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国立研究開発法人科学技術振興機構 創発的研究事業

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三浦正志教授の共同論文が英科学誌 Nature Materialsに掲載

理工学部/大学院理工学研究科 三浦正志教授(専門分野:電子・電気材料工学、電磁現象学、超伝導工学、結晶成長学)の共同論文(M. DC, et al.) 「反強磁性MnPd3における面内外スピン分極によって生じるアンチダンピングスピン軌道トルクの観測(Observation of anti-damping spin-orbit torques generated by in-plane and out of plane spin polarizations in antiferromagnetic MnPd3)」と題された研究が、英科学誌 "Nature Materials"に掲載されました。

Nature Materialsは、Nature姉妹論文の中でも材料の科学技術全般に関する最先端研究の集成を目指す学際的ジャーナル誌です。論文の影響度を測る指標であるインパクトファクターは、49.937であり、これはNature誌やScienceと並ぶ世界最高峰の論文です。

今回の研究は、三浦教授が米国スタンフォード大学の客員研究員・JST創発的研究事業研究員としてスタンフォード大学のM. Dangi Chhetri博士らと共同で行ってきたものです。近年、電子回路の低消費電力化の観点から超高速、超高密度、高耐久性の不揮発性メモリが求められています。磁気抵抗メモリ(MRAM)は、ランダムアクセスメモリの一種であり、不揮発性に加えて、高速動作、極めて高い耐久性など、大変優れた特性を持つため、世界中で研究開発が盛んに行われてきました。しかし、MRAMは既存の揮発性メモリと比べて、書き込みに必要なエネルギーが大きいという欠点がありました。一方、第二世代の書き込み技術として、強磁性層と接合したトポロジカル材料と重金属によって生成される高いスピン軌道トルク (SOT) MRAMは、次世代の磁気メモリとロジックデバイスに用いられることが非常に期待されています。しかし、SOT- MRAMを介して磁化を切り替えるスイッチングには、外部磁場が必要でした。
そこで本研究では、トポロジカル絶縁体として高温まで安定かつこれまで報告例のないMnPd3薄膜を選び、MnPd3薄膜の結晶性・構造を制御し、それらがスピントルク効率やスピンホール伝導率に及ぼす影響を調べました。その結果、驚くべきことに、室温において新しいにメカニズムで理解されるトルクを介して、完全な外部磁場のないスイッチングを実証しました。本研究で創製した新しい材料は、超高速磁気メモリおよびロジックデバイスで実用的なスピンチャネルを実現する道を提供します。

三浦正志教授の英科学誌 Nature Materials掲載ページはこちら(外部リンク・英語サイト)

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