「春二先生と夢の教室」は、100年の時を越えて成蹊学園の創立者 中村春二先生が甦り、『本当に大切なもの』を教えてくれるオリジナルストーリーです。春二先生が遺した教えをミュージカル仕立てで映像化し、100年の歴史を誇る本館大講堂を舞台に大迫力の3Dプロジェクションマッピングで上映しました。
2015年の成蹊小学校創立100周年を記念して製作、上映され、2024年の創立者没後100年の際に再上映されたこの作品は、観た人の心に残り続けるものとなりました。

通常版(再生時間:約15分)

Video 1

英語字幕版(再生時間:約15分)

Video 2

ダイジェスト版(再生時間:約6分)

Video 3

Story

ストーリー

蹊(こみち)を成すような
素敵な桃になりたいと願う、
まだ青い桃のこどもたち。
100年後の世界に現れた
春二先生に導かれ、
『心の力』をみつける旅に出ます。
自奮自発のもくもくの国、
個性尊重のあれあれの国、
様々な体験を経て、少しずつ大きくなる
こどもたちの前に大きな試練が!
さて、桃のこどもたちは
このピンチを乗り越え
『心の力』をみつけることが
できるのか・・・

3 key points

3つのポイント

成蹊学園オリジナル3Dプロジェクションマッピング「春二先生と夢の教室」の3つのポイントをご紹介します。
ストーリー性とエンターテイメント性の双方がふんだんに盛り込まれているこの作品の魅力を、一緒に紐解いていきましょう。

01

「成蹊学園オリジナルストーリー」

100年の時を越えて、中村春二先生と桃のこどもたちの不思議な旅がはじまる―これは、成蹊の名の由来「桃李不言下自成蹊」をモチーフに、まだ未熟な「桃」のこどもたちが、蹊を成すような魅力的な人物になるために、様々な試練に立ち向かう冒険物語。
春二先生は「人は誰でも困難を乗り越える"心の力"を持っている」と考え、生徒一人ひとりの個性を尊重し、自奮自発の精神を養う人格教育を行いました。
蹊を成すためには"心の力"をみつけなければ。桃のこどもたちは春二先生に導かれ、鍛錬の旅に出ます。旅では、さまざまな困難が...!!桃のこどもたちが一歩一歩その困難に立ち向かっていく、その姿にハラハラドキドキしながらも、いつの間にか皆さんも、桃のこどもたちと一緒に自分を見つめなおし、一人ひとりの心の奥底にある尊い心の存在に気づくことでしょう。

02

「学園大講堂がフルスクリーンとなる大迫力の3D世界」

成蹊学園では、2011年にも学園創立100 周年と大学の欅祭50回を記念し、大正時代に建てられた学園本館の外観をスクリーンに、3Dプロジェクションマッピングを実施しました。当時は、3Dプロジェクションマッピングの技術が日本国内に紹介されて間もなく、規模としても国内最大級のイベントとなりました。
「春二先生と夢の教室」は2015年に舞台を本館内の大講堂に移し、正面だけでなく、両サイド、扉、窓、天井までを使い、フルスクリーンで映像を投影しました。1924年に建てられた本館の大講堂は、窓ひとつを取っても、1枚1枚微妙にサイズが異なります。講堂内のそれらの造形物の形状に合わせ、ミリ単位、いやそれ以上の細かさで映像制作を進めなければなりません。歴史ある舞台と最先端の専門技術がコラボレーションし、世界で唯一の迫力ある3Dの世界を表現しました。

03

「オリジナルソングとキャラクターたちが不思議な旅の世界観を演出」

春二先生の教えをミュージカル仕立てで映像化。子どもから大人までが楽しめ、難しくなりがちな創立者の教えを理解しやすい内容に表現しました。シーンごとに登場する歌には、春二先生の教えが散りばめられています。子どもから大人まで、一度聞いたらすぐに口ずさんでしまい、歌っているうちにその教えを理解していく。そんな歌と台詞の数々が、桃のこどもたちの波乱万丈な旅を彩ります。
また、個性豊かな桃のこどもたちの成長も、この作品の見どころです。やんちゃな面もあるけれど、勇敢な子。からだは小さいけれど、賢さを秘めている子。泣き虫だけれど、人一倍優しい子…。見ている自分自身もシンクロできるようなキャラクターに出会えるはずです。お互いを尊重し認め合うとき、何か大切なものに気がつくことができる。時空を超えて甦った春二先生の姿や、秘かに出てくる成蹊ならではのスポットにも注目です!

5 key words

成蹊教育のエッセンス

今からおよそ100年前、中村春二先生は「人は誰でも困難を乗り越える『心の力』を持っている」と考え、生徒一人ひとりの個性を尊重し、自奮自発の精神を養う独自の人間教育を行っていました。
さあ、春二先生と桃のこどもたちとともに、この物語にちりばめられた成蹊教育のエッセンスを読み解いていきましょう。

01

桃李不言下自成蹊
(とうりふげんかじせいけい)

“成蹊”の名は、中国のことわざ「桃李不言 下自成蹊」(とうりものいわざれども したおのずからこみちをなす)に由来しています。 桃や李(すもも)は、ものを言うわけではないが、美しい花を咲かせ、おいしい果実を実らせるため、自然と人が集まり、そこに蹊(こみち)ができる。桃や李は人徳のある人のたとえで、優れた人格を備えた人のまわりには、その人を慕って自然と人が集まってくる、という意味です。創立者 中村春二先生は、桃李のように素晴らしい人格を備えた人を育てようと、この名を学園に付しました。

大講堂にあらわれた桃のこどもたち。「桃李不言下自成蹊」の意味とくらべ自分たちは青くてかたくてすっぱくて、ぜんぜんステキな桃じゃないことに悩んでいました。そこに100年前の世界から中村春二先生が現れて・・・ ステキな桃になるには『心の力(こころのちから)』が必要だと教えてくれるのです。

02

心の力
(こころのちから)

『心の力』は、中村春二先生の教育理念の核となるものです。春二先生は、人はだれもが心の奥底に『心の力』をもっており、その“尊い心”の存在に“自ら気がつく”ことで、力があふれ、いかなる困難にも打ち克つことができる、としていました。春二先生が提唱した『心の力』は、近年学習指導要領に定められた「生きる力」と重なる部分も多く、複雑で予測困難な今の時代にこそ求められている力といえます。

春二先生は桃のこどもたちに伝えます。『心の力』は困難に負けないとても強く尊い心。だれもがもっていて、きみたちみんなの心のなかにあるのだよ、と。でも、桃の子どもたちにとっては、『心の力』は目に見えず、どこにあるかもわかりません。『心の力』は、その存在に自分自身で気がつかなくてはならないのです。とまどう桃のこどもたちに春二先生は「一緒に『心の力』を見つける旅にでよう」と誘います。

03

自奮自発
(じふんじはつ)

中村春二先生は、自分から進んでやってみようとする、自奮自発の精神を育む教育に力を入れていました。学びは自分自身の成長のためであるということに自ら気がつき、自発的に学ぶこと、そして、自分の心と向き合い、学び続ける力を身につける、そういった教育を実践していました。自ら進んで学ぶ力と生涯学び続ける力を身につける―現代においても重要な考え方が成蹊教育の根底には息づいています。

もくもくの国では、集中できずに飽きてしまう桃のこどもたちに、春二先生が一歩一歩自分の力で努力することの大切さを伝えます。もくもくと静かにあせらず、一生懸命集中する桃のこどもたち。そしてそれが自分のためであること、自分の力になっていること、自分の未来につながっていることに気がつくのです。

04

個性の尊重
(こせいのそんちょう)

成蹊学園の建学の精神ともなっている「個性の尊重」。中村春二先生は、100年以上も前から、当時の画一的な教育から脱却し、一人ひとりの個性を見つけ伸ばしていく、独自の教育を実践していました。そしてまた、個性を尊重する教育は、生徒同士が互いに思いやり、個性を認め合い、尊重することが何より大切であるということも教えてくれます。ダイバーシティ、インクルージョンが叫ばれる現代において、こどもたちの心の成長に必要な教えがここにあります。

あれあれの国では、炎のなか現れた鬼におびえるばかりの桃のこどもたちを、春二先生がやさしく諭します。よく見てごらん、見た目だけで判断してはいけないよ、ちゃんと中身を見ることが大事なんだ、と。桃のこどもたちは一生懸命目をこらし、目に見えるものだけではわからない大切なことに気づいていくのです。

05

たしかなあしぶみ

中村春二先生が卒業生に贈った「たしかなあしぶみ」という言葉があります。そこでは人生において大切なのは目先の変化ではなく、一足一足の確かさであると語られており、現代に生きる私たちの心にも染み入る言葉です。

ひとの世の旅路をふりかえって見ると
その道の面白さや変化が
嬉しいのじゃない
旅路をふみしめる
自身の一足一足の確かさが
大事なのである

「たしかなあしぶみ」より抜粋

物語の中ではエンディングでこの「たしかなあしぶみ」をモチーフにした歌がでてきます。

●「たしかなあしぶみ」全文はこちらより

Comments

観賞された方々の声

2024年の上映で1,400件あまりの素敵な感想をいただきました。その一部をご紹介します。

在校生より

※学年は、上映当時のものです。

1年生

はるじせんせいみたいにぼくもずっとべんきょうをずっとつづけようとおもいました。

2年生

さいしょももがみどりだったけど、ピンクになれたのは、なかまときょう力してなったと思ったので、自分もなかまときょう力したくなりました。

3年生

わたしたちが青いももだとしたら、がんばっていい色でおいしいももになりたいと思いました。わたしも心の力を一生けん命さがしたいです。もう会えないけれど、春二先生に会ってみたいです。

4年生

ぼくはこの映ぞうを見て、またさらに心の力をきたえられました。ぎょうねん※は、春二先生の心の気持ちがつまった行いなのかなと思いました。春二先生、成蹊やぎょうねん、心の力を作ってくれてありがとう!

※凝念(ぎょうねん)…『心の力』に気づくために春二先生が考案した独自の精神集中法です

5年生

私は「春二先生と夢の教室」をみて、心の力の大切さを知り、そして春二先生に大切な言葉をたくさんかけてもらったような気がしました。一番心に残った春二先生の言葉は「人も見た目で判断しない」という事です。私もよく見た目で何かを決めつけてしまう事多いので、大切にしようと思いました。他にも大切にしようと思った言葉は何個もあります。だからこの言葉通り、そして春二先生のきたいにこたえられるようにこれからもがんばろうと思っています。

6年生

僕も入学当初、まるで三人の桃のようにまだ青くて、未熟な桃でした。しかし、心の力八章暗記したり、文化祭や運動会などみんなで協力し、努力をしたり、アドバイスを出しあったり、支えあったり、時には注意したり…友達と一緒に進んで、さまざまな困難を乗り越えてきたからこそ、まだ完熟はしていないけど、入学当初より熟れている気がします。卒業するまでわずかな時間ですが、完熟したいです。

中高生

とっても楽しかったです!
中学校でも勧められてたので見れて良かったです!!

大学・大学院生

努力はすぐにはあらわれないという春二先生の言葉が心に響きました。

大学・大学院生

思った50倍、いや、100倍楽しかったです!

大学・大学院生

何気ない毎日の中に大切なことがあってそれをミュージカルのように楽しく、忘れていた大切な何かを思い出させてくれるような…音楽やビジュアルが綺麗でアートってほんとに素晴らしいです。頑張る力を貰えました!

受験生、卒業生、保護者、
一般の方々より

受験生

ディズニーランドや劇団四季みたいに綺麗な映像だった

受験生

心の力を家族の合言葉にしたいと思います。

受験生ご家族

受験生である息子も大変わかりやすく、終わった時から教えの内容、そしてもくもくと取り組む大切さについて質問してきており、親子の楽しい会話の中で成蹊学園の教育理念について学ぶことができました。

受験生ご家族

受験生の娘と一緒に鑑賞しました。成蹊学園の魅力が、言葉で伝えるより、映像と音楽でより子供に伝わりやすかったと感じました。大人も感動しながら見させていただきました。

卒業生

素晴らしくて、当日券もいただいて、2回見ちゃいました!

卒業生

感動のあまり涙が出ました。成蹊に学んだことを誇りに思います。

在校生ご家族

素晴らしいアトラクション感覚のお話、歌で語りかけるなど、子どもも大人も分かりやすく楽しく拝見させて頂きました。ちょっと涙しちゃう言葉もあり大人でも頑張ろうと改めて感じさせてもらいました。綺麗でした。

近隣住民

春ニ先生の教えは心の支えになります。近隣住民としてその思いを日々感じさせていただいています。

その他

とても、プロジェクションマッピングが綺麗で中村春二先生が魅力的!元気もらえました。
今、新しい仕事のために勉強を初めて、不安だったので、大人でも勉強する事、一歩一歩進む事の大切さを改めて教えて頂きました。また、開催してください。

企画・製作
学校法人 成蹊学園 企画室広報グループ

統括プロデューサー
福原哲哉(NHKエンタープライズ)

企画・構成
上嶋萌(NHKエンタープライズ)

制作プロデューサー
小嶋 寛郎(STEADY Inc.)

脚本・演出
上田大樹(&Fiction)

音楽
コニシユカ

キャラクターデザイン
アダチマサヒコ

キャラクターアニメーション
sankaku

背景モーションデザイン
野田秀徳・常橋岳志

声優
先生 鈴木琢磨 モモ(絆創膏)澁谷梓希
 モモ(メガネ)田中あいみ モモ(リボン)長谷美希

投影
エス・シー・アライアンス

施工
シミズオクト

記録映像 撮影・編集
佐藤亜美