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生体分子化学研究室

対象学年
3・4年次
担当教員名
戸谷 希一郎
Kiichiro Totani
学びのキーワード
  • ケミカルバイオロジー
  • 生体内糖鎖生命現象
  • 疾患治療薬

研究の内容

糖鎖は生体内で細胞増殖、免疫、神経機能、シグナル伝達、タンパク質品質管理など生命現象に広く関与しています。またガンの転移やアルツハイマー病、パーキンソン病、糖尿病の発症やコロナウイルスに代表されるウイルス感染にも糖鎖が関わっています。当研究室では、合成化学的手法を用いて糖鎖関連分子プローブを創製し、これらを駆使した生体内糖鎖機能の分子レベル解析や、糖鎖関連疾患の診断や治療に資する薬剤の開発に取り組んでいます。

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研究の進め方

3年後期から研究室に配属されます。3年後期は週に1回、研究室に来て、私たちの研究室に必要な「有機合成化学と生化学の基礎実験」に取り組み、基礎的な実験スキルを修得します。また指導教員が卒業研究テーマ案について、プレゼンテーションを行い、希望テーマを募って各自の卒業研究テーマを決定します。テーマ決定後は各自、4年次における実験計画書を作成します。実験計画書が完成したら、主に4年次から本格的に卒業研究を開始します。研究の実施にあたっては、関連性の高い研究に取り組む4〜5名で研究ユニットを組み、毎朝のミーティングで互いに意見交換をしたり、大学院生の先輩からアドバイスを受けたりしながら実験します。指導教員も曜日ごとに各ユニットのミーティングに参加しますので、定期的にアドバイスできる体制を取っています。1ヶ月に1回は研究報告会を催し、研究の質を高める議論を行うとともにプレゼンテーションスキルの向上に努めます。また研究成果は学科内の教員や学生に対して、8月の中間発表会や2月の卒業研究発表会で披露します。また同じく2月に研究成果を卒業論文として提出し、合格することで卒業が認められます。

社会との関わり

研究室での学びが社会とどのように関わるのか、説明します。私たちの研究室では、糖鎖関連生命現象や疾患に関する実験を主体とした研究を通して、有機化学的手法を用いた「モノづくり」のスキルと、分子生物学や生化学的手法を用いた「機能評価」のスキルを身に付けます。これらのスキルは製薬/医療/食品/化粧品/化学等の業界における研究技術職に活かすことができます。また、答えのない研究に取り組む過程で身につけた問題発見能力や問題解決能力、プレゼンテーション能力は、研究技術職以外のさまざまな職種においても、社会の未解決問題に取り組む上で役立ちます。

ゼミ・研究室の魅力

  • ⽂献を読み解く力が身につく
  • プレゼンテーション⼒が⾝につく
  • 学外の人と交流ができる
  • 他のゼミ・研究室⽣との交流がある
  • 語学力が身につく
  • 論理的な思考力が鍛えられる
  • 研修旅行やゼミ合宿がある

卒業論文のテーマ

  • 糖脂質ミセルによる新型コロナウィルス阻害剤の開発
  • 抗がん剤の予後診断に資するカルレティキュリン蛍光標識剤の開発
  • 再構成糖鎖プロファイル法を用いたアルツハイマー病の診断
  • 糖タンパク質品質管理機能を制御する糖鎖プロセシング機能の解明
  • 糖鎖機能解析に用いる糖鎖サンプルの新規供給法の開発

先生はこんな人

長年の経験と勘で研究が深まります

先生の長年の経験と勘を尊敬しています。実験が思うように進まなかった時、思ってもみなかった方向から解決方法をアドバイスしてくださいました。膨大な知識量はもちろん、他の人が気づかないような点に気づく目の鋭さもあり、同じデータを見ても私は10しか情報を引き出せないのに、先生は100くらい引き出せたりします。一方、「よく遊び、よく学べ」とおっしゃるように、レガッタなどの学校行事の参加や研究室旅行など、イベントにも力を入れています。

戸谷希一郎先生のゼミ学生について詳しく知る 理工学部 物質生命理工学科人体の生命活動に関わる存在
「糖鎖」のしくみを解き明かす

学生の視点: 学生からの研究室紹介

糖鎖の研究で、希少疾患の仕組みに迫る

私は、体内で重要な役割を担う「糖鎖」に関する研究に取り組んでいます。対象としているのは、患者数が世界でも100人前後といわれる希少疾患です。この病気は、糖鎖がうまく分解されず体内に蓄積してしまうことが原因とされており、そのメカニズムの解明が求められています。そこで、自ら合成した糖鎖分子を用い、体内で何が起きているのかを分析しながら、発症の仕組みや改善の可能性について研究を進めています。

糖鎖研究に関心を持ったきっかけは、3年次に受講した戸谷先生の「糖鎖工学」の授業でした。基礎から学ぶ中で、糖鎖が生体内で果たす役割を理解し、その知見が新たな視点から疾患の解決につながる可能性を知りました。こうしたアプローチで社会に貢献できる点に魅力を感じ、研究の道を志しました。現在は論文化も目指し、執筆した論文を投稿しています。自らの研究成果が社会に届くことを目標に、研究を続けています。

先生はどんな人?

こんな大人になりたいなと思える先生です。

戸谷先生は、研究のときと普段のときの切り替えがすごく上手な方で、そこがとても魅力だなと感じています。研究中は、間違っているところをきちんと指摘してくださり、ときには少し厳しい意見もいただきながら、同じ目線でアドバイスをしてくださいます。でも、ひとたび研究を離れるとすごく気さくで、何気ない話もできるフレンドリーな雰囲気になります。そのギャップが素敵で、私もこんな大人になりたいなと思っています。

教員のプロフィール

戸谷 希一郎

Kiichiro Totani

'02年 慶應義塾大学大学院 理工学研究科 後期博士課程 修了
’02~’08年 理化学研究所 基礎科学特別研究員/JST-CREST研究員
’08年 成蹊大学理工学部 専任講師
’09年 同 准教授
’18年 同 教授、現在に至る。

研究分野
生物有機化学、ケミカルバイオロジー、糖鎖生物学、糖鎖工学
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