「文学研究」とは「人間研究」
自分の言葉で誇りを持って語ろう

[文学部 日本文学科|4年生]

2022.08.01

所属するゼミ
平野多恵先生のゼミ「ひらのゼミ─古典をおもしろく─」
興味を持ったきっかけ
古典と日本史が好きで、両方を掛け合わせた研究ができそうだった。
ゼミの魅力
新たな価値観を発見し、人間として成長できるゼミ。
将来のビジョン
勉強の過程で得たものを生かし、「好き」を仕事にしたい。

自分の言葉で伝える経験を積み重ねる
ことで、自信が生まれる

3・4年生の合同ゼミ。毎年、中世日本文学の中の一作品をテーマにし、授業の時間は主に3年生の発表と議論、先生の指導を通じて知見を深めていきます。2021年度は『今昔物語集』の陰陽師が登場する説話、2022年度は御伽草子の『鼠草子』がテーマ。4年次の卒業論文は各個人の興味で自由にテーマを決め、ゼミで中間報告をします。授業外での面白い活動は「せいめい歌占(うたうら)」。江戸時代の和歌占いの本に基づいて、サイト(開運☆せいめい歌占)に寄せられた悩みについて和歌を用いてゼミ生が回答していきます。

ゼミには議論の場が多くあり、ゼミ生たちは「自分の意見を伝える」経験を積み重ねていきます。個性豊かな人たちが集まれば、意見が違うのは当然。ゼミは「個を否定しない」ことがモットーなので、皆、自分の意見を積極的に発言しています。自分の言いたいことを伝えるために試行錯誤するなかで、自分の発言が「個」の宿った本物の言葉になり、自信が生まれます。この経験は社会に出てからも、役に立つはずです。

【こちらのサイトもご覧ください】
成蹊大学ひらのゼミ
開運☆せいめい歌占

中世文学に登場する箱根は
「温泉」のイメージではなかった!?

「箱根の文学史」という題目のもと、箱根を描いた文学作品を研究し、当時の人々にとって箱根とはどんな存在だったかを、文学的視点から調査しています。箱根に温泉が開拓されたのは江戸時代の話で、中世頃の作品には、箱根神社が頻繁に取り上げられています。人々の中にあった「箱根=神社」がどんな過程を経て「箱根=温泉」というイメージに変わったのか、そしてそこから現代における箱根旅行の新しい側面が見えてくるのではないかと考え、研究を始めました。

文学研究とは、ただ単に作品だけを読んで考察するのではなく、作者がその言葉を選んで紡いだ背景を、歴史的資料などから推察することも含んでいます。研究対象は文学作品自体ではなく、その先にある文化、さらに「人間」という生き物の存在なのです。先行研究をなぞっただけの論文ではなく、自分だけが持っている視点で作品を見つめ、独自性のある論文を目指したいと心がけています。

先生はこんな人

「好き」の強さに感心します!

バイタリティにあふれ、好きなものがたくさん。しかもそれぞれの「好き」に対してとても詳しいです。特におみくじは「好き」がそのまま研究対象になっていて、「好き」の力の偉大さを感じます。学生に対しても、本人の意志や希望を尊重し、常に「なんでもやってみよう」精神。そのための手助けは惜しみません。進路について相談したときは、「もっといろいろな可能性を考えてみたら?」と言われ、価値観や考え方に広がりを与えていただきました。

平野多恵先生

平野多恵先生のゼミについて
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文学部 日本文学科「ひらのゼミ─古典をおもしろく─」
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