ノートテイカー大募集!!ノートテイクを知ろう!! vol.2|NT利用学生編

こんにちは、経済学部3年のスズキです!
皆さん、「ノートテイクを知ろう!!vol.1|ノートテイカー編」は読んでいただけましたか?
(※まだの方はコチラから!! )

前回は、ノートテイカーの学生からノートテイクの方法や経験をお聞きしたので、今回は、ノートテイク(以下、NT)を実際に利用している成蹊生にお話を伺ってきました。

vol.2 利用学生

自身の障がい「感音性難聴」について

ーーご自身の障がいについて教えていただいてもいいですか?

利用学生Aさん:左耳は聞こえず、右耳は補聴器をしていますが、外してしまうとほとんど聞こえません。感音性難聴といい、内耳より奥に障がいがあり音を聞き取る機能が低下しています。

ーーなるほど、難聴にも種類があるのですね!

海外研修で学んだ“柔軟な対応”

ーーNTを利用しようと思ったきっかけはありますか?

利用学生Aさん:大学1年のときに、私が所属する外部団体プログラムで海外研修に行かせていただいた際、聞き取ることが難しい私に、所属スタッフの方々がスカイプに文字を打ち込んだり、近くでリスピークをしたりと、柔軟な支援をしてくださったことがきっかけです。そのときに、成蹊大学での支援を希望したいと思ったと同時に、支援は“固定的”ではなく状況に応じて“柔軟”に対応することが可能だと感じました。

ーー外部団体の海外研修に参加する行動力がすごいですね!支援は“柔軟な対応”が可能とはどういったことでしょうか?

利用学生Aさん:海外研修後、NTを利用することにした私は最初、パソコンや携帯などのデバイスを使用する支援や遠隔での支援を希望しました。当時、成蹊大学のNTは紙に書く形でしたが、情報量の増加やリアルタイム性を求め、支援のあり方を変える必要があると思ったのです。

ーーなるほど!NTを利用して、何か変化はありましたか?

利用学生Aさん:ありました。NTを利用する前は、何もサポートを受けずに出席していたため、マイクの音が響いて聞こえるなど、クリアに聞き取ることが難しく困っていました。ノートテイカーさんによるご支援をいただいてからは授業内容をとてもクリアに把握することができ、授業を楽しく感じるようになりました。さらに授業内に学習が可能なため後から聞き取れなかった部分を補う必要がなくなり、疲れも減少。部活や学校外活動により励むことができました。

ーーNTのおかげでAさんが充実した学生生活を送ることができてよかったです!ちなみに、オンライン授業になってさらに変化はありましたか?

利用学生Aさん:私が当初希望していたデジタルでの支援が、UDトークというアプリにより叶い、今までよりもさらに精度の上がったNTでスムーズに授業を受けることができるようになりました。いつもお世話になっているノートテイカーの皆様と支援に携わってくださっている皆様には心から感謝をしています。

勇気を出して助けを求める

ーー私たちが知らないだけで、成蹊大学には障がいをもちながら過ごしている学生が、Aさん以外にもいるかもしれません。障がいをもつ学生へメッセージをいただけますか?

利用学生Aさん:障がいに対する理解を得るのは大変で、障がい者自身のエンパワメントも難しいと感じるときがあります。例えば私はほかの方と同等に学ぶため、自己権利を擁護することはわがままとは違うと考えていますが、なかには上手く理解が得られないケースもあると聞きます。また、支援を受けることにはとても勇気がいります。私自身、初めは友達や身近な方々にも悩みを話せませんでした。

ーーたしかに人に悩みを打ち明けるのは勇気がいりますよね。でも、Aさんは勇気を出して助けを求めた。どんな気持ちで周りの方に助けを求めたのですか?

利用学生Aさん:私は、社会に出る前の限りある学生生活で、より学びを増やしたい気持ちが強く働きました。ですから、もし支援を受けることやそれ以外のことでも悩んでいる方がいたら、ぜひ信頼ができる方に打ち明けて助けを求めてみて欲しいなと強く思います。

ーー勇気をもって、まずは一歩…。これは、障がいをもつ人に限ったことではありませんよね!悩みを抱えている、相談したいことがある、そんな学生は③支援教員・サポセン編を要チェックです!

学ぶ権利は平等

ーー今回のインタビューを通じ、さまざまな立場の人の気持ちを理解することの大切さを改めて感じました。最後に、障がいの有無に関係なく、成蹊大学の学生へのメッセージをいただきたいです。

利用学生Aさん:個人的には、障がい者であるとしても、学ぶ権利は平等であるべきだと考えますし、ほかの学生と同様に社会に出る前に学ぶことのできる時間は限られています。私は成蹊大学のNTの制度、ノートテイカーの皆さんのおかげで、充実した学生生活を送ることができています。ノートテイカー以外の学生さんも、これを機にさまざまな障がい、障がいによる困りごと、必要とする支援ついて関心をもってくださったらとても嬉しいです。

ーーAさん、取材のご協力ありがとうございました。 次回はラスト、ノートテイクを知ろう!! vol.3|支援教員・サポセン編です。新規ノートテイカー募集のお知らせもあるので、要チェック!

取材/鈴木
文/鈴木・明石・峯元