パソコンから覗く宇宙 ~理工学部・山野井 瞳 准教授講演会~
2023年度に引き続き、紀伊國屋書店新宿本店内での講演会が開催されました。
私たちの住んでいる地球。青い空は広大な宇宙につながっています。この宇宙を専門として研究する天文学を学ぶため、「パソコンから覗く宇宙」をテーマにした講演会に参加し、その様子をリポートしました。
この記事で、天文学について学んでみませんか?
先生のご紹介

今回の講演をしてくださるのは、成蹊大学理工学部の山野井瞳准教授!
情報技術やプログラミングに関する講義を、学部を問わず担当されているため、授業を受けたことがある学生も多いかと思います。
山野井准教授は、総合研究大学院大学で、博士(理学)号取得後、国立天文台にて、主にハワイ島のマウナケア山頂にあるすばる望遠鏡の運用に携わっていました。今回の講演では、このすばる望遠鏡を用いた観測結果についても詳しくお話してくださいました!
講演内容
テーマは「パソコンから覗く宇宙」。山野井准教授の専門である天文学で扱う大きな宇宙を、パソコンという小さな窓から覗こうという内容です。
講演は、宇宙の広がり、すばる望遠鏡と観測成果、天体観測とデータ、天文学のこれから、という4つのテーマで話されました。すばる望遠鏡の観測データや、私たちに身近な例を用いながら、宇宙の全貌を明快に説明してくださいました。何光年、何億光年といった巨大なスケールの話は、私たちが生活している地球が宇宙に比べてとても小さいものだと改めて実感させるものでした。
准教授が勤めていた国立天文台の望遠鏡によって撮影された宇宙写真を見ることもでき、参加者の皆さんは興味津々でした。
講演会の様子
開場とともに、大人から子供まで幅広い年齢層の参加者たちが続々と集まり、宇宙という大規模なテーマの講演に期待を募らせる様子が伺えました。12月14日当日は、偶然にも双子座流星群が観測できるピークの日であり、さらに翌日は2024年最後の満月が見られる日であったため、天体を取り上げたテーマに最適な日となりました。講演は、皆さんが知っている身近な太陽系の話から始まりました。参加者はスライドに釘付けになり、真剣にメモをとりながら、宇宙に対する知識を深めていきました。講演後の質疑応答の時間では、より深い質問が寄せられました。皆さんが熱心に山野井准教授の言葉に耳を傾けている姿が印象的でした!
学生記者の感想
1年 日野
私は経営学部生で、天文学や、デジタル技術に詳しくありませんでしたが、そんな私でも楽しめる興味深い講義内容でした。古代の壁画に宇宙への関連性が示されているという説を聞いて、昔から人々が天文に注目していたということを改めて実感しました。今日では、パソコンやデジタル技術を用いて星や天文分析をしています。昔からある宇宙への探求心や興味からここまで発展を遂げてきたのではないかと考えました。准教授の「天文学の難しさとして、発見したところからまた新たに疑問が生まれ、学問に完了はない」という言葉を聞いて、天文学という分野の壮大さを感じました。新たに生まれた疑問を突き詰めて考えていくという姿勢は、大学生にとってとても重要なことだと考えます。山野井准教授の天文学における探求心を見習い、私も大学生活で常に学ぶ姿勢を持ち続けたいと思いました。
1年 澤田
私は幼い頃から星座や宇宙に関心があったため、専門的なお話が聞けることを楽しみにしていました。さらに、今回は近年のデジタル技術を用いた研究結果もテーマとして取り上げられていて、理工学部でコンピュータについて学んでいる私は、とても好奇心を抱きました。特に、私たちは宇宙のわずか5%しか把握しておらず、大部分が未だ謎に包まれているという事実にはとても驚きました。それに続けて、未知の部分であるダークマターの分布を捉えることに成功したというお話に、現代のデジタル技術の進歩を感じ、今後の更なる宇宙の実態把握に期待したいと思いました。また、将来の展望としてAIを有効活用した天体観測が挙げられており、宇宙についての新たな発見がより待ち遠しくなりました!私自身も天文学に関連したニュースに関心を持ち続け、知識を深めていきたいと思います!
終わりに
いかがだったでしょうか。宇宙を研究対象にした天文学の奥深さを改めて実感しました。この記事を通して天文学の世界に興味を持っていただけると幸いです。
また、過去に行われた塩澤教授によるアカデミックラウンジの様子もこちらからお読みいただけます。
また、学生広報委員会の活動について知りたいと考えている方はこちらのリンクからどうぞ!
Instagram: official_zelkova
担当/日野・澤田・松尾
写真/宮崎