糖質化学、有機化学