オープンキャンパス取材!「理工学部三浦教授に聞く!未来を創る超伝導の世界とは?」

8月4日(金)に行われた、オープンキャンパス企画「2人が理系に進んだ理由、~社会に役立つ超伝導とは~」の公開対談を取材班がレポート!
理工学部三浦教授への取材や、当日の公開対談の様子をまとめています。超伝導について興味のある方、成蹊大学の魅力についてもっと知りたい方はぜひチェックしてみてください!

公開対談の様子

今年度のオープンキャンパスでは、理工学部理工学科の三浦教授と教育系YouTuberのヨビノリたくみさんによる公開対談が行われました。対談内では、大学受験についてのエピソードや三浦教授の専門分野である超伝導について話されました。成蹊大学の受験についても触れられ、とても充実した対談内容でした。当日は多くの人が会場に訪れて、対談中には笑いが起きるなど終始和やかな雰囲気での対談でした。

理工学部理工学科 三浦正志教授(画像右) 教育系YouTuber ヨビノリたくみさん(画像左)

インタビュー

三浦教授に、お話を伺いました!

Q1 三浦先生の考える、理工学部の専攻についての魅力を教えてください。

A 理工学部は現在、専攻分野を深く、融合分野を広く学べるように、1学科5専攻(データ数理専攻、コンピュータ科学専攻、機械システム専攻、電気電子専攻、応用化学専攻)となっています。特に私の所属している電気電子専攻では、低学年で数学・物理などの自然科学の基盤科目と情報科目である情報処理・プログラミング等の科目をしっかり学びます。その上でそれぞれの学生が自身の志望に応じた多様な選択が行えるように電気・電子・機械制御系の専門科目・他専攻科目が準備されています。これらを学ぶことで来るべき新しい時代に必要となる「物理と情報」「ハードウェアとソフトウェア」「基礎と応用」を俯瞰できる人材になることができます。


Q2 三浦先生が超伝導を研究なさることになったきっかけは何でしたか。

A 学部生の卒業研究を行う研究室を選ぶときに、「研究内容」で選んだのではなく「面白い先生」で選んだ結果、その研究分野がたまたま「超伝導」を研究している研究室だったのが超伝導を研究するきっかけです。また、研究室で研究している間に、自分のアイディアをもとに超伝導材料を作製し、その特性が世界トップクラスとなり、意外と研究者として世界で戦えるのではないか?と思ったのが研究者となるきっかけになりました。


Q3 超伝導の面白さはどんなところにありますか。

A これまで超伝導をテーマとした研究で、約15名の研究者がノーベル物理学賞を受賞しています。例えば、独自の材料設計指針をもとに、室温や冷蔵庫程度の温度で超伝導になる新しい超伝導物質を発見したらノーベル物理学賞受賞は間違いないと言われています。そういった意味でも夢のある研究分野です。また、超伝導でしか実現できない応用が数多くあり、今まで想像されてこなかった新しい分野で人々の役に立つ可能性があるという点でもとても夢があります。


Q4 現在三浦先生がご担当されている授業を教えてください。

A 電磁気学、電気電子材料、電気回路の授業を担当しています。


Q5. 研究室ではどのような研究を行っていますか?

A 超伝導材料は、液体窒素等で冷やすだけで「電気抵抗ゼロ」を示す唯一無二の電気電子材料です。そのため、他の材料では実現不可能な強力な電磁石を作ることができるため、高効率な発電システム、半永久的に電気を貯蔵できる貯蔵システム、送電ロスゼロの送電システム、がんの発見・治療に役立つ高度医療機器、次世代航空機用モータ・発電機の実現が可能です。私の研究室では、独自の材料設計指針をもとに10億分の1メートルのナノの材料構造を人工的にコントロールすることで、上記した様々な応用に必要とされている超伝導臨界電流(電気抵抗ゼロで流せる電流)を向上させることを行っています。


Q6  今後どういった生徒に研究室へ足を踏み入れてもらいたいとお考えですか。

A 学校で学んだ知識に加えて、最新の研究についても興味をもって学び、自分のアイディアもとに実験し、それを楽しめる学生にぜひ研究室に来て欲しいです。また、研究ではバックグランドの異なる研究者と議論する機会が多いので、その議論を活かし自分の研究をより良いものにし、世の中の役に立ちたいという志のある人にも研究室に来て欲しいですね。


取材した感想

今回対談内容を聞いて、超伝導の応用性や今後、新しい分野での活躍が期待されている研究分野であると理解しました。また成蹊大学は文理融合のワンキャンパスである為、様々な考えを持つ学生と交流ができる魅力的な学校であると改めて感じました。


担当/雨下・長嶌