成蹊大学×NHK SDGsインタラクティブ

2022年6月20日(月)の3時限目に、「住み続けられるまちづくりを」をテーマに、「成蹊大学×NHK SDGsインタラクティブ」と題したイベントが開催されました。テーマとなった「住み続けられるまちづくりを」は国連が定めたSDGs(持続可能な開発目標)の11番目の項目です。学生がSDGsについて考え行動するきっかけを作ろうというイベントで、経済学部の小田宏信教授のゼミ生が企画段階から事前の調査など準備を重ねて当日に臨みました。

なんと、今回のイベントは成蹊大学とNHKの合同企画で行われたもの。学生や学校が求めることとマッチするような企画を実施されているNHKとSDGsを学ぶ成蹊生とのコラボレーションが実現しました!たくさんのカメラに囲まれていたので緊張感もありましたが、参加者全員にとって貴重な学びの機会となりました。

イベントの様子

第1部では、株式会社グルーヴデザインズ代表取締役で都市環境デザイナーの三谷繭子さんが「「わたし」からはじまる持続可能なまちづくりとは?」をテーマに講演されました。三谷さんは、自分の育ってきた地域に愛着をもてなかったという思いからまちづくりのことを考えるようになったと言います。都市の発展のために安全性を排除するのではなく、安全で持続可能な社会を作ることで愛したくなるまちづくりを会社全体で目指していると述べられました。

また、まちづくりに積極的に取り組んでいる地方都市として、
・神奈川県真鶴町
・広島県福山市
・アメリカ合衆国オレゴン州ポートランド
の3つを挙げ、それぞれの取り組みとそこで生じた課題などを紹介してくださいました。

講演に参加した学生はみな真剣に耳を傾けていました。

第2部は、参加した学生たちによるグループディスカッションで、テーマごとに3つのグループに分かれ、議論を交わしました。

こちら(上写真)のグループは、「今の吉祥寺に必要なインフラ面での改善点」という難しいテーマでしたが、活発に議論が交わされていました。

インタビュー

今回、私たちは講師の三谷繭子さんと講演の企画者であられるNHKの山口浩典さん、穐葉伊純(あきばいずみ)さんにインタビューさせていただきました。

講師の三谷繭子さん

Q.まちづくりのお仕事を通じて、地元のことを好きになりましたか?

A.まだ完全に好きとは言い切れない部分もありますが、上京してから自分の住んでいた地域の見え方が変わってきて、意外といいところがあるなとか、好きな部分が増えてきました。もっと好きになりたいので、もう少し自分でも地元に貢献していきたいと思っています。

Q.SDGsができる以前から、まちづくりは世界的に重要視されていたのですか?

A.はい。SDGsができる前から、途上国の人たちの生活環境のことや日本の公害問題など、常に社会には課題があります。それに対応するために世界中でまちづくりが実践されています。どのようにまちづくりをしていくか、その時代の人たちが考え、改善したことが続いてきているのが今です。

Q.学生へメッセージをお願いします!

A.地域の人たちも、学生さんの力を借りたいと思っているはずなので、一緒に取り組めることを探して提案するなど、どんな小さなことでも今日大事だと感じたことをやってみて欲しいです。

NHKの山口浩典さんと穐葉伊純さん

左が山口さん、右が穐葉さん ※撮影時のみマスクを外しています

Q.この企画をされた目的を教えてください!

A.新型コロナウイルス感染症によって、若い方同士の繋がりがなかったり、課外活動やイベントがなくなったりしているなかで、NHKが学生さんの役に立つような何か、記憶に残るような何かができないかということで成蹊大学にお声かけしました。そしてSDGsをテーマに取り扱っているゼミがあることを知り、授業の一環として一緒に学びたいと思い、企画しました。

Q.とくに NHKが力を入れていらっしゃる取り組みはありますか?

A.近頃、世間ではテレビ離れが進んでいると言われていて、テレビを持っていない人や見ない人が多くなりました。そこで、NHKでは今日のような企画や、インターネットのコンテンツなど、テレビ以外の媒体での発信にも力を入れています。今回のように、学生さんと何かを一緒にやることでそこに参加してくれた学生さんが、現在生活の中にないNHKに今後ちょっとでも関心を向けてくれるのではないかと期待しています。

Q.現在、どのような層に向けて一番力を入れて情報を発信されていますか。

A.どこかの層に偏らないというのがNHKの第一使命なので、日本全国の皆さんに公平に放送や様々なコンテンツを提供しています。ただ、テレビ離れがより進んでいるのは若い世代の方ということもあるため、学生さんたちと直接接点をもつ活動には、現在かなり力を入れています。

取材をしての感想

・個人的に神奈川県真鶴町の取り組みが印象に残っています。新しいものを生み出すだけでなく、昔ながらの風景を守るまちづくりもあるのだと知って素晴らしいと思いました。私は今就活生で、まちづくりに関する仕事にも興味があったので、今回の講義を聞いて視野が広がったような気がします。(石橋)

・「まちづくり」について考えたことがなかったので、すべてが新たな学びになりました。地元のまちづくりも考えてみたいです。また、講演では積極的に発言をする学生が印象的で、参加者にとってとても有意義な時間になったと思います。(丸山)

・私は自分の住んでいる町が大好きで、まちづくりにも関心を持っていたのでとても楽しく取材できました。後日、NHKで放送されたので内容を振り返ることができて嬉しかったです。(山岸)

おわりに

皆さんは「まちづくり」という言葉を聞いてどのようなことを思い浮かべますか?
地方を活性化させること?それとも新しい建物を建てることでしょうか?
今回のイベントは、参加した学生にとってそもそもまちづくりとはなんだろう、住み続けられるまちづくりのために私たちができることは何だろう、と考える良いきっかけになったのではないかと思います。

なお、この講演会の内容は、7月15日(金)NHKの「首都圏ネットワーク」にて放送されました。

講師の三谷繭子さんと経済学部 小田宏信教授、ゼミ生の皆さん ※撮影時のみマスクを外しています

担当/石橋・丸山・山岸