【学生初潜入!?】新11号館へようこそ!

みなさん、こんにちは。学生広報委員会です。今回は2024年秋から使用開始される新11号館を一足先に取材させていただきました。この新しい11号館は、理工学部以外の人とのつながりをより意識して作られています。他大学ではあまり見られない成蹊大学ならではの空間。建設事業を担当された管財課の柏木さんにインタビューをしながら建物内を巡りました。
それでは、新11号館の旅へいってらっしゃい!

エントランス


新11号館のエントランスには大きなモニターが設置されています。こちらのモニターにはお知らせや施設案内など、成蹊大学の様々な情報が映されます。自動ドアを抜けると、明るく広々とした空間が現れます。透明な自動ドアや通常の建物よりも少ない柱など、見通しがよく開放感のある印象です。1階にはラーニングコモンズや無人決済店舗、理工学部エリアが入る予定なので、賑やかな場所になりそうです。 モニターがかかっている壁や吹抜け階段など、建物の所々に本館を彷彿とさせるような赤レンガタイルが使われています。

――新11号館のコンセプトは、理系と文系の学生が交われる空間を作ることです。建物は木材をふんだんに使ってゆったり過ごせる空間になるよう工夫しています。 空間のデザイン面にもそのコンセプトが現れており、1階は「柔らかさ」と「循環」をテーマに、丸いペンダントライトなどをおいて曲線的になるよう工夫しています。実は1階と2階の床の模様もテーマに合わせて変えています。 旧11号館を取り壊したあとはアトリオ(中庭)からの連続性を感じられるような広場を構築する予定です。


テラス


3、4階をまたがるテラスにも出てみました!大きなベンチや机が置かれており、本物の木が使われているからか、とても良い香りがします。取材日は1日天気が良かったこともあり、青空と相まって絶好のピクニック気分でした。旧11号館が取り壊されたら成蹊大学を一望できるような場所になるのではないでしょうか!

――ベンチに使われている木は南米産のグリーンハートという品種で、耐久性が高くささくれができにくい物を使用しています。階段にはクッションを用意するので、自由に利用してもらえると嬉しいです。

ベンチもテーブルも、使っていくうちに味が出そうですね。左手にある階段を登り、ひさしがついている場所に入ると風が涼しく感じます。勉強の息抜きに利用したり、気分転換にいつもと違う場所で勉強したいときに利用したいと思いました。


理工学部エリア


理工学部エリアは、理工学部の学生や教員などの関係者以外は立ち入れないようになっており、エリア内には広く近未来的な廊下にそって連なる研究室と、日光が差し込む交流プラットフォームがあります。

――研究室内は薬剤を床にこぼしても安全な資材を採用しており、天井は研究の変化に対応できるようあえてむき出しにすることで、機器の配線をしやすくしています。 交流プラットフォームでは、他の研究室の学生同士で作業をしたり食事をとったりできるようになっています。交流プラットフォームの中心には採光や通風のために設けられた光庭があり、そこからの光で心地よい空間となるように設計されています。また、給湯器、電子レンジ、そして冷蔵庫を設置する予定のため、簡単な調理や食材の保冷にご活用いただければと思います。


光庭


光庭の1階部分は天窓のようになっており、2階から吹き抜けが始まっています。

――光庭の窓には通気口がついていて、屋上に設置された温度センサーにて外の空気が快適な温度の場合には自動で通気口が開いて、涼しい空気を取り入れることが出来ます。外の空気を活用することでエアコンを使う回数を減らすことができ、省エネの効果が期待されます。


吹き抜け階段


新11号館の目玉は何と言ってもこの吹き抜け階段!木目調とクールな黒が落ち着きと温かさを与えてくれます。階段下には木でできたステージを設置!ここに腰掛けて友達と喋るのもいいですね。1枚目の写真の上部が青く見えますが、これは5階から見える青空が階段下から見えているようです。照明だけでなく上からも光を取り込むことでより明るく見せているんですね!

――1階から5階までを貫く吹き抜け階段があるので、どこにいても活動している様子や賑やかな声が聞こえるようになります。


祈祷室


2階のラーニングコモンズには小さな部屋があり、そこの扉を開くと、なんとそこには祈祷室がありました。祈祷室とは、空港などによくある、イスラム教徒(ムスリム)の方々がメッカに向けて祈りを捧げるための部屋のことです。中にはメッカの方角がわかるように天井に印があったり、手足を洗い清める小浄場(ウドゥ)があったりしました。

――祈祷室を設けるのは成蹊大学として初の試みです。実は、先ほど紹介した階段には点字ブロックが設置されており、多種多様なバックグラウンドを持つ方にも利用しやすい建物となるよう設計しております。


化粧室


こちらは1階の女子トイレです。トイレの標識は木が使われていて可愛らしい印象ですね。

――1階のトイレはアップサイクルをコンセプトとしており、パウダーコーナーには理工学部で実際に使われていたフラスコを照明器具として再利用しています。また、個室には新11号館の工事現場で使用されたパレットを壁材として再利用しています。

手洗い場の上のペンダントライトをよく見ると、薄く目盛りが入っていることにお気づきでしょうか。そう、このペンダントライトこそが理工学部で利用されていたフラスコです。使わなくなったものをそのまま別の用途で再利用しているので地球にも優しいですね。安らげる空間になるように、グリーンが天井に設置されているなど、柔らかな雰囲気でレトロっぽさを感じます。
もちろんデザインだけでなく機能面にもこだわりがあります!パウダールームにはコンセントやバッグハンガーも用意されています。 メイク直しのついでにヘアアイロンも使えるので、女性にとって使いやすいように工夫されているのがわかりました。

――女子トイレには休憩スペースも設置されています。体調が悪いときや着替えたいときなどに使うことを想定しています。

取材班が休憩スペースに入ってみると、見た目以上の広さを感じました。人ひとり寝転ぶことのできる広さがあり、その上水道もあるのでとても便利な空間になっています。


SDGsの取り組み


――新11号館では、柱に木材を使用したり、先ほど紹介した外の空気を活用する換気設備があったりと、環境への配慮をして作られています。建物自体の断熱性能を高め、高性能な空調を導入することで、基準の50%のエネルギー消費で維持管理することができる「ZEB ready(ゼブレディ)」 を達成しています。


施工体験ワークショップ


――1階の壁には、施工ワークショップで学生が実際に伐採した木材を一部使用し、学生が自らの手で貼り付けました。

ワークショップの詳細はこちら

新11号館の旅はいかがでしたか?やはり新しい建物というのはわくわくしますね!今まで、理工学部の研究している様子を知る機会がありませんでしたが、これからはお互いもっと交流を深められそうです。様々な学部がワンキャンパスに集まっている成蹊大学ならではの理工学部エリアになりそうですね。繰り返しになりますが、新11号館は今年2024年の秋から使用可能です。ぜひ訪れてみてください!

新11号館のホームページはこちら

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担当/福島・蓮見
撮影/泉・福島・蓮見・澤田