大正自由教育
-新教育運動-
成蹊学園刊行の月刊誌(大正期)


1911(明治44)年10月中村春二は小林一郎先生等と月刊誌『こかげ』を発刊しました。翌年の成蹊実務学校の創設を報じ、設立趣意書を掲載したもので、学園の最初の月刊誌となりました。教育文芸誌『こかげ』は1915(大正4)年1月で終刊し、同年4月、小学校の開校を機に、成蹊教育の機関紙として『新教育』を創刊しました。
以後、1920年に『母』と改題し、1年後には、別に刊行されていた『小鳩』(児童向教育誌)と合併して、『母と子』となり、さらに『くちなし』と改題するという変遷をたどりました。
その間、1917年1月に成蹊学園出版部が設立され、『成蹊叢書』等の単行書も含め、購読者が全国的に広がり、大正末期まで学園の出版活動は隆盛を極め、まさに日本における新教育運動の先駆的役割を果たしたといえます。
『母』、『母と子』では児童の詩や作文なども掲載し、表紙の絵も毎号小学生のクレヨン画で飾りました。
また、中村は児童の母親の創作童話を『母と子』に連載し、著名な童話作家を誌上で育てました(徳永壽美子 代表作『薔薇の踊り子』、訳書にバーネット原作『小公子』)。
『新教育』をはじめこれらの月刊誌は、貴重な文献として閲覧を希望する研究者が未だに絶えません。成蹊学園が誇る不朽の教育誌と言えるでしょう。(学園史料館)
成蹊学園「新教育運動」関係刊行物 目次一覧
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