第二弾!!美術館巡り~国立美術館「キャンパスメンバーズ」制度を使ってみよう~
皆さんは、「キャンパスメンバーズ」制度をご存じですか?
「キャンパスメンバーズ」は、国立美術館が提案する大学・短期大学・高等専門学校などを対象とした会員制度です。学生証を提示すれば、入会している学校の学生や教職員は、展示を無料、もしくは割引料金で何度も観覧することができます!
昨年度、私たち学生広報委員会はこの制度を利用して、東京都内の美術館を一日で巡りました!その時の様子は、コチラからご覧ください。
今回は、前回行くことができなかった、「東京国立近代美術館」(以下、MOMATと表記)へ向かいました!その時の様子をお見せします!
東京国立近代美術館とは
MOMATは、東京都千代田区にある、1952年12月1日に設立された日本で最初の国立美術館です。19世紀末から現代までの絵画や彫刻、写真、映像など多彩な作品が展示されています。近現代日本の作品を中心としながら、同時代の海外作品も展示しています。
最寄り駅は、東京メトロ東西線「竹橋駅」のほか、東京メトロ東西線・半蔵門線・都営新宿線「九段下駅」、東京メトロ半蔵門線・都営新宿線・三田線「神保町駅」です。
開館日や時間はコチラから公式サイトでご確認ください。
東京国立近代美術館の外観と入場

最寄りの竹橋駅から歩いて向かうと、コンクリートでできた大きな建物が目に入ってきました。この建物こそ、東京国立近代美術館(MOMAT)です!所蔵品ギャラリーへ向かうエレベーターの前で、受付の方に学生証を提示していざ入場!学生証を見せるときに、「キャンパスメンバーズ制度を使います」と一言あると、スムーズに入場できます。

~1階の雰囲気~
4階-皇居を見わたす展望エリアと明治から昭和までを感じる展示
奥のエレベーターに乗り込んだら、まずは最上階へ!4階は1880年代~1940年代までの作品が。美術館の顔ともいえる名品を展示してある1室からはじまり、明治から昭和初期までの日本の美術が展示されています。

明治37年に石井柏亭によって描かれた《草上の小憩》では、マネの《草上の昼食》から三角形の構図などを取り入れています。どういった場所をモデルにしているかは明言できませんが、自然が豊かな中で、楽しそうに談笑していそうな姿に見え微笑ましく感じました。

石井柏亭《草上の小憩》1940年
所蔵品ギャラリーの導入部にある情報コーナーには、MOMATの歴史を振り返る年表と関連資料が。MOMATの所蔵作品を貸し出している美術館の展覧会のお知らせや、所蔵作品検索システムもここで提供されています。
またこの階には美術館の外を眺められる休憩スペースもあります。MOMATは皇居の近くに建てられており、まさに絶景とも呼べる景色を楽しめます!

3階-昭和のはじめから中ごろまでの芸術とウォールドローイング
4階の作品群を見終え、次の階へ下る階段の途中には、壁一面に広がる広大な絵画が!2020年12月に完成したウォールドローイングが、観覧者を迎えてくれます。こちらは3階の一室に広がる作品です。

3階には1940年代~1960年代までの作品が展示してあります。第二次世界大戦の様子を表現した作品や抽象的作品が一室に並びます。
6室に展示してある宮本三郎の《山下・パーシバル両司令官会見図》は、マレー作戦でイギリス軍を破りシンガポールが陥落した後の停戦会談を描いたものです。この作品からは、イギリス軍に勝利した日本軍の強気な交渉へ臨む顔を見ることができ、当時の日本軍が自国の軍の強さに自信があるように感じられます。

画面左端: 宮本三郎《山下・パーシバル両司令官会見図》1942年
石井茂雄の《戒厳状態》は、格子などの幾何学の反復構造を用いて、暴力による人間や動物の不安や焦燥、恐怖や絶望を描いています。人間や馬の表情、暗めの色彩から、恐怖からもがいて逃げようとしているように感じられます。

石井茂雄《戒厳状態》1956年
また、この階からは彫刻や絵画だけでなく、ガラス工芸品なども。石川県金沢市にある国立工芸館が所蔵する作品の一部も、MOMATに展示しています。
2階-昭和の終わりから現代までの作品
2階へ下りると、より現代的な作品があります。3階の一室にあったウォールドローイングの作品と同時期に活躍したニューヨークの作家たちによる、線とグリッドの作品が展示されています。
ほかにも、現代的な表現であるドローイング技術を用いた多種多様な作品や、現代の映像技術を使った作品を楽しめます。
キムスージャの《針の女》は、作者自身を針に見立てた映像作品です。それぞれの都市で生きる人が、時に無関心、時に好奇の目で作者を見ています。このような方法で現代社会を風刺できるのは驚きです。

キムスージャ《針の女》~2000‐01年
まとめ
いかがでしたか?今回は東京国立近代美術館にお邪魔し、観覧をしてきました。現代に近い作品たちがずらりと展示されているからこそ、私たち学生の感性に刺さる作品もたくさんあるかもしれませんね。MOMATの所蔵作品展は、会期ごとに大幅な展示替えがあるので、何度行っても新しい作品に出会えます。現在成蹊大学の学生は、計4か所の都内の国立美術館と、石川県金沢市にある国立工芸館へお得に来館できます。

なお、学生証を忘れてしまうと特典を利用できないのでお忘れなく!
学生の期間に、美術館を訪ねてみるのはいかがでしょうか。
参考:https://www.momat.go.jp/
記事/長嶌
撮影/長嶌・泉
写真提供/東京国立近代美術館