成蹊大学Society 5.0研究所主催 第14回講演会(2024年10月15日開催)
「電子国家エストニア:日本が学べること」
成蹊大学法学部法律学科4年 齋藤 航
私はこの講演を受けて、日本は技術などが進んでいると大きく胸を張って言えるほどではないことを思い知らされた。正直、講演前には世界史の知識が浅いこともありバルト三国にある小さな国としかエストニアのことを捉えていなかった。しかし、実際に三人の登壇者の話をお聞きしたところ、素敵な文化や街並みが整っている伝統などを大事にしている国である一方で、大国を凌ぐほどの最先端のデジタル国家なのだと知りとても驚かされた。
特に学校や自治体のコンピューター普及率、高齢者でもデジタル機器を使いこなしている点、選挙や結婚などの公的な手続きを全てコンピューター1つで完結させられることに大きく驚いた。日本で公的な手続きを全て電子化するには、高齢者への指導や全ての個人情報を国に一貫管理させることへの不安など多くの問題が起きると思われる。しかし、これらの問題点に独立回復後まもない小国が20年以上前から取り組むことで現在はほぼ全ての公的手続きが電子化されている。
技術力などで最先端を誇れたはずの日本ならエストニアの実例から学び、あらゆることの電子化という大きな決断を下すことができると考えられる。私自身が働く世代として中心的に活躍するであろう年齢には電子化が完全に整った日本社会になり、エストニアのような効率的な過ごし方ができるようになっていることを願いたい。