【先輩に聞く!就活のリアル】経済学部22卒 IT業界内定

就活について悩みを抱えている成蹊生も多いのではないでしょうか。そこで不安を解消すべく、就活を終えた4年生にインタビューしました。今回は文系でIT業界に内定したSさんに、どのように就職活動を進めたのかお話を伺いました。

プロフィール

経済学部 Sさん
所属団体:劇団円想者
受けた業界:IT、運送・運輸
内定した業界・職種:IT・システムエンジニア(SE)
所持資格:普通自動車免許、ITパスポート
ガクチカ:部活動。コロナ禍前後で活動環境が大きく変化したが、その都度円滑な活動ができるように対応した。
自己PR:辛い状況でも安易に投げ出さず、何事も責任をもって粘り強くやり遂げることができる。

就活準備のスケジュール

業界選択について

Q. IT業界を志望すると決めた時期と理由を教えてください。

3年生の4~5月に決めました。コロナ禍で通信販売やストリーミングサービスを利用するようになり、人の動きが制限されてもインターネットと物流は止まらず、世の中が大きく変化してもなくならないと思ったからです。また、成長性もあると思ったこと、ゼミで少しプログラミングに触れていたこともあり、IT業界を志望しました。


ITパスポートについて

Q. ITパスポートとはどのような資格ですか?

情報処理に関する基礎的なリテラシーがあることを証明する資格です(問題例:EメールでCCに追加するとどの範囲の人がそのメールを見られるのか、Wi-Fiとは何か、など)。一般の人でも「まあ知っておいたらいいよね」、SEなら「知っていて当然だよね」という内容であり、誰もが学んで損はないものだと思います。

Q. ITパスポート取得の動機を教えてください。

①履歴書の空欄を減らしたいと思ったこと、②「夏にコレをやったぞ!」というものが欲しかったこと、③経済学部ではこの資格を取ると単位認定されること、の3つが動機になりました。就活で有利になるかも、という狙いがあったわけではありません。

※2020年度以降入学生には③の単位認定制度はありません。


Q. 面接でITパスポートについて触れられることはありましたか?

2回ほど話を振られましたが、ITパスポートをもっているから採用される、ということはないと思います。ただ、「もってるぞ」という自信には繋がります。また、実際にIT業界で働くことになった際には、ゼロから勉強を始めるのではなく、一度学んだことを思い出しながら取り組めるのが利点だと思います。

筆記試験について

Q. 筆記テスト対策はいつから始めましたか?

3年生の12月から開始しました。受験する企業がどのテストを使うのかがわかり次第、対策を始めるスタイルでした。

Q. どのテストの対策をしましたか?

SPIとCABです。各1冊ずつ参考書に取り組みました。

Q. CABの勉強方法を教えてください。

使った参考書は、SPIノートの会『【Web-CAB・GAB Compact・IMAGES対応】これが本当のCAB・GABだ! 2023年度版』 (講談社)です。

SPIノートの会『【Web-CAB・GAB Compact・IMAGES対応】これが本当のCAB・GABだ! 2023年度版』 (講談社)

※現在は最新版として2024年度版が刊行中。

試験日までに解きたい問題数やページ数を、試験までの残りの日数で割って一日のノルマを決めていました。重要なのは、とにかくたくさん解いて慣れること。最終的には参考書を4周ほどしました。

Q. 勉強時間を確保するために意識したことはありますか?

机に向かってじっくり解くことが一番ですが、まとまった時間が取れないときでも、電車の待ち時間などのスキマ時間にできる限り取り組むようにしていました。

Q. とくにどの種類のテストに苦戦しましたか?

どれも苦労しましたが、受ける頻度の多かったWeb-CABが一番大変でした。数学的思考回路と柔軟な思考回路が求められていたため、文系ならではの難しさもあったと思います。パズルが好きな人は得意な問題かもしれません。

Q. 筆記テストの失敗談はありますか?


準備不足だったことです。志望業界を決めた時点でWeb-CABを使うことの見通しを立てておくべきだったと感じました。皆さんには、志望業界・企業で使われそうなテストを早めに調べて、問題の傾向をチェックすることをオススメします。早期から自分が苦手そうな問題の対策を始められるので、解かずに参考書を見ておくだけでも効果があります。

※大手企業の場合、どのテストが使われそうか事前にインターネットで情報収集が可能。中小企業の場合、調べても情報がないことが多い。

Q. 筆記テストに関して1~2年生にアドバイスがあればお願いします。

正直、とくにありません。1~2年生のうちは筆記テスト対策以上に、いろいろな経験をしておくとよいと思います。就活のためでなくても、ぜひ人生を豊かにするような時間の使い方をしてください。

メンタルの保ち方について

Q. 就活で挫折しかけたときは、どのように乗り越えましたか?

誰かに不安なことを相談したり、「面接や試験が終わったら〇〇を食べよう/買っちゃおう!」と自分へのご褒美を決めたりしていました。自己分析を通じて、自分が何に対してプレッシャーを感じ、何に対して喜びを感じるのかを理解しておくと挫折感に対処しやすいと思います。
また、完璧を求めすぎないことも大切にしていました。人生において、新卒で入社できる企業は一社限りですが、そこが本当に自分に適しているかは働いてみないとわかりません。やってみたかったことが、全然向いてない可能性もあります。試験でも面接でも企業選択でも、失敗したらどうしようという不安はありましたが、「とりあえずやってみよう。成功したらラッキーで、失敗したらその後からまたいくらでも考えればいいや」くらいの気持ちで臨むようにしていました。選考に落ちて落ち込んだときも「この会社はミスマッチだったな~。私を落とした損失は大きいぞ~(笑)」と考えることで持ちなおしました。思い詰め過ぎず、自信過剰なくらいでちょうどよいと思います(笑)。

Q. 最後に、後輩たちにアドバイスをお願いします。

相談できる人を見つけることが大切です。私は友だち2人に相談していました。1人は学内の友だちで、志望業界が被っていない相手でした。業界が違うと選考期間も違うので、状況を比べることなく報告しあって励ましあいができます。もう1人は学外の友だちで、立っているところ・目指しているところが違うので、就職先として視野に入れる企業も異なっていて話しやすかったです。いずれにしても、お互いにライバル・プレッシャーにならない相談相手を見つけるとよいと思います。何でも話せる、この人になら泣きついても大丈夫、という存在がいると心の支えになります。


以上、「やりたい仕事ってどうやって見つけるの?」「資格は取った方がよいの?」「文系でもIT系に就職できるの?」「就活はつらい?」などなど、就活に関するさまざまな疑問・不安を解消するヒントが得られたのではないでしょうか?

実は、筆者もSさんと同じく文系でIT業界に就職予定の4年生。Sさんは本当にありのままの就活体験談をお話してくださり、取材中は終始共感でいっぱいでした。こんなにもリアルな情報を得られる機会はなかなかないと思います。ぜひ先輩の経験談・アドバイスを参考にしながら、いろいろな人の力を借りて良い就職活動にしましょう!

担当/小宮・明石・山本