研究の年次計画
研究の年次計画
平成29年度
目標
親子支援、高齢者支援、障害者支援の3つのプロジェクトを立ち上げ、自治体の福祉サービス等、関係部署との協力体制の構築に向けたソフト・ハード面でのインフラづくりを行う。
実施計画
- 障害者支援
- 視覚障害者の駅ホームからの転落事例データベースを公開し、視覚リハビリテーション専門家等に情報提供する。視覚補助システムのハード・ソフトウェアの基本設計を行う。
- 高齢者支援
- 高齢者が互いの健康や生活を支え、孤立を防ぐ仕組みを、自治体と協力して試行実施する。その活動の1つとして、傾聴エージェントを介護施設に設置して実証実験を行う。
- 親子支援
- 武蔵野市にある子育て支援施設・ネットワークの調査を開始する。自転車シミュレータの実験環境を構築し、これらの組織において、小中高校生を対象とした実験を行う。
- 政策デザイン
- 親子・高齢者・障害者に対する各種支援サービスについて、国内外における取り組みの事例を調査し、それぞれの政策体系の特徴と財政構造を比較検討する。
- プロジェクト全体の取り組み
- 年度末に外部評価委員を招き、各研究プロジェクトの準備状況と今後の計画を発表し、プロジェクトの方針や進め方について意見を聴収する。
平成30年度
目標
支援技術の開発に向けた基礎データの解析、手法の検討、武蔵野市をフィールドとした地域の仕組みづくりや社会システムの検討をすすめる。
実施計画
- 障害者支援
- 視覚障害者の転落事故例の類型化を完了させ、類型化された事故例データベースを公開するとともに、視覚補助システムの開発を進める。
- 高齢者支援
- 自治体における高齢者の孤立化防止の仕組みを本格実施させつつ、実証実験のデータに基づき、傾聴エージェントによる高齢者の状態推定性能の向上を図る。
- 親子支援
- 子育て支援施設やネットワークでの意見を聴取しながら、自動車-自転車間の情報通信システムの構築を進め、シミュレータ環境でのシステムを完成させる。
- 政策デザイン
- 世代横断型の生活保障支援、すなわち子育て・教育・就労・介護・孤立化防止・障害者への支援、安全対策について、政策体系と財政構造の特徴から国内・国際比較による類型化を行う。武蔵野市の実情に即した政策デザインを提案する。
- プロジェクト全体の取り組み
- 学融合的研究・教育の実施に向け、本事業における教育プログラムの検討を行う。他の研究機関から招待講演者を招き、本研究プロジェクトに関連したテーマの講演会を開催し、地域住民に公開する。
平成31年度
目標
各プロジェクトにおいて、開発技術の詳細設計に向けた調査・分析の実施、性能目標等の明確化を行うとともに、海外事例も含めた地域システムの検討を進める。また、学融合的教育の実践を全国的にアピールする。
実施計画
- 障害者支援
- 視覚障害者の転落事故防止策を検討するとともに、そのための視覚補助システムの評価を行う。
- 高齢者支援
- 多世代交流を促進する地域包括ケアシステムの取り組みのパイロット調査を行う。技術開発においても、高齢者の状態を介護者に通知するシステムを開発し、世代間の交流を支える技術を開発する。
- 親子支援
- 前年度間に開発した「自動車-自転車間の情報通信システム」を用いて、実際に地域の子育てネットワークに所属する小中校生を対象として評価実験を行う。
- 政策デザイン
- 武蔵野市型共生社会システムについて、財政面と連携体制について、ステークホルダーの意見を汲み取りつつ、地域のニーズに寄り添い、かつ持続可能なシステムを提案する。
- プロジェクト全体の取り組み
- 中間評価を兼ねて、外部評価委員にも参加していただくシンポジウムを開催する。受験生と企業を対象とし、第三者機関による大学ブランド力調査を実施し、客観的評価データに基づき、ブランディング戦略の中間評価を実施する。
令和2年度以降
目標
各種支援システムのさらなる改良・拡張を行うと同時に、社会の仕組みづくりに向けた実態調査も継続し、本事業の総合的な成果発表を意識して研究を遂行する。
実施計画
- 障害者支援
- 転落防止策を鉄道事業者や歩行訓練の現場にフィードバックし、社会実装に向けた検討を開始する。
- 高齢者支援
- 地域包括ケアシステムの取り組みに関する、内外の事例を調査するとともに、武蔵野市での実践を進める。また、傾聴エージェントの対話機能を拡充し、高齢者に楽しんで使ってもらえるシステムへと改良する。
- 親子支援
- 自転車運転者に向けた交通安全教育システムを提案する。学童保育や地域のこども館での自転車運転安全に関する調査を実施する。
- 政策デザイン
- 武蔵野市型共生社会システムの実践に向け、日本国内・海外での取り組みに照らしながら、政策上の基本構想を提案する。