Home 理工学部 │ コンピュータ科学専攻
知的インタフェース研究室

- 対象学年
- 3・4年次
- 担当教員名
- 中野 有紀子
- Yukiko Nakano
- 学びのキーワード
-
- 人工知能
- ユーザインタフェース
- 会話エージェント
研究の内容
対面コミュニケーションでは、言葉だけでなく、音声の韻律、表情、視線、ジェスチャ等の非言語情報が会話参加者間で互いにやり取りされます。意味を伝えるのは主に言語情報ですが、非言語情報はそれを円滑、かつ正確に伝える重要な役割を持ちます。このような、会話中の言語・非言語情報を解釈する人間の社会的知性の計算モデルを構築し、それを実現する人工知能の研究を行っています。さらに、社会的知性の計算モデルを搭載し、言語と非言語情報を解釈・表出しながら人と会話ができるロボットやアニメーションエージェントの開発にも取り組んでいます。これらの技術開発を通して、人に寄り添い、人の手助けとなる人工知能を実現したいと考えています。

研究の進め方
人の言語・非言語コミュニケーションをモデル化し、会話ができるロボットを実現するために、3つのステップで研究を進めます。最初のステップはデータ収集です。会話行動のデータとして、話す内容の言語情報に加え、表情、ジェスチャ、視線、姿勢等、様々な非言語情報を収集します。その為に、様々なセンサや画像処理による認識技術を用います。次に、収集したデータを分析し、さらに人工知能の技術である機械学習を用いて会話や会話者の特性を予測する学習モデルを作成します。そして、最後のステップはユーザインタフェースとして、アニメーションエージェントやロボットに学習モデルを搭載し、その効果を評価します。

社会との関わり
AIスピーカーやAIチャットなど、人とコミュニケーションができる人工知能の研究は急速に発展しています。知的インタフェース研究室では、人とのより自然なコミュニケーションを可能にする知的なインタフェースの実現を目指し研究を進めています。具体的には言葉だけでなく、表情、ジェスチャ、視線、姿勢等の非言語情報を理解し、表出できるロボットやアニメーションエージェントの開発です。高度な研究を進めるために、他大学や企業、海外の研究機関との共同研究も積極的に進めています。大学院に進んでより深く研究することも視野に入れて研究に取り組んでもらっています。
ゼミ・研究室の魅力
- プレゼンテーション⼒が⾝につく
- 学外の人と交流ができる
- 論理的な思考力が鍛えられる
卒業論文のテーマ
- Web-based傾聴エージェントシステムにおけるジェスチャ生成
- ユーザ感情に適応したマルチパーティー雑談対話システム
- エージェントにおける身体表現の多様性と自然性の向上
- 動機づけ面接法における聞き返し発話の決定
- グループディスカッションにおける会話参加者の役割推定
- グループディスカッションにおける説得力の推定
- ジェスチャ生成におけるタイプ・フォームの決定と性格特性の考慮
- エージェントジェスチャによる個人特性の表現
- マルチモーダル学習モデルに基づく相槌的応答における言語表現と表情の決定
- 学習エンゲージメント推定モデルを用いた学習支援システムの提案
教員のプロフィール

中野 有紀子
Yukiko Nakano
2002年MIT Media Arts & Sciences修士課程修了。JST社会技術研究開発センター専門研究員、東京農工大学大学院工学府特任准教授、成蹊大学理工学部情報科学科准教授を経て、現在、同学科教授。博士(情報理工学)。
- 研究分野
- 人工知能、会話エージェント