人体の生命活動に関わる存在
「糖鎖」のしくみを解き明かす

[理工学部 物質生命理工学科*|4年生]
*2022年4月より理工学部は1学科5専攻に改組しました

2022.08.01

所属するゼミ
戸谷希一郎先生の研究室「生体分子化学研究室」
興味を持ったきっかけ
人の生命活動に関する化学に興味があり、「糖鎖」の存在を知ってひかれた。
ゼミの魅力
まだ完全には解明されていない第3の生命鎖「糖鎖」に挑む。
将来のビジョン
まだ誰も知らない、人の役に立つことを見つけて世間を驚かせたい。

毎日の研究室生活の中で
自然にディスカッションが生まれる

「糖鎖」をメインテーマとし、そこから各々さまざまな切り口で研究しています。例えば、糖鎖が関係している病気について、なぜそうなってしまうのかを解明したり、病気の治療や早期診断に使えるものを合成するなどです。学生3~4人のユニットごとに週1回、実験結果と考察を先生も含めてディスカッションをします。また月1回の研究報告では、自分の行った実験結果や今後の予定についてスライドショーを用いて発表。活発な意見交換が行われます。

毎日の研究室生活で、先輩方と自然に実験の話になり、いろいろなアドバイスをいただくなど、お互いが高め合っている雰囲気があります。この研究室に入ってから常に、物事に対して「どうしてそうなっているのか」「こうなっている理由が何なのか」を考える姿勢が身につきました。実験結果の見方によって得られるデータが違うので、研究者の目を持つことが大事です。「教科書を書き換えるつもりで研究する」という気持ちで、日々取り組んでいます。

予想結果が合っていても違っていても
研究にはやりがいを感じます

抗体医薬品というものがあり、その効果は抗体医薬品についている糖鎖の種類で決まります。しかし現在販売されている抗体医薬品は糖鎖がバラバラなので効き目もバラバラです。「この糖鎖がついているとよく効く」というのは分かっているので、その糖鎖につけ替えて、どのような効果があるのか確かめます。抗体医薬品をテーマに研究しているのは現在私一人だけ。最初は実験のやり方や考え方がわからず、先生や先輩に聞くことも多かったです。

自分の解明したいことをゴールにして大まかな計画を立て、先輩方の知見や論文誌などを元に達成方法を模索します。一度で上手くいくことは少ない上に、今までの勉強のように答えが分かっているわけではなく、点と点を線で結ぶような力が求められるので、常に考えなければなりません。悩んで出した答えが合っていた時は嬉しいし、予想外の結果が出てもそれはそれで楽しく、それもやりがいだと思っています。研究に行き詰まった時は、運動して、体をリセットしています。

先生はこんな人

長年の経験と勘で研究が深まります

先生の長年の経験と勘を尊敬しています。実験が思うように進まなかった時、思ってもみなかった方向から解決方法をアドバイスしてくださいました。膨大な知識量はもちろん、他の人が気づかないような点に気づく目の鋭さもあり、同じデータを見ても私は10しか情報を引き出せないのに、先生は100くらい引き出せたりします。一方、「よく遊び、よく学べ」とおっしゃるように、レガッタなどの学校行事の参加や研究室旅行など、イベントにも力を入れています。

戸谷希一郎先生

戸谷希一郎先生の研究室について
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理工学部 理工学科 応用化学専攻「生体分子化学研究室」
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