■公開日:
2021年10月25日(月)~2022年2月28日(月)
■会場:
オンライン
■主催:
成蹊大学アジア太平洋研究センター
■登録者数:330名
PV数:849回
■出演者■(敬称略)
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本企画では世界における重要課題のひとつである気候変動問題をテーマとして、朝日新聞編集局補佐の稲田信司氏と成蹊大学経済学部教授の財城真寿美氏による講演およびディスカッションが行われました。稲田氏からは気候変動に起因するリスクが「気候危機」と呼ばれるようになったこと、その対応としての「気候安全保障」という概念が国家戦略として重要視されていること、具体例として米国、中国、英国などで進められている再生可能エネルギーの開発・運用状況が説明されました。
財城氏は自然科学に基づく知見から、人類の活動が地球の温暖化に影響を与えていること、日本においても気温は上昇していること、大雨や短時間強雨は増加している一方、積雪量は減少していることが紹介されました。また、眞鍋淑郎博士(気候学)のノーベル物理学受賞についても言及されました。地球気候を物理的にモデル化し、地球温暖化の高信頼予測を可能にした業績が評価されたものであり、この背景には気候変動が「気候危機」として認識されたことがあります。
ロシアによるウクライナ侵攻をきっかけとして、石油や天然ガスなど化石燃料の安定的な供給にも懸念が広がっています。異常気象への対応のみならず、資源をめぐる地政学的な観点からも、再生可能エネルギーへの転換は喫緊の課題であることが改めて認識されました。
(CAPS主任研究員 小松寛)
記事掲載『CAPS Newsletter No.154』